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リベリアの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、リベリアの鶏卵生産量は1961年の約2,400トンから2023年の6,347トンにまで増加しました。初期段階では安定した成長を見せましたが、1975年から停滞期に入り、その後は戦争や経済的混乱により変動がみられました。近年では回復の兆しがあり、2020年代には生産量が再び増加傾向を示しています。ただし、成長は緩やかなものに留まっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 6,347
-0.47% ↓
2022年 6,378
1.48% ↑
2021年 6,285
1.41% ↑
2020年 6,197
1.34% ↑
2019年 6,115
-0.08% ↓
2018年 6,120
-1.29% ↓
2017年 6,200
-8.98% ↓
2016年 6,812
3.97% ↑
2015年 6,552
5% ↑
2014年 6,240
24.8% ↑
2013年 5,000
-9.09% ↓
2012年 5,500
2.33% ↑
2011年 5,375
3.37% ↑
2010年 5,200
5.05% ↑
2009年 4,950
3.13% ↑
2008年 4,800
1.05% ↑
2007年 4,750
5.56% ↑
2006年 4,500
-1.64% ↓
2005年 4,575
-2.7% ↓
2004年 4,702
13.3% ↑
2003年 4,150 -
2002年 4,150
5.06% ↑
2001年 3,950
-4.82% ↓
2000年 4,150
-9.78% ↓
1999年 4,600
26.03% ↑
1998年 3,650 -
1997年 3,650
-5.19% ↓
1996年 3,850 -
1995年 3,850
-0.29% ↓
1994年 3,861
0.3% ↑
1993年 3,850
-3.75% ↓
1992年 4,000
-4.19% ↓
1991年 4,175
-5.11% ↓
1990年 4,400
4.76% ↑
1989年 4,200
2.44% ↑
1988年 4,100
-3.53% ↓
1987年 4,250
3.66% ↑
1986年 4,100
2.5% ↑
1985年 4,000
6.67% ↑
1984年 3,750
1.35% ↑
1983年 3,700
5.71% ↑
1982年 3,500
5.26% ↑
1981年 3,325
2.31% ↑
1980年 3,250 -
1979年 3,250 -
1978年 3,250 -
1977年 3,250 -
1976年 3,250 -
1975年 3,250
-13.33% ↓
1974年 3,750
1.35% ↑
1973年 3,700
2.78% ↑
1972年 3,600
2.86% ↑
1971年 3,500
6.06% ↑
1970年 3,300
3.13% ↑
1969年 3,200
3.23% ↑
1968年 3,100
3.33% ↑
1967年 3,000
3.45% ↑
1966年 2,900
3.57% ↑
1965年 2,800
3.7% ↑
1964年 2,700
3.85% ↑
1963年 2,600
4% ↑
1962年 2,500
4.17% ↑
1961年 2,400 -

リベリアの鶏卵生産量は1961年の2,400トンから始まりました。その後、1974年にピークを迎えた3,750トンまで比較的安定した増加を見せ、1970年代後半以降は停滞期を迎えました。この長期的な停滞は、リベリアが経験した内戦や経済低迷などの社会的要因が影響したと考えられます。また、1990年代には3,850トン程度まで減少する局面が見られます。この背景には、1989年から2003年にかけて続いた内戦が鶏卵の生産にも大きな影響を及ぼしたことが挙げられます。この期間は農業や家畜業の基盤そのものが破壊され、地域経済の復興が進まなかったため、生産量が低迷しました。

2000年代に入ると、生産量は徐々に回復を見せ、2010年には5,200トンを記録しました。この頃から2015年にかけて年平均2~3%程度の増加が続きましたが、2013年に一時的な減少が見られました。この時期の減少には、エボラ出血熱の流行が影響している可能性があります。感染症による物流の停滞や労働力不足が、生産活動に影響を及ぼしたことが原因の一つとして考えられます。その後、2014年以降リベリアの経済や農業の復興が進む中で、鶏卵生産量は再び増加し、2016年には6,812トンと過去最高を記録しました。

2020年以降は緩やかな変動を続けており、2023年には6,347トンの生産量を記録していますが、この伸びは限られたものとなっています。新型コロナウイルス感染症の影響も見逃せない点です。パンデミックによる物流の混乱や原材料コストの上昇は、鶏卵の生産に一定の制約をもたらしました。しかしながら、農業技術の向上や国際的な支援の成果により生産は着実に回復しつつあります。

国際的な視点で見ると、例えば中国やインドのような主要鶏卵生産国では、生産量が数百万トンに達しており、リベリアの規模はそれに比べると微々たるものです。しかし、小規模ながらもリベリアの生産は国民経済にとって重要な役割を果たしており、タンパク質供給源としての鶏卵の価値は高いと言えます。

リベリアの将来の課題としては、生産基盤の安定化と輸送インフラの整備、そして農業生産を支える国際協力と資金援助の確保があります。また、頻発する疫病や自然災害への対策も不可欠で、これらに対応するための持続可能な農業政策の導入が求められます。具体的には、地域ごとの新たな市場ルートの構築、養鶏技術の普及、気候変動への対応策といった施策が挙げられます。

結論として、リベリアの鶏卵生産量は長期的には成長軌道にありますが、その道のりは経済や社会的課題に左右される面が多いと言えます。今後、国及び国際的な支援機関がインフラや技術支援を行い、現地の安定的な生産基盤を構築することが、生産量のさらなる向上に繋がると考えられます。