ザンビアの鶏卵生産量は、1961年の2,898トンから2023年の66,300トンにまで大幅に増加しています。1960年代から1970年代にかけて急激な伸びを見せ、その後は幾度か生産量の減少と停滞がみられましたが、長期的には全体的な上昇傾向が続いています。特に2010年代以降は安定した成長を維持しています。最も顕著な生産量の高騰は1970年代前半で、一方1980年代後半には低迷期がありました。近年では66,000トン前後で推移しており、安定した生産力が見られます。ただし、今後の持続可能性や環境負荷に対応する必要性が課題です。
ザンビアの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 66,300 | - |
2022年 | 66,300 |
0.01% ↑
|
2021年 | 66,296 |
0.11% ↑
|
2020年 | 66,222 |
0.85% ↑
|
2019年 | 65,667 |
-1.99% ↓
|
2018年 | 67,000 |
1.52% ↑
|
2017年 | 66,000 |
3.13% ↑
|
2016年 | 64,000 |
1.59% ↑
|
2015年 | 63,000 |
1.61% ↑
|
2014年 | 62,000 |
12.73% ↑
|
2013年 | 55,000 | - |
2012年 | 55,000 |
1.85% ↑
|
2011年 | 54,000 |
9.09% ↑
|
2010年 | 49,500 |
10% ↑
|
2009年 | 45,000 |
5.26% ↑
|
2008年 | 42,750 |
0.53% ↑
|
2007年 | 42,525 |
-0.53% ↓
|
2006年 | 42,750 |
1.06% ↑
|
2005年 | 42,300 |
1.08% ↑
|
2004年 | 41,850 |
1.09% ↑
|
2003年 | 41,400 |
0.55% ↑
|
2002年 | 41,175 |
0.55% ↑
|
2001年 | 40,950 |
4.6% ↑
|
2000年 | 39,150 |
3.03% ↑
|
1999年 | 38,000 |
-6.86% ↓
|
1998年 | 40,800 |
8.51% ↑
|
1997年 | 37,600 |
9.3% ↑
|
1996年 | 34,400 |
7.5% ↑
|
1995年 | 32,000 |
5.26% ↑
|
1994年 | 30,400 |
-3.8% ↓
|
1993年 | 31,600 |
9.72% ↑
|
1992年 | 28,800 |
10.77% ↑
|
1991年 | 26,000 |
10.17% ↑
|
1990年 | 23,600 |
3.51% ↑
|
1989年 | 22,800 |
3.64% ↑
|
1988年 | 22,000 |
1.85% ↑
|
1987年 | 21,600 | - |
1986年 | 21,600 |
3.85% ↑
|
1985年 | 20,800 |
7.88% ↑
|
1984年 | 19,280 |
-12.84% ↓
|
1983年 | 22,120 |
-9.2% ↓
|
1982年 | 24,360 |
1.5% ↑
|
1981年 | 24,000 |
-23.47% ↓
|
1980年 | 31,360 |
10.89% ↑
|
1979年 | 28,280 |
0.43% ↑
|
1978年 | 28,160 |
-4.35% ↓
|
1977年 | 29,440 |
-6.95% ↓
|
1976年 | 31,640 |
15.47% ↑
|
1975年 | 27,400 |
25.69% ↑
|
1974年 | 21,800 |
24.22% ↑
|
1973年 | 17,550 |
9.76% ↑
|
1972年 | 15,990 |
15.28% ↑
|
1971年 | 13,870 |
10.25% ↑
|
1970年 | 12,580 |
9.68% ↑
|
1969年 | 11,470 |
16.21% ↑
|
1968年 | 9,870 |
31.81% ↑
|
1967年 | 7,488 |
15.02% ↑
|
1966年 | 6,510 |
30.33% ↑
|
1965年 | 4,995 |
18.93% ↑
|
1964年 | 4,200 |
25.75% ↑
|
1963年 | 3,340 |
7.85% ↑
|
1962年 | 3,097 |
6.87% ↑
|
1961年 | 2,898 | - |
ザンビアにおける鶏卵生産量の歴史は、徐々にその規模を拡大し続けてきた様子がデータから読み取れます。1961年の2,898トンから始まった生産量は1960年代後半から1970年代にかけて急成長を見せており、その背景には農業技術の改善や鶏の飼育規模の拡大が挙げられます。この時期には新規投資や政府による農業支援プログラムが進められていました。しかしながら、1977年以降には生産量がやや停滞し、1981年には24,000トンまで減少しました。この低迷期には、経済不況や農業インフラの整備不足、さらには社会的・政治的要因が影響したと推測されます。
1980年代後半から1990年代にかけて、再び生産量は回復基調に乗りました。経済改革や民間セクターへの参入促進が影響し、農業産業が活性化された結果と考えられます。この時期の生産量は、1993年に31,600トンの水準に達し、その後も安定した増加が続きました。2000年代以降にはさらなる成長が見られ、2010年には49,500トン、さらに2018年には67,000トンに到達しました。この伸びは、ザンビア国内での食料需要の増加や輸出産業の強化によるものであると考えられます。
しかしながら、近年のデータでは2019年以降66,000トン前後で横ばいとなっており、生産拡大が鈍化しています。この原因には、気候変動の影響や資源の限界、さらには鶏卵生産業界での持続可能な方法への転換ニーズが関与していると考えられます。また、新型コロナウイルスの影響が世界的に生産や流通の停滞を招き、ザンビアの鶏卵業界においても一定の影響があった可能性があります。
国際的な視点で見た場合、ザンビアの鶏卵生産量は依然として主要な輸出国である中国やアメリカには遠く及びません。また、隣国である南アフリカ共和国のような規模の大きな生産国とも、比較するとかなり差があります。しかし、国内需要を満たしつつ、徐々に輸出市場においても競争力を高めていく余地があります。
ザンビアの今後の課題として、持続可能な生産体系を構築し、環境への影響を抑える取り組みが求められます。ここでは、鶏の飼料効率を向上させる新技術の導入や、再生可能エネルギーを活用した鶏舎設備の改善が重要な施策となるでしょう。また、地政学的背景や貿易政策の変動により輸出市場の変化が予測される中、地域間協力を強化し、サブサハラアフリカ全域で協調的な鶏卵産業の発展を目指すことも戦略的に重要です。
結論として、鶏卵生産量の継続的な拡大を実現するためには、国内の生産基盤を強化するとともに、外的要因に柔軟に対応できる体制を構築する必要があります。ザンビア政府は、持続可能な農業政策を推進し、民間セクターとの連携を高めることで、国民の食料安全保障を確保すると同時に、持続的な経済成長を実現していくべきでしょう。その結果、ザンビア産鶏卵が地域市場でさらに活用される可能性が広がります。