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アルゼンチンのレモン・ライム生産量推移(1961年~2023年)

アルゼンチンのレモンとライムの生産量は、1961年には86,600トンでしたが、2023年には1,998,273トンと飛躍的に増加しました。特に1990年代以降の急成長と近年の不安定な変動が特徴的です。また、2021年には過去最高となる2,015,989トンを記録しましたが、その後も生産量は増減を繰り返しています。このデータは、アルゼンチンが世界有数の柑橘類生産国であり続ける現状を示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,998,273
9.41% ↑
2022年 1,826,356
-9.41% ↓
2021年 2,015,989
75.3% ↑
2020年 1,150,000
-31.4% ↓
2019年 1,676,403
-15.73% ↓
2018年 1,989,400
18.7% ↑
2017年 1,676,000
-0.14% ↓
2016年 1,678,337
7.48% ↑
2015年 1,561,606
63.71% ↑
2014年 953,890
-35.81% ↓
2013年 1,485,963
2.05% ↑
2012年 1,456,069
-17.1% ↓
2011年 1,756,351
57.75% ↑
2010年 1,113,375
-21.9% ↓
2009年 1,425,529
4.65% ↑
2008年 1,362,190
-2.7% ↓
2007年 1,400,000
-4.76% ↓
2006年 1,470,000
-1.9% ↓
2005年 1,498,410
11.81% ↑
2004年 1,340,150
8.4% ↑
2003年 1,236,280
-5.86% ↓
2002年 1,313,270
7.85% ↑
2001年 1,217,666
3.94% ↑
2000年 1,171,498
12.36% ↑
1999年 1,042,657
2.12% ↑
1998年 1,020,975
5.39% ↑
1997年 968,763
21% ↑
1996年 800,654
5.96% ↑
1995年 755,604
10.91% ↑
1994年 681,275
11.28% ↑
1993年 612,200
-7.34% ↓
1992年 660,700
0.72% ↑
1991年 656,000
22.82% ↑
1990年 534,100
77.32% ↑
1989年 301,200
-41.68% ↓
1988年 516,500
-2.23% ↓
1987年 528,300
9.83% ↑
1986年 481,000
4.57% ↑
1985年 460,000
25.14% ↑
1984年 367,600
2.97% ↑
1983年 357,000
-7.03% ↓
1982年 384,000
-6.11% ↓
1981年 409,000
3.28% ↑
1980年 396,000
31.56% ↑
1979年 301,000
7.5% ↑
1978年 280,000
-12.5% ↓
1977年 320,000
29.55% ↑
1976年 247,000
-27.14% ↓
1975年 339,000
10.78% ↑
1974年 306,000
31.46% ↑
1973年 232,770
25.15% ↑
1972年 186,000
-6.34% ↓
1971年 198,600
-1.91% ↓
1970年 202,457
4.36% ↑
1969年 194,000
8.38% ↑
1968年 179,000
139.95% ↑
1967年 74,600
-16.18% ↓
1966年 89,000
27.14% ↑
1965年 70,000
-11.39% ↓
1964年 79,000
-0.38% ↓
1963年 79,300
-3.29% ↓
1962年 82,000
-5.31% ↓
1961年 86,600 -

アルゼンチンは南米で最大のレモン・ライムの生産国であり、この部門の世界的なリーダーの一つです。Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新のデータによれば、アルゼンチンのレモン・ライム生産量は1960年代から大幅に増加しており、特に1970年代後半から成長の加速が顕著です。1968年には179,000トンでしたが、1980年代後半には500,000トンを超える規模となり、2000年代に入ると1,000,000トンを超え、2021年には2,015,989トンという過去最高を記録しています。

この成長は、国内外での高い需要に支えられていると考えられます。アルゼンチンは、フレッシュフルーツとしての輸出だけでなく、レモンを原料とした加工品(ジュースや精油など)の主要な供給国であり、多方面で競争力を保っています。ただし、長期にわたるデータを分析すると、過去には1989年や2014年に見られるような急激な減少も発生しており、これは気候変動、不作、または経済的な制約が背景に存在する可能性があります。

近年では2020年の生産量が1,150,000トンと急落したことが注目されます。この減少は、新型コロナウイルスのパンデミックによる労働力不足や物流の混乱に起因していると考えられる一方で、天候条件の影響も無視できません。その後、2021年には回復し、再び2,000,000トンを超えましたが、2022年には1,826,356トンに減少し、2023年は再び1,998,273トンと増加に転じました。

アルゼンチンの生産量の増減は、気候変動の影響を受けやすい農業の特性を強く反映しています。特にエルニーニョ現象やラニーニャ現象といった気象パターンが収穫に与える影響が顕著であり、これが特定の年における生産量の大幅な変動を引き起こしていると考えられます。また、国内経済の不安定さや輸出相手国との貿易摩擦も課題の一部です。

将来的には、以下の課題に取り組む必要があります。一つは、レモン・ライムの生産を安定させるための灌漑システムや農業技術の導入です。特に、気候変動の進行が不可避とされる現代において、農業分野での環境対応が急務となっています。二つ目は、国際市場での競争力を高めるための品質管理と輸出ロジスティクスの整備です。たとえば、日本を含むアジア市場など、新たなマーケットの開拓が有効と考えられます。

また、生産環境の改善のためには農家や労働者への支援も重要です。アルゼンチン政府や国際機関による長期的な資金調達や技術支援プログラムが、企業規模の大小を問わず必要とされています。さらに、気候変動リスクに向けた保険商品の提供や地域間での協力体制の確立も課題解決の手段となるでしょう。

結論として、アルゼンチンのレモン・ライム生産量は過去数十年にわたって著しい成長を遂げたものの、その推移は気候や経済的要因による変動に左右されやすい構造を持っています。今後、安定した生産を実現し、世界市場での地位を強化するためには、技術革新、持続可能な農業政策、国際的な需要への対応の3つが鍵を握ると言えます。2030年に向けた国や国際機関の努力が、アルゼンチンの農業セクターの未来を左右するでしょう。