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セネガルの馬肉推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が最新の2024年7月に更新したデータによれば、セネガルの馬肉生産量は、1961年の1,250トンから2023年の7,326トンまで、60年以上にわたり大きな変化を見せています。生産量は1960年代後半から1970年代にかけて増加を続けましたが、1980年代初期には減少傾向が見られ、その後再び上昇に転じました。2000年代以降は7,000トン台を維持するものの、近年まで一部減少の動きが見られました。しかし、2023年には再び増加に転じています。

年度 (トン) 増減率
2023年 7,326
2.58% ↑
2022年 7,142
0.99% ↑
2021年 7,072
0.19% ↑
2020年 7,059
0.59% ↑
2019年 7,017
0.26% ↑
2018年 6,999
-1.35% ↓
2017年 7,095
0.27% ↑
2016年 7,076
-1.19% ↓
2015年 7,161
-0.46% ↓
2014年 7,194
-0.77% ↓
2013年 7,250 -
2012年 7,250 -
2011年 7,250
-0.85% ↓
2010年 7,313
1.44% ↑
2009年 7,209
0.14% ↑
2008年 7,199
0.51% ↑
2007年 7,163
1.42% ↑
2006年 7,063
0.89% ↑
2005年 7,000
0.9% ↑
2004年 6,938
0.86% ↑
2003年 6,878
0.83% ↑
2002年 6,821
1.06% ↑
2001年 6,750
4.25% ↑
2000年 6,475
5.71% ↑
1999年 6,125 -
1998年 6,125
0.31% ↑
1997年 6,106
1.77% ↑
1996年 6,000
0.63% ↑
1995年 5,963 -
1994年 5,963
0.21% ↑
1993年 5,950
0.21% ↑
1992年 5,938
-5% ↓
1991年 6,250
3.31% ↑
1990年 6,050
13.08% ↑
1989年 5,350
12.63% ↑
1988年 4,750
11.76% ↑
1987年 4,250
8.28% ↑
1986年 3,925
-3.38% ↓
1985年 4,063
47.73% ↑
1984年 2,750
5.77% ↑
1983年 2,600
1.96% ↑
1982年 2,550
0.99% ↑
1981年 2,525
1% ↑
1980年 2,500
-11.11% ↓
1979年 2,813
-6.25% ↓
1978年 3,000
4.35% ↑
1977年 2,875
1.32% ↑
1976年 2,838
0.89% ↑
1975年 2,813
2.27% ↑
1974年 2,750
-1.35% ↓
1973年 2,788
-4.29% ↓
1972年 2,913
7.37% ↑
1971年 2,713
-0.46% ↓
1970年 2,725
5.31% ↑
1969年 2,588
-4.61% ↓
1968年 2,713
14.21% ↑
1967年 2,375
-2.56% ↓
1966年 2,438
9.55% ↑
1965年 2,225
4.71% ↑
1964年 2,125
41.67% ↑
1963年 1,500
11.11% ↑
1962年 1,350
8% ↑
1961年 1,250 -

セネガルにおける馬肉生産の推移は、農業、畜産業、そして経済状況がどのように変化してきたかを映し出しています。1961年には1,250トンと限られた規模だった生産量が、1970年代後半には3,000トンを超え、そして1990年代には6,000トン台と、持続的に増加してきました。これは、政府の農業振興政策や、地域における畜産業の発展がその背景要因と考えられます。また、1980年代には急激な増加が見られる一方、同時期に農業生産に影響を与えた旱魃や経済不安も課題として存在していました。

馬肉はセネガルの伝統的な食文化において重要な役割を果たしています。赤身肉としての栄養価が高く、サステイナブルな食品資源のひとつとみなされています。他方で、全体の統計推移を見ると、2000年代初頭に7,000トンを超えて以降、長期的な停滞あるいは微減が確認されます。この要因としては、輸送インフラや家畜管理技術の改善不足、また畜産業と気候変動との関係性が挙げられます。特に、最近の地球温暖化や異常気象は、牧草地の利用可能性や家畜の管理に大きな影響を与えていると考えられます。

2023年のデータでは生産量が7,326トンと、前年比で上昇しています。この増加は、政府や民間セクターによる畜産業振興策や、技術革新の導入、さらには地域社会の家畜管理能力向上が一役買った可能性があります。ただし、この数値は安定した増加を意味するものではなく、将来の持続可能性については引き続き注視が必要です。

セネガルの馬肉生産が直面する課題の1つは、地政学的なリスクや地域紛争の影響です。特に近年、西アフリカ全体で見られる食糧安全保障や農村開発の脆弱性は、この分野にも影響を及ぼしています。馬は食肉だけでなく荷運びにも利用されるため、馬の健康が地域経済において多面的な役割を担っていますが、紛争による流通の停滞や家畜盗難などが課題として挙げられます。

未来に向けた具体的な提言としては、以下の点が重要です。第一に、気候変動への適応を進めるため、干ばつ耐性のある牧草の導入や、水資源管理技術の拡充を行う必要があります。第二に、家畜衛生の向上に向けた獣医サービスへの投資を拡大し、伝染病の封じ込めを図るべきです。第三に、政府間および地域間での協力体制を強化し、畜産管理技術の共有を促進することが求められます。これにより、生産コストの削減や供給チェーンの改善が見込まれます。

結論として、セネガルの馬肉生産は長期的な増加傾向を背景に、2023年には過去最高の生産量に到達しました。しかし、気候変動および地政学的リスクが将来的な懸念材料として残っています。これに対応するためには、環境に配慮した持続可能な農業政策や、地域社会主導の家畜管理戦略が必要となります。国際機関や近隣諸国との連携を深めながら、この分野の発展を図ることが、セネガルの食糧安全保障と経済的安定に貢献するといえるでしょう。