国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ニカラグアの羊肉生産量は1961年の5トンから始まり、2023年には25トンとなりました。特に1960年代後半から1990年代後半にかけては徐々に増加傾向が見られましたが、2000年以降はおおむね安定した推移を示しています。近年、2023年の数字では若干の増加が確認されていますが、全体としては停滞気味です。
ニカラグアの羊肉生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 25 |
4.28% ↑
|
2022年 | 24 |
-0.34% ↓
|
2021年 | 24 |
-0.29% ↓
|
2020年 | 24 |
-0.71% ↓
|
2019年 | 24 |
-1.12% ↓
|
2018年 | 24 |
-0.74% ↓
|
2017年 | 24 |
1.58% ↑
|
2016年 | 24 |
0.04% ↑
|
2015年 | 24 |
-2.44% ↓
|
2014年 | 25 |
2.5% ↑
|
2013年 | 24 | - |
2012年 | 24 |
2.56% ↑
|
2011年 | 23 |
2.63% ↑
|
2010年 | 23 | - |
2009年 | 23 | - |
2008年 | 23 | - |
2007年 | 23 | - |
2006年 | 23 | - |
2005年 | 23 |
2.7% ↑
|
2004年 | 22 |
1.09% ↑
|
2003年 | 22 |
1.67% ↑
|
2002年 | 22 | - |
2001年 | 22 |
5.88% ↑
|
2000年 | 20 | - |
1999年 | 20 | - |
1998年 | 20 | - |
1997年 | 20 |
6.25% ↑
|
1996年 | 19 | - |
1995年 | 19 |
6.67% ↑
|
1994年 | 18 |
-16.67% ↓
|
1993年 | 22 |
-5.26% ↓
|
1992年 | 23 |
26.67% ↑
|
1991年 | 18 |
3.45% ↑
|
1990年 | 17 |
85.9% ↑
|
1989年 | 9 |
-43.07% ↓
|
1988年 | 16 |
2.24% ↑
|
1987年 | 16 |
3.08% ↑
|
1986年 | 16 |
3.17% ↑
|
1985年 | 15 |
3.28% ↑
|
1984年 | 15 |
3.39% ↑
|
1983年 | 14 |
7.27% ↑
|
1982年 | 13 |
10% ↑
|
1981年 | 12 | - |
1980年 | 12 |
-4.76% ↓
|
1979年 | 13 | - |
1978年 | 13 |
5% ↑
|
1977年 | 12 |
5.26% ↑
|
1976年 | 11 |
5.56% ↑
|
1975年 | 11 |
5.88% ↑
|
1974年 | 10 |
6.25% ↑
|
1973年 | 10 |
6.67% ↑
|
1972年 | 9 |
7.14% ↑
|
1971年 | 8 |
32.08% ↑
|
1970年 | 6 |
-11.67% ↓
|
1969年 | 7 | - |
1968年 | 7 |
9.09% ↑
|
1967年 | 7 | - |
1966年 | 7 |
10% ↑
|
1965年 | 6 | - |
1964年 | 6 |
11.11% ↑
|
1963年 | 5 | - |
1962年 | 5 |
12.5% ↑
|
1961年 | 5 | - |
ニカラグアの羊肉生産量の推移を振り返ると、明らかな増加トレンドが確認できたのは主に1960年代から1990年代前半までの約30年間です。この期間において、農業技術の発展や家畜飼育方法の改善により、1961年の5トンから1992年の23トンへと飛躍的な成長を遂げました。しかし、その後、一時的な減少を挟みながらも全体として生産量は横ばいに向かい、2000年代以降は基本的に20~25トンの安定した数値を維持しています。
この羊肉生産量の推移の背景には、ニカラグアの経済発展や農業における重点分野の変化が関係しています。ニカラグアは伝統的に牛や豚など肉類の供給で成長してきたため、羊を利用する文化や羊肉の需要が他国と比べて低い傾向にあります。そして、羊肉生産の停滞要因としては、羊特有の飼料需要や高温多湿な気候による家畜病のリスクが挙げられます。一方で、1992年以降の急速な増加や停滞後の安定には、地域的な畜産政策の改善や輸出需要の影響があったとも考えられます。
世界的な視点から見ると、ニカラグアの羊肉生産量は依然として非常に小さく、2023年の25トンという値は中国(大規模な羊肉生産で知られる)やオーストラリア(輸出主導型の羊産業)などに比べるとごくわずかな規模です。他国の事例を見ると、輸出の多様化や地域全体の需要拡大が羊肉生産の発展に結びついており、ニカラグアとしてもこれらの成功例を参考にする余地があるといえます。
近年、気候変動による生産リスクにも目を向ける必要があります。特に熱帯気候を持つニカラグアでは、異常気象が家畜の健康に及ぼす影響が懸念されます。家畜病の流行や干ばつの頻発に対応するためには、気候に適応した飼育方法の実施が重要です。また、羊肉は輸出可能な高価値商品としてポテンシャルを秘めており、生産性を向上させるための技術援助や地域内での協力体制の構築も効果的でしょう。
教育やトレーニングを通じた中小規模漁農民の支援が鍵になると考えられます。ニカラグア政府や国際機関は、資金援助や持続可能な飼育技術の普及を進め、羊肉産業を活性化する施策を打ち出すべきです。さらに、地域市場や観光産業との連携により、国内需要を喚起し、新たな収益源を生み出すことが期待されます。
結論として、ニカラグアの羊肉生産量は過去数十年にわたって安定しつつも成長のペースが停滞している状況です。しかし、持続可能な方法で生産を増加させる余地は大いにあり、政府の農業政策や地域協力の強化、気候変動対策などが未来の重要課題となります。