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サウジアラビアのヤギ肉生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の2024年7月に更新された最新データによると、サウジアラビアのヤギ肉生産量は1961年の4,300トンから2023年には37,523トンにまで増加しています。特に近年は急激な増減が見られ、2020年には46,127トンと過去最高の値を記録しましたが、それ以降は減少傾向にあり、2022年は34,231トンと減少し、2023年は再びやや持ち直しています。このデータはサウジアラビアの農業政策や市場需要の動向を反映しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 37,523
9.62% ↑
2022年 34,231
-15.74% ↓
2021年 40,624
-11.93% ↓
2020年 46,127
26% ↑
2019年 36,610
18.69% ↑
2018年 30,844
1.1% ↑
2017年 30,507
-1.73% ↓
2016年 31,044
4% ↑
2015年 29,851
-0.47% ↓
2014年 29,992
-0.56% ↓
2013年 30,160
4% ↑
2012年 29,000 -
2011年 29,000
42.86% ↑
2010年 20,300
10.33% ↑
2009年 18,400
1.66% ↑
2008年 18,100
-22.98% ↓
2007年 23,500
10.33% ↑
2006年 21,300
-11.62% ↓
2005年 24,100
1.69% ↑
2004年 23,700
5.8% ↑
2003年 22,400
0.45% ↑
2002年 22,300
-0.45% ↓
2001年 22,400
0.9% ↑
2000年 22,200
5.71% ↑
1999年 21,000
5% ↑
1998年 20,000
-4.76% ↓
1997年 21,000
-6.25% ↓
1996年 22,400
-5.88% ↓
1995年 23,800
-4.8% ↓
1994年 25,000
4.17% ↑
1993年 24,000
2.13% ↑
1992年 23,500
4.04% ↑
1991年 22,587
-1.37% ↓
1990年 22,900
51.53% ↑
1989年 15,113
2.81% ↑
1988年 14,700
-12.28% ↓
1987年 16,758
-0.65% ↓
1986年 16,868
12.78% ↑
1985年 14,956
35.96% ↑
1984年 11,000
22.22% ↑
1983年 9,000
75.03% ↑
1982年 5,142
1.4% ↑
1981年 5,071
1.42% ↑
1980年 5,000
-24.74% ↓
1979年 6,644
0.33% ↑
1978年 6,622
0.33% ↑
1977年 6,600
-45.63% ↓
1976年 12,140
4.93% ↑
1975年 11,570
5.18% ↑
1974年 11,000
28.84% ↑
1973年 8,538
0.49% ↑
1972年 8,496
1.74% ↑
1971年 8,351
7.94% ↑
1970年 7,737
-0.06% ↓
1969年 7,742
68.89% ↑
1968年 4,584
-3.27% ↓
1967年 4,739
5.31% ↑
1966年 4,500 -
1965年 4,500
2.27% ↑
1964年 4,400 -
1963年 4,400
2.33% ↑
1962年 4,300 -
1961年 4,300 -

サウジアラビアのヤギ肉生産量は、この60年余りの間に大きく変動してきました。1960年代は年間4,000~5,000トン前後の生産が続き比較的安定していましたが、1970年代以降、生産量の増加が顕著になりました。1974年の11,000トンを皮切りに、1975年から1984年には増加傾向が続き、1985年には14,956トン、1994年には25,000トンとなりました。このような増加は、サウジアラビアの人口増加や焼肉文化など食生活の変化に合わせた生産活動の拡大の結果と考えられます。

しかし、その一方で、1977年や1980年代の前半など、一部の年で生産量が明らかに減少していることも注目すべきです。この変動は、干ばつや土壌の劣化、あるいは農業技術の導入不足が原因である可能性があります。また、1990年代は輸入増加や農業政策見直しの影響があったかもしれません。

2000年代以降、ヤギ肉の生産量は21,000~24,000トンの範囲で推移しており、一定の安定を見せていました。ただし、2006年や2008年には生産量が大きく落ち込んでおり、何らかの外部要因が影響したと考えられます。その後、2011年以降には再び増加が目立ち、2019年には36,610トン、2020年には46,127トンに達し過去最高を記録しました。当時の記録的な増加には、気候変動対策の成功や、政府の農業振興策の強化などが関与していたと推測されます。ただし、新型コロナウイルスの感染拡大によるサプライチェーンの混乱や労働力不足は、比較的軽微な影響で済んだように見えます。

2020年以降の急激な減少は、環境的要因や海外需要の影響、さらには投資資金不足が絡んでいる可能性がありますが、2023年にはやや回復に向かっている姿が確認されています。

今後の課題としては、気候変動による農業への影響への対応策、環境負荷の軽減および農業技術のさらなる高度化が求められるでしょう。特に、乾燥地帯であるサウジアラビアでは、水資源の確保や効率的な放牧管理が重要です。また、需要と供給のバランスを保ち、輸入品との競争を抑えるためには、地域市場との連携や輸出市場の拡大も検討すべきです。

国際的な視点から見た場合、周辺諸国で特にヤギ肉生産が盛んな地域、例えばインド(世界最大のヤギ肉消費国の一つ)や中国との協力体制を築くことも有効です。また、EU諸国のようにバイオ畜産技術を積極的に導入することも、今後の競争力の向上に繋がるでしょう。

結論として、FAOが示したデータは、サウジアラビアのヤギ肉生産が多様な外的内的要因に影響を受けながらも全体的には成長を遂げてきたことを示しています。これを機に、長期的な生産計画を策定し、土地や資源を持続可能な方法で管理すると同時に、農家への支援や市場輸出の促進を通じて、国内外の需要に応えられる体制作りが求められます。