国際連合食糧農業機関(FAO)が提供した最新データによると、ガイアナの鶏卵生産量は過去数十年間で著しい変動を見せています。1960年代から1970年代にかけては持続的な増加が見られたものの、1980年代初頭から急激な減少に転じ、その後は不安定な動きを続けています。2023年の時点では2,184トンに達しており、増加傾向が続いた2020年(3,127トン)を下回るものの、近年の平均と比較すれば比較的高い水準を維持しています。このような推移は、経済、政策、そして地政学的な背景と密接に関連しています。
ガイアナの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 2,184 |
22.09% ↑
|
2022年 | 1,789 |
-37.51% ↓
|
2021年 | 2,863 |
-8.45% ↓
|
2020年 | 3,127 |
34.14% ↑
|
2019年 | 2,331 |
45.34% ↑
|
2018年 | 1,604 |
10.97% ↑
|
2017年 | 1,445 |
49.22% ↑
|
2016年 | 969 |
-25.88% ↓
|
2015年 | 1,307 |
13.73% ↑
|
2014年 | 1,149 |
27.95% ↑
|
2013年 | 898 |
-15.44% ↓
|
2012年 | 1,062 |
-9.62% ↓
|
2011年 | 1,175 |
67.14% ↑
|
2010年 | 703 |
-26.39% ↓
|
2009年 | 955 |
-3.54% ↓
|
2008年 | 990 |
101.22% ↑
|
2007年 | 492 |
82.22% ↑
|
2006年 | 270 |
-77.61% ↓
|
2005年 | 1,206 |
12.4% ↑
|
2004年 | 1,073 |
131.25% ↑
|
2003年 | 464 |
-46.61% ↓
|
2002年 | 869 |
-32.37% ↓
|
2001年 | 1,285 |
-14.67% ↓
|
2000年 | 1,506 |
17.2% ↑
|
1999年 | 1,285 |
6.82% ↑
|
1998年 | 1,203 |
-20.75% ↓
|
1997年 | 1,518 |
-21.14% ↓
|
1996年 | 1,925 |
26.64% ↑
|
1995年 | 1,520 |
68.7% ↑
|
1994年 | 901 |
112% ↑
|
1993年 | 425 |
16.44% ↑
|
1992年 | 365 |
37.22% ↑
|
1991年 | 266 |
-83.38% ↓
|
1990年 | 1,600 | - |
1989年 | 1,600 |
-40.74% ↓
|
1988年 | 2,700 |
8% ↑
|
1987年 | 2,500 |
19.05% ↑
|
1986年 | 2,100 | - |
1985年 | 2,100 |
-22.22% ↓
|
1984年 | 2,700 | - |
1983年 | 2,700 |
-41.3% ↓
|
1982年 | 4,600 |
-30.3% ↓
|
1981年 | 6,600 |
3.13% ↑
|
1980年 | 6,400 |
-8.57% ↓
|
1979年 | 7,000 | - |
1978年 | 7,000 |
-10.26% ↓
|
1977年 | 7,800 |
8.33% ↑
|
1976年 | 7,200 |
5.88% ↑
|
1975年 | 6,800 |
4.62% ↑
|
1974年 | 6,500 |
1.56% ↑
|
1973年 | 6,400 |
16.36% ↑
|
1972年 | 5,500 |
10% ↑
|
1971年 | 5,000 |
16.28% ↑
|
1970年 | 4,300 |
14.67% ↑
|
1969年 | 3,750 |
27.12% ↑
|
1968年 | 2,950 |
11.32% ↑
|
1967年 | 2,650 |
17.78% ↑
|
1966年 | 2,250 |
2.27% ↑
|
1965年 | 2,200 |
1.85% ↑
|
1964年 | 2,160 |
6.67% ↑
|
1963年 | 2,025 |
12.5% ↑
|
1962年 | 1,800 |
4.35% ↑
|
1961年 | 1,725 | - |
ガイアナの鶏卵生産量データから見て取れるトレンドは、同国の経済や農業政策、そして広い意味での社会情勢の変化を強く反映しています。1960年代から1970年代は、鶏卵生産量が持続的に増加しました。この時期は農業開発の成長が進み、国内消費だけでなく一部輸出にも寄与する高い生産能力を持っていました。しかし、1980年代に入ると、6,400トンから2,700トンへの急激な減少が見られ、鶏卵生産の基盤が大きく崩れました。この背景には、経済混乱や農業支援政策の変化、また都市化の進展が影響した可能性が高いです。
1980年代末から1990年代初頭にはさらに劇的な減少が続き、1991年には266トンという最低水準にまで達しました。この時期の生産量低下の背後には、ガイアナ国内外の政治的不安定、インフラの不足、さらに国際市場での競争力の低下が影響していると考えられます。同時に、多くの若者が農業分野から離れる傾向も進行し、労働力不足が顕在化しました。
2000年代に入ると、一部の回復の兆しが見られるものの、依然として不安定な傾向が続いています。たとえば、2008年には990トン、2011年には1,175トンと増加しましたが、その後再び低迷するなどの変動が確認されています。近年では、2020年に3,127トンと明確な増加が記録されましたが、2021年以降は再び減少傾向に転じ、2023年時点では2,184トンとやや回復を見せるものの、不安定な状態が続いています。この背景には、新型コロナウイルス感染症の影響が農業全般に及ぼした混乱があり、労働力不足や輸送網の滞りが生産体制に影響を与えたとされています。
ガイアナに特有の地政学的状況を考えると、この国の農業は自然災害や隣国との貿易問題の影響を受けやすいことが分かります。特に気候変動がもたらす洪水や干ばつは、家禽類の飼育条件や飼料供給にも直接的な影響を及ぼし、生産量を一層不安定にしています。同時に、輸入に依存しがちな傾向が国内生産の競争力を損なっている側面も否定できません。
今後の鶏卵生産を安定させ、さらには増加させるためには、いくつかの課題への具体的な対策が求められます。第一に、農業従事者の技術的な支援や資金提供を強化し、小規模農家の生産性を高めることが不可欠です。また、畜産業全体の流通過程を見直し、効率的な供給チェーンを構築することも重要です。第二に、気候変動への適応策を講じることで、自然災害によるリスクを低減することが求められます。これには、地域レベルでの災害対策訓練や農業用水の管理システムの改善が含まれます。さらに、地域協力を強化し、近隣諸国との貿易体制を安定させることも、長期的に見て効果的です。
ガイアナの鶏卵生産量のデータが示唆するものは、その生産基盤が外的・内的要因に依存し、不安定であるという現状です。これを克服するには、政府や国際機関の支援のもと、農場レベルの技術改善や地域間協力の新たな枠組みが必要とされます。このような包括的な施策が実現すれば、ガイアナの鶏卵生産は国内消費を支えるのみならず、地域経済においても重要な役割を果たすことが期待されます。