基本情報
遺跡名称 | アル-ヒジュル古代遺跡(マダイン・サーレハ) |
遺跡名称(英語) | Al-Hijr Archaeological Site (Madâin Sâlih) |
国名 | サウジアラビア |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (ii)(iii) |
世界遺産登録年 | 2008年 |
資産面積 | 1621.2ha |
世界遺産「アル-ヒジュル古代遺跡(マダイン・サーレハ)」の登録理由や特徴について
アル=ヒジュル考古学遺跡(マダイン・サリハ)は、サウジアラビアで最初にユネスコの世界遺産に登録された地域であり、かつてはヘグラとして知られていました。この遺跡は、ヨルダンのペトラの南に位置するナバタイ文明の最大の保存された遺跡であり、その歴史的・文化的価値は非常に高いものです。遺跡には、紀元前1世紀から紀元後1世紀にかけての装飾が施されたモニュメンタルな墓があり、これらは優れた保存状態を保っています。
アル=ヒジュルの主な特徴は、111基のモニュメンタルな墓であり、そのうち94基には精巧な装飾が施されています。これらの墓は、ナバタイ人の建築技術の高さと水利技術の優れた実例を示しています。また、遺跡にはナバタイ人以前の時代に属する約50の碑文や、洞窟画も発見されており、ナバタイ文明の独自の証言を提供しています。
ナバタイ人は、交易で繁栄した遊牧民の集団であり、サウジアラビア、ヨルダン、シリアの広範囲にわたってその影響を及ぼしました。彼らは、独特の建築技術を駆使して岩を削り出し、壮大な寺院や墓を造り上げました。これらの構造物は、自然環境と調和しながら設計されており、美的感覚と実用性を兼ね備えています。
アル=ヒジュルでは、特に水源の管理が巧みに行われており、独自の水利システムが存在しました。このことは、ナバタイ人が乾燥した気候の中でいかにして繁栄したかを示す重要な要素です。水井戸や貯水施設の存在は、彼らの社会と文化が繁栄するために欠かせない要素であったことを物語っています。
今日、アル=ヒジュル考古学遺跡は観光地としても知られ、訪れる人々はその歴史的背景や壮麗な遺跡を通じてナバタイ文明に触れることができます。その独特な魅力と歴史的意義から、アル=ヒジュルはサウジアラビアの文化遺産の象徴であり、世界中の人々にとって重要な遺跡の一つとされています。
「アル-ヒジュル古代遺跡(マダイン・サーレハ)」はどこにある?