国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータによると、赤道ギニアの羊肉生産量は1961年の63トンから2023年の108トンへと着実に増加しています。この62年の期間でおよそ1.7倍に増加しており、特に1990年代以降の成長が顕著です。一方で、生産量全体としては非常に小規模であり、他国と比べると赤道ギニアの羊肉産業は限定的であると言えます。
赤道ギニアの羊肉生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 108 |
-0.04% ↓
|
2022年 | 108 |
0.76% ↑
|
2021年 | 107 |
0.75% ↑
|
2020年 | 106 |
0.87% ↑
|
2019年 | 105 |
0.91% ↑
|
2018年 | 104 |
0.78% ↑
|
2017年 | 103 |
0.78% ↑
|
2016年 | 103 |
0.03% ↑
|
2015年 | 102 |
0.48% ↑
|
2014年 | 102 |
0.78% ↑
|
2013年 | 101 |
2.22% ↑
|
2012年 | 99 | - |
2011年 | 99 | - |
2010年 | 99 |
2.27% ↑
|
2009年 | 97 | - |
2008年 | 97 | - |
2007年 | 97 |
1.15% ↑
|
2006年 | 96 | - |
2005年 | 96 | - |
2004年 | 96 |
1.16% ↑
|
2003年 | 95 | - |
2002年 | 95 | - |
2001年 | 95 |
2.38% ↑
|
2000年 | 92 |
1.2% ↑
|
1999年 | 91 |
1.22% ↑
|
1998年 | 90 |
1.23% ↑
|
1997年 | 89 |
1.25% ↑
|
1996年 | 88 |
1.27% ↑
|
1995年 | 87 |
1.28% ↑
|
1994年 | 86 |
1.3% ↑
|
1993年 | 85 |
1.32% ↑
|
1992年 | 84 |
1.33% ↑
|
1991年 | 83 |
1.35% ↑
|
1990年 | 81 |
1.37% ↑
|
1989年 | 80 |
1.39% ↑
|
1988年 | 79 |
1.41% ↑
|
1987年 | 78 |
1.43% ↑
|
1986年 | 77 |
1.45% ↑
|
1985年 | 76 |
1.47% ↑
|
1984年 | 75 |
1.49% ↑
|
1983年 | 74 | - |
1982年 | 74 |
1.52% ↑
|
1981年 | 73 |
1.54% ↑
|
1980年 | 72 | - |
1979年 | 72 |
1.56% ↑
|
1978年 | 70 | - |
1977年 | 70 |
1.59% ↑
|
1976年 | 69 | - |
1975年 | 69 |
1.61% ↑
|
1974年 | 68 | - |
1973年 | 68 |
3.33% ↑
|
1972年 | 66 |
3.45% ↑
|
1971年 | 64 |
3.57% ↑
|
1970年 | 62 |
3.7% ↑
|
1969年 | 59 |
1.89% ↑
|
1968年 | 58 |
0.76% ↑
|
1967年 | 58 |
0.77% ↑
|
1966年 | 57 |
1.95% ↑
|
1965年 | 56 |
1.79% ↑
|
1964年 | 55 |
-4.37% ↓
|
1963年 | 58 |
-4.01% ↓
|
1962年 | 60 |
-3.86% ↓
|
1961年 | 63 | - |
赤道ギニアの羊肉生産は、1961年から2023年までの62年間にわたり緩やかに増加してきました。このデータは、国内の畜産業の規模や振興状況、さらには食料供給体制の変化を反映しています。初期の1960年代には年間生産量が50トン台から60トン台だったのに対して、2023年には108トンと着実な増加を見せており、この間における平均的な年間増加率は約0.7トンです。特に1990年代から2000年代初頭にかけて、90トンを超える生産量に達したことで、生産ペースがやや加速していることが見て取れます。
この生産量の増加にはいくつかの要因が考えられます。まず、農村部での生計を支える重要な農業活動として、羊の飼育が継続的に行われてきたことが挙げられます。また、2000年代以降の経済成長の中で、食糧安全保障を掲げる政策の推進が一因となり、国内における家畜の繁殖管理や飼育技術の向上が進んだ可能性があります。しかし、同時に赤道ギニアの羊肉産業は規模として限定的であり、国内需要や輸出市場に与える影響は少ないと考えられます。
地域的観点から見ると、赤道ギニアの畜産業はアフリカ諸国の中でも相対的に小規模です。例えば、隣国のカメルーンやナイジェリアでは羊やヤギ肉の生産が重要な産業セクターとなっており、その生産量は年間数万トンに達しています。一方で、全体的に赤道ギニアは国土面積が小さいことと、土地利用の多くが森林や油田開発に充てられているため、羊の牧畜に適した土地が限られている課題もあります。この結果、家畜の増加ペースは緩やかであるとみられます。
政治的および地政学的なリスクとして、石油資源への過度な依存が挙げられます。赤道ギニアは石油収入に大きく依存している国であり、このため一次産業全体への支援が十分でないことが課題として浮上します。最終的には、この状況が持続可能な農業振興を妨げる要因となりえます。また、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、消費者需要や労働力供給の停滞など、小規模畜産業へも間接的な影響があった可能性があります。
今後、この羊肉生産産業を成長させるためには、農業技術のさらなる向上や地域的協力の強化が必要です。具体的には、近隣諸国との連携を強化した家畜育成の技術共有や人材交流の推進が一つの手段となるでしょう。また、赤道ギニア国内で羊肉以外の畜産業も含めた農業の多様化を図り、外部依存を減少させる取り組みが重要です。特に、小規模農家への補助金や教育プログラムの支援を通じて、新しい飼育手法を普及させることが効果的であると考えられます。
結論として、赤道ギニアの羊肉生産量は小規模ながらも持続的な増加を遂げています。しかし、このペースでは国内需要の拡大や輸出産業への転換は難しいと考えられます。政府および国際機関には、食料安全保障と農業生産能力の強化、ならびに持続可能な農業政策の実行が求められます。それにより、地域経済の発展とともに羊肉生産のさらなる拡大が可能になるでしょう。