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クロアチアのブルーベリー生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、クロアチアのブルーベリー生産量は2018年から2022年にかけて全体的に増加傾向を示しています。2018年の310トンから2022年には730トンへと倍以上に拡大したことが分かります。ただし、生産量が一貫して増加しているわけではなく、2020年の720トンから2021年には540トンに減少するなど、年ごとに変動がみられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 690
-5.48% ↓
2022年 730
35.19% ↑
2021年 540
-25% ↓
2020年 720
100% ↑
2019年 360
16.13% ↑
2018年 310 -

クロアチアのブルーベリー生産は近年、総じて成長を続けています。2018年には310トンだった生産量は、2022年には730トンにまで増加しました。これは、国内外の市場需要が高まっていることや、ブルーベリーが健康志向の食品として注目を集めていることが背景として考えられます。またクロアチアでは、農業政策の中で果物栽培に対する支援が行われており、これが生産拡大を後押ししている可能性があります。

しかしながら、2020年から2021年にかけては生産量が720トンから540トンに減少しています。この一時的な減少の理由としては、気象条件の変化やコロナ禍の影響が考えられます。特に、他国でも見られた物流の停滞や人手不足が、2021年の収穫時期における効率低下を引き起こした可能性があります。

国際的な視野で見ると、クロアチアの生産量はまだ小規模な部類に含まれます。たとえば、アメリカやカナダなどブルーベリー生産大国では年間何万トン単位の生産量が見られる一方で、クロアチアの生産はその規模に遠く及んでいません。しかし、小規模でありながらも品質の良さを売りに欧州連合(EU)内での需要を開拓する余地があります。また、隣国であるドイツやフランスといったブルーベリー需要が強い市場に対する輸出戦略の強化も期待されています。

課題としては、気候変動による影響が挙げられます。ブルーベリーは栽培において適切な降雨量と気温が求められるため、極端な気象が収量に直接的に影響を与えるリスクがあります。また、小規模農家の多いクロアチアでは収穫や輸送における効率性の向上が課題とされています。

今後、ブルーベリー生産量のさらなる安定と成長を目指すためには、以下の対策が必要です。まず一つ目は、気候変動に対応するための灌漑設備や耐性品種の導入を促進する政策の強化です。これにより、極端な天候にも対応できる生産基盤を築くことができます。二つ目に、技術的・経済的な支援を通じて、大規模化や生産者組合の形成を推進することが挙げられます。これにより、流通の効率化や品質向上を図ることができます。そして三つ目に、EU内外の市場、特にドイツなどの近隣諸国に向けた輸出拡大戦略の策定が求められます。

2022年時点での730トンという生産量は、一見して安定した成長の兆しを示していますが、変動性が依然として課題です。クロアチアとしては、国内の生産基盤の強化と、健康食品需要の世界的トレンドを活用した輸出市場の成長を両輪で進めることが、持続的な成功に繋がるでしょう。