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ニカラグアの馬肉推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新のデータによると、2023年におけるニカラグアの馬肉生産量は1,749トンとなり、過去数年間で減少傾向が続いていることが確認されました。この減少傾向は、1970年代の急激な増加を経た後、緩やかなアップダウンを経て、現在の水準に下降していることを示しています。特に2016年以降は、生産量が顕著に減少しており、これには経済的、社会的、環境的要因が絡んでいると推測されます。

年度 (トン) 増減率
2023年 1,749
-8.19% ↓
2022年 1,905
-0.98% ↓
2021年 1,923
-1.18% ↓
2020年 1,946
-1.61% ↓
2019年 1,978
-3.24% ↓
2018年 2,044
-13.32% ↓
2017年 2,359
8.49% ↑
2016年 2,174
-6.21% ↓
2015年 2,318
-11.39% ↓
2014年 2,616
-1.3% ↓
2013年 2,650 -
2012年 2,650
3.92% ↑
2011年 2,550
2% ↑
2010年 2,500 -
2009年 2,500
-4.69% ↓
2008年 2,623
3.55% ↑
2007年 2,533
8.99% ↑
2006年 2,324
10.67% ↑
2005年 2,100
5% ↑
2004年 2,000
2.56% ↑
2003年 1,950
2.63% ↑
2002年 1,900
1.06% ↑
2001年 1,880
0.53% ↑
2000年 1,870
0.4% ↑
1999年 1,863
0.08% ↑
1998年 1,861
0.06% ↑
1997年 1,860
-1.12% ↓
1996年 1,881
1.68% ↑
1995年 1,850
-2.63% ↓
1994年 1,900
-2.56% ↓
1993年 1,950
-4.41% ↓
1992年 2,040
-1.98% ↓
1991年 2,081
-3.61% ↓
1990年 2,159
7.95% ↑
1989年 2,000 -
1988年 2,000
-1.48% ↓
1987年 2,030
-1.93% ↓
1986年 2,070
-1.43% ↓
1985年 2,100
-0.47% ↓
1984年 2,110
-0.94% ↓
1983年 2,130
-0.93% ↓
1982年 2,150
2.38% ↑
1981年 2,100
5% ↑
1980年 2,000
-4.76% ↓
1979年 2,100
-34.38% ↓
1978年 3,200
52.38% ↑
1977年 2,100
0.86% ↑
1976年 2,082
4.1% ↑
1975年 2,000
4.17% ↑
1974年 1,920
4.35% ↑
1973年 1,840
2.22% ↑
1972年 1,800
2.27% ↑
1971年 1,760
4.76% ↑
1970年 1,680
2.44% ↑
1969年 1,640
2.5% ↑
1968年 1,600
6.67% ↑
1967年 1,500
7.14% ↑
1966年 1,400 -
1965年 1,400
7.69% ↑
1964年 1,300 -
1963年 1,300
8.33% ↑
1962年 1,200 -
1961年 1,200 -

1961年以降のデータを振り返ると、ニカラグアの馬肉生産量は長期間にわたり増減を繰り返してきました。1960年代から1970年代半ばにかけては少しずつ上昇を続け、1978年には過去最高の3,200トンに達しました。しかしその後、1979年から1980年代に入ると2,000トン前後を維持する安定期が訪れました。1990年代以降は再び減少傾向を見せながら緩やかな変動を経て、2005年以降2,000トン台を回復しました。2006年から2008年にかけては特に顕著な増加が見られ、最大で2,623トンに達しましたが、それ以降は長期的に減少しています。

2016年以降の生産量の大幅な減少は特筆に値します。これは経済的要因、例えば国内市場や輸出需要の減少、肥料や飼料にかかるコスト上昇などが背景にある可能性があります。また、環境の変化や農地の利用状況の変化も影響しているでしょう。特に近年頻発している気候変動による乾燥化や洪水などの自然災害、加えて新型コロナウイルス感染症の影響による労働力の不足や物流の混乱が、畜産業全体の生産性を低下させている要因の一部と考えられます。

一方で、同様の馬肉生産量における世界的状況に目を向けると、隣国であるメキシコやアルゼンチンなどでは安定した生産が維持されており、この差異は各国の政策や市場環境の違いによる部分が大きいと考えられます。例えば、メキシコでは政府支援により輸出市場が拡大している一方、ニカラグアでは国内市場の限界やインフラ未整備が影響している可能性があります。

未来に向けた課題として、まずニカラグア国内における畜産業の効率化と持続可能な生産体制の確立が挙げられます。これには、農地整備の強化、家畜育成技術の向上、気候変動対策のための適応策の導入が含まれます。特に小規模農家が大半を占める農業構造を考慮すると、資金援助や技術支援を通じて生産能力を底上げする政策が必要です。

さらに、地域的な課題を解決するためには輸出市場の拡大も重要になります。これにより生産者は安定した需要を見込むことができ、国内市場の限界に対するリスク軽減にも繋がります。たとえば、近隣諸国との協力体制を構築し、国際貿易協定を活用することが考えられます。この取り組みには国際機関や外国投資家の積極的な協力も必要不可欠となるでしょう。

最後に、動物福祉や食品衛生に関する国際基準の順守も重要です。世界的な消費者意識の高まりを鑑みると、この分野での取り組みが輸出市場開拓の成否を分ける要因になり得ます。

総じて言えば、ニカラグアの馬肉生産動向は現在減少傾向にあるものの、適切な対策を講じることで今後の回復は十分に可能です。政府や生産関係者が持続可能性と効率性に重きを置きつつ、外部市場を視野に入れた戦略を立てることが必要です。この変化を実現するには技術面、経済面、そして国際協力の観点から多面的なアプローチが求められます。