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ニューカレドニアの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ニューカレドニアの鶏卵生産量は1961年の280トンから2023年の2,388トンに増加しています。特に1980年代以降の生産量の伸びは顕著で、一時的な増減が見られるものの、全体的には長期的な成長傾向にあります。ただし、2022年から2023年にはやや減少傾向が確認され、今後の動向に注目が必要です。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 2,388
-12.28% ↓
2022年 2,722
-0.91% ↓
2021年 2,747
1.22% ↑
2020年 2,714
9.04% ↑
2019年 2,489
11.27% ↑
2018年 2,237
1.5% ↑
2017年 2,204
8.41% ↑
2016年 2,033
-19.29% ↓
2015年 2,519
0.32% ↑
2014年 2,511
-1.53% ↓
2013年 2,550
-2.04% ↓
2012年 2,603
21.35% ↑
2011年 2,145
-5.21% ↓
2010年 2,263
8.59% ↑
2009年 2,084
13.82% ↑
2008年 1,831
-16.43% ↓
2007年 2,191
-3.1% ↓
2006年 2,261
6.3% ↑
2005年 2,127
0.66% ↑
2004年 2,113
-1.45% ↓
2003年 2,144
3.47% ↑
2002年 2,072
9.92% ↑
2001年 1,885
-6.82% ↓
2000年 2,023
7.09% ↑
1999年 1,889
4.54% ↑
1998年 1,807
-6.03% ↓
1997年 1,923
6.77% ↑
1996年 1,801
0.78% ↑
1995年 1,787
11.27% ↑
1994年 1,606
13.58% ↑
1993年 1,414
-14.87% ↓
1992年 1,661
7.02% ↑
1991年 1,552
8.84% ↑
1990年 1,426
11.67% ↑
1989年 1,277
5.1% ↑
1988年 1,215
0.41% ↑
1987年 1,210
-1.22% ↓
1986年 1,225
-5.62% ↓
1985年 1,298
6.39% ↑
1984年 1,220
1.67% ↑
1983年 1,200
20% ↑
1982年 1,000 -
1981年 1,000
2.88% ↑
1980年 972
41.07% ↑
1979年 689
43.54% ↑
1978年 480 -
1977年 480 -
1976年 480 -
1975年 480
20% ↑
1974年 400
19.05% ↑
1973年 336 -
1972年 336 -
1971年 336 -
1970年 336
0.6% ↑
1969年 334
1.83% ↑
1968年 328
2.5% ↑
1967年 320
2.56% ↑
1966年 312
2.63% ↑
1965年 304
2.7% ↑
1964年 296
4.23% ↑
1963年 284
1.43% ↑
1962年 280 -
1961年 280 -

ニューカレドニアの鶏卵生産量推移は、約60年間で大きな成長を遂げたことを示しています。1960年代は比較的安定した低生産水準(年間300トン程度)で推移していましたが、1970年代中ごろから急激に増加し始め、1980年には972トン、さらに1983年には1,200トンに達しました。この成長は、農業技術の発展や市場の需要拡大が後押ししたと考えられます。また、地域経済の成長やインフラ整備も重要な背景要因であると推測されます。

特に1990年代に入ると、年平均で約100トンから200トン程度の顕著な成長が見られ、2000年には2,000トンを超えました。ただし、2000年代後半には一部で生産量の減少が確認されており、2008年には1,831トンに落ち込んでいます。この減少は、気候変動や輸送網の問題、あるいは地域経済の変化が影響した可能性があります。その後、2010年代半ばには再び増加し、2019年には過去最高値である2,714トンに達しました。

現在(2023年時点)、ニューカレドニアの鶏卵生産量はやや減少しており、2,388トンで推移しています。この減少傾向は、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の影響を含むグローバルな供給チェーンの混乱や、気候変動の影響による生産環境の悪化、飼料価格の高騰など、複合的な要因が背景にあるとみられます。

一方で、国際的な視点で見ると、ニューカレドニアの鶏卵生産量は他国に比べると相対的に規模が小さいと言えます。例えば、日本の鶏卵生産量は年間約250万トンに達し、ニューカレドニアの約1,000倍に相当します。中国やインドといった人口の多い国々では、生産量は数千万トン規模にのぼります。これは、生産基盤の規模や国内消費の需要量、輸出市場への依存度といった要因が影響していると考えられます。したがって、ニューカレドニアの鶏卵生産は、地域的な需要を満たすための限られた規模で行われていることが明確です。

今後の課題としては、産業の持続可能性と生産効率の改善が挙げられます。食料の安定供給が求められる一方で、気候変動や自然災害の影響が懸念されています。特に、ニューカレドニアは太平洋地域の島嶼国であるため、輸送コストや資源の制約が他国に比べて厳しい状況にあります。このため、地域間協力を強化し、持続可能な農業技術を導入することで、安定した生産と経済の効率化を目指すことが重要です。

具体的な対策としては、現地での家族経営型農場への支援を拡大し、鶏卵の生産だけでなく関連製品の生産を進めることで付加価値を創出する方法が考えられます。また、高効率な飼料の生産や、耐性を持つ鶏種の導入により、気候変動の悪影響を最小化することも必要です。さらに、デジタル技術やデータ管理の活用により、より正確な需要予測と在庫管理を行うことができます。

結論として、ニューカレドニアの鶏卵生産量は、これまでの増加傾向から地域の発展に寄与してきたものの、近年の減少傾向を踏まえると、長期的な視野に立った持続可能な政策が求められます。国際機関や近隣諸国との協力を通じて、適切な技術支援と資源配分を実現することで、今後も安定した生産を維持し、地域ニーズを満たすことが望まれます。