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ミャンマーのニンニク生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(Food and Agriculture Organization)が発表したミャンマーのニンニク生産量データによると、この国の生産量は1961年から2023年までの62年間で大幅に増加しています。1961年には16,000トンだった生産量は、2023年には207,187トンにまで成長しました。ただし、2000年代後半の急増の後は、2010年以降ほぼ横ばい状態で推移していることが見受けられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 207,187
1.92% ↑
2022年 203,292
0.11% ↑
2021年 203,077
-3.2% ↓
2020年 209,800
0.43% ↑
2019年 208,908
2.69% ↑
2018年 203,432
-0.12% ↓
2017年 203,681
-4.33% ↓
2016年 212,909
1.81% ↑
2015年 209,125
0.11% ↑
2014年 208,900
-1.46% ↓
2013年 212,000
1.53% ↑
2012年 208,800
-0.24% ↓
2011年 209,300
1.6% ↑
2010年 206,000
4.25% ↑
2009年 197,600
10.95% ↑
2008年 178,100
-9.73% ↓
2007年 197,300
22.55% ↑
2006年 161,000
10.12% ↑
2005年 146,200
3.91% ↑
2004年 140,700
18.93% ↑
2003年 118,300
4.88% ↑
2002年 112,800
18.36% ↑
2001年 95,300
17.8% ↑
2000年 80,900
22.58% ↑
1999年 66,000
26.2% ↑
1998年 52,300
-0.38% ↓
1997年 52,500
17.19% ↑
1996年 44,800
16.06% ↑
1995年 38,600
-5.62% ↓
1994年 40,900
-7.05% ↓
1993年 44,000
-3.51% ↓
1992年 45,600
14.86% ↑
1991年 39,700
2.71% ↑
1990年 38,652
-4.3% ↓
1989年 40,389
-0.16% ↓
1988年 40,452
-0.46% ↓
1987年 40,637
12.33% ↑
1986年 36,176
2.73% ↑
1985年 35,216
7.04% ↑
1984年 32,899
22.71% ↑
1983年 26,811
2.18% ↑
1982年 26,238
4.01% ↑
1981年 25,226
-3.01% ↓
1980年 26,010
16.2% ↑
1979年 22,383
-1.26% ↓
1978年 22,668
6.89% ↑
1977年 21,206
8.87% ↑
1976年 19,479
-0.29% ↓
1975年 19,535
-0.64% ↓
1974年 19,661
-4.85% ↓
1973年 20,664
4.31% ↑
1972年 19,810
-0.95% ↓
1971年 19,999
17.04% ↑
1970年 17,088
8.02% ↑
1969年 15,819
9.58% ↑
1968年 14,436
3.11% ↑
1967年 14,000
-4.31% ↓
1966年 14,631
2.85% ↑
1965年 14,225
-26.36% ↓
1964年 19,318
-19.93% ↓
1963年 24,126
13.27% ↑
1962年 21,300
33.13% ↑
1961年 16,000 -

ミャンマーのニンニク生産量は、1960年代から2000年代にかけて顕著な増加を示してきました。特に2000年代初頭には、1999年の66,000トンから2002年には100,000トンを優に超える112,800トンに達するなど、年平均で20%以上の急成長を遂げました。この成長の背景には、増産を促す政府の政策や農業技術の導入、さらには国際的な市場需要の高まりがあったと考えられます。また、2006年から2010年の間にかけても、生産量はさらに加速し、161,000トンから206,000トンへと増加しました。これは、耕作地の拡大や灌漑技術の改善によるものと推測されます。

しかしながら2010年以降、ミャンマーのニンニク生産量は横ばいもしくは微減傾向を示しており、年間で約200,000トン前後で停滞しています。この時期における生産量の伸び悩みには、いくつかの要因が考えられます。第一に、急激な農地開発による土壌の劣化です。特に乾燥地帯では、連続した耕作や肥料の過剰使用が土壌の質を低下させ、生産性を下げた可能性があります。第二に、気候変動の影響です。地域における降水量の変動や気温上昇が、作物の生育を不安定にしたと考えられます。さらに、2020年以降には新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、農業従事者の確保や輸送の制約が生産と流通に影響を与えた可能性もあります。

国際的に見ても、ミャンマーのニンニク生産量は東南アジア地域で重要な役割を果たしていますが、依然として中国やインドといった主要生産国とは大きな差があります。例えば中国は世界全体のニンニク生産の7割以上を占めているともいわれ、その生産量は数千万トンに及びます。これに対し、ミャンマーの生産量はわずか数十万トンであり、比較的小規模なレベルにとどまっています。この違いは、農業インフラの規模、技術導入の水準、生産の効率性に起因しているのではないでしょうか。

したがって、ミャンマーが持続可能な農業成長を実現するためには、いくつかの課題解決と対策が必要です。第一に、農地の適切な管理と土壌改良が急務です。具体的には、持続可能な肥料使用の普及や輪作の導入を進めるべきです。第二に、気候変動への適応策の実施が求められます。これには、耐乾性の高い品種の導入や、農業灌漑施設の規模拡大が含まれます。第三に、農業分野へのさらなる投資と技術移転です。他国の成功事例を参考に、効率的な機械化やデジタル農業技術の導入がおすすめです。

このような取り組みが実現すれば、ミャンマーはニンニク生産量をさらに増加させるだけでなく、質の向上や輸出市場の拡大にもつなげることができると期待されます。また、地域の食料安全保障の向上にも寄与するでしょう。ゆくゆくは、地政学的リスクや外部環境に左右されない安定した供給源として、国際市場でより大きな存在感を示すことが可能になると考えられます。この先も持続的に農業を発展させるためには、地域的な協力体制の構築も鍵を握るでしょう。

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