ガンビアの鶏卵生産量は、1961年に195トンから始まり、長期的には増加傾向を示しました。特に1980年代以降は生産量が急激に伸び、2017年には995トンと最高値を記録しました。しかし、近年は2018年に900トンに減少して以後、900トン前後で推移しています。このデータは、ガンビアの農業発展や社会経済状況の変化を反映しており、現在の横ばい状況への対応が重要です。
ガンビアの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 886 |
-0.68% ↓
|
2022年 | 892 |
0.68% ↑
|
2021年 | 886 |
0.73% ↑
|
2020年 | 879 |
-1.43% ↓
|
2019年 | 892 |
-0.88% ↓
|
2018年 | 900 |
-9.54% ↓
|
2017年 | 995 |
0.77% ↑
|
2016年 | 987 |
0.46% ↑
|
2015年 | 983 |
0.3% ↑
|
2014年 | 980 |
1.23% ↑
|
2013年 | 968 |
1.91% ↑
|
2012年 | 950 |
2.81% ↑
|
2011年 | 924 |
12.13% ↑
|
2010年 | 824 |
-5.28% ↓
|
2009年 | 870 |
2.35% ↑
|
2008年 | 850 |
2.41% ↑
|
2007年 | 830 |
6.41% ↑
|
2006年 | 780 |
4% ↑
|
2005年 | 750 |
0.27% ↑
|
2004年 | 748 |
7.32% ↑
|
2003年 | 697 |
0.09% ↑
|
2002年 | 696 |
2.74% ↑
|
2001年 | 678 |
-7.28% ↓
|
2000年 | 731 |
7.03% ↑
|
1999年 | 683 |
7.73% ↑
|
1998年 | 634 |
8.38% ↑
|
1997年 | 585 |
19.88% ↑
|
1996年 | 488 |
-23.03% ↓
|
1995年 | 634 |
-2.46% ↓
|
1994年 | 650 |
-2.4% ↓
|
1993年 | 666 |
-2.49% ↓
|
1992年 | 683 |
-2.29% ↓
|
1991年 | 699 |
-2.24% ↓
|
1990年 | 715 |
-2.19% ↓
|
1989年 | 731 |
-2.27% ↓
|
1988年 | 748 |
9.52% ↑
|
1987年 | 683 |
10.52% ↑
|
1986年 | 618 |
11.75% ↑
|
1985年 | 553 |
-2.81% ↓
|
1984年 | 569 |
9.42% ↑
|
1983年 | 520 |
8.33% ↑
|
1982年 | 480 |
12.15% ↑
|
1981年 | 428 |
3.38% ↑
|
1980年 | 414 |
13.74% ↑
|
1979年 | 364 |
7.69% ↑
|
1978年 | 338 | - |
1977年 | 338 |
-13.33% ↓
|
1976年 | 390 |
11.43% ↑
|
1975年 | 350 |
7.69% ↑
|
1974年 | 325 |
3.17% ↑
|
1973年 | 315 |
0.64% ↑
|
1972年 | 313 |
5.03% ↑
|
1971年 | 298 |
1.36% ↑
|
1970年 | 294 |
5.76% ↑
|
1969年 | 278 |
0.72% ↑
|
1968年 | 276 |
0.36% ↑
|
1967年 | 275 |
8.7% ↑
|
1966年 | 253 |
10% ↑
|
1965年 | 230 |
11.11% ↑
|
1964年 | 207 |
9.52% ↑
|
1963年 | 189 |
2.16% ↑
|
1962年 | 185 |
-5.13% ↓
|
1961年 | 195 | - |
国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データは、ガンビアの鶏卵生産量の変遷を示しており、1961年の195トンから2023年の886トンまで、全体として成長を遂げたことを明らかにしています。特に1980年代から2000年代までの期間では、経済成長や農業技術の発展とともに急激に生産量が増加しました。これは、国内需要の増加や鶏卵生産の効率化への取り組みが奏功した結果と考えられます。
しかし、2017年に995トンと最高値を記録した後、生産量は減少傾向に転じ、近年は横ばい状態が続いています。この変化の背景にはいくつかの要因が考えられます。まず、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が挙げられます。パンデミックによる物流の停滞や肥料、飼料の価格高騰は、農業全体に大きな影響を与えました。また、近年の気候変動による異常気象も重要な要因で、鶏卵生産に不可欠な飼料用穀物の生産・供給にも影響を及ぼしたと仮定できます。
さらに、地政学的背景を考慮すると、ガンビア周辺国での社会的不安定要素や地域紛争の影響も間接的に関連しています。これにより、地域の経済活動自体が低迷し、結果的に食糧生産や農業発展の伸び率が鈍化した可能性が考えられます。また、ガンビア国内の農業インフラの近代化が他国と比べて遅れていることも、生産停滞の一因であると推測されます。
他国の状況と比較すると、ガンビアの鶏卵生産量は十分高い水準には達していません。例えば、日本や韓国、中国など鶏卵消費が盛んな国々では、産業化された農業により1万トンを超える生産量が一般的です。同じアフリカ地域においても、ナイジェリアや南アフリカはガンビアと比較して格段に高い生産量を維持しています。このギャップは、農業技術の採用や経済投資、政府の支援政策の違いを反映しています。
現時点での課題として、まず農業生産の効率化を進めることが挙げられます。特に、小規模農家に対する技術的支援や教育の提供が重要です。また、気候変動に備えるために干ばつ耐性のある穀物の導入を進め、生産資源の耐久力強化を図る政策も求められます。さらに、地域協力を強化することで、飼料の安定供給や市場網の拡大を目指すべきです。例えば、西アフリカ経済共同体(ECOWAS)の枠組みを利用した農業支援を拡充することは有効な対策となります。
結論として、ガンビアの鶏卵生産量は全体として成長を続けてきたものの、近年の停滞傾向から脱するにはさまざまな課題を解決する必要があります。農業インフラの近代化や気候変動への対応、地域間での協力体制の強化は、今後の生産向上に不可欠な要素です。政府、地域組織、国際機関が連携し、持続可能な農業開発の取り組みを強化することで、安定した生産量の確保が期待できます。このような努力は、ガンビアのみならず、地域全体の食糧安全保障や経済発展にも寄与すると言えるでしょう。