国際連合食糧農業機関(FAO)の最新データによると、赤道ギニアの鶏卵生産量は1961年の51トンから、2023年には249トンに増加しました。この期間中には、生産量が急激に伸びた1980年代から1990年代、そして上昇と下降が交錯する2000年代後半以降の大幅な変動期が見られます。近年のデータでは、2010年からのピークとなる420トンを記録した後、生産量は減少しつつも安定し、2023年にはやや持ち直しつつある状況にあります。
赤道ギニアの鶏卵生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 249 |
0.21% ↑
|
2022年 | 248 |
3.91% ↑
|
2021年 | 239 |
-7.82% ↓
|
2020年 | 259 |
5.09% ↑
|
2019年 | 247 |
16.94% ↑
|
2018年 | 211 |
-34.09% ↓
|
2017年 | 320 |
53.11% ↑
|
2016年 | 209 |
-31.45% ↓
|
2015年 | 305 |
0.36% ↑
|
2014年 | 304 |
-2.89% ↓
|
2013年 | 313 |
-30.48% ↓
|
2012年 | 450 |
2.27% ↑
|
2011年 | 440 |
4.76% ↑
|
2010年 | 420 |
36.44% ↑
|
2009年 | 308 |
-1.3% ↓
|
2008年 | 312 |
5.97% ↑
|
2007年 | 294 |
3.13% ↑
|
2006年 | 285 |
-28.66% ↓
|
2005年 | 400 |
14.29% ↑
|
2004年 | 350 |
22.99% ↑
|
2003年 | 285 |
0.09% ↑
|
2002年 | 284 |
0.1% ↑
|
2001年 | 284 |
0.09% ↑
|
2000年 | 284 |
0.09% ↑
|
1999年 | 284 |
0.09% ↑
|
1998年 | 283 |
0.09% ↑
|
1997年 | 283 |
0.09% ↑
|
1996年 | 283 |
0.09% ↑
|
1995年 | 282 |
0.09% ↑
|
1994年 | 282 |
48.54% ↑
|
1993年 | 190 |
2.7% ↑
|
1992年 | 185 |
2.78% ↑
|
1991年 | 180 |
2.86% ↑
|
1990年 | 175 |
2.94% ↑
|
1989年 | 170 |
3.03% ↑
|
1988年 | 165 |
3.13% ↑
|
1987年 | 160 |
3.23% ↑
|
1986年 | 155 |
3.33% ↑
|
1985年 | 150 |
4.9% ↑
|
1984年 | 143 |
1.42% ↑
|
1983年 | 141 |
3.68% ↑
|
1982年 | 136 |
6.25% ↑
|
1981年 | 128 |
16.36% ↑
|
1980年 | 110 | - |
1979年 | 110 | - |
1978年 | 110 |
10% ↑
|
1977年 | 100 | - |
1976年 | 100 | - |
1975年 | 100 |
17.65% ↑
|
1974年 | 85 | - |
1973年 | 85 | - |
1972年 | 85 |
10.39% ↑
|
1971年 | 77 | - |
1970年 | 77 | - |
1969年 | 77 |
13.24% ↑
|
1968年 | 68 | - |
1967年 | 68 | - |
1966年 | 68 |
15.25% ↑
|
1965年 | 59 |
1.72% ↑
|
1964年 | 58 |
5.45% ↑
|
1963年 | 55 |
-15.38% ↓
|
1962年 | 65 |
27.45% ↑
|
1961年 | 51 | - |
赤道ギニアの鶏卵生産量推移は、同国の農業発展および経済状況の変遷を如実に表しています。1961年時点で51トンという小規模な生産量からスタートし、1960年代から1980年代にかけては着実な成長が見られました。1984年には143トン、1990年には175トンと、20世紀後半に持続的な拡大が見られた背景には、国内の食料生産を強化する政策や農業技術の改善が一因と考えられます。
特筆すべきは1994年の282トンへの急増であり、2000年代前半にはさらにその勢いが増しました。2004年には驚異的な350トン、2005年には400トンを記録しており、この時期は急激な都市化や需要増加が影響していると考えられます。一方で、2006年以降からは一時的な低迷と回復が交互に見られる複雑な動向が続き、多くの場合これは赤道ギニアの経済的および社会的な問題が影響しています。特に、2013年の313トンから2016年の209トンと大幅に落ち込み、その後、2020年の259トン前後に持ち直しましたが、依然として過去のピークには達していません。
このような大きな変動の要因として、地政学的背景や経済的な問題が挙げられます。赤道ギニアは石油生産による一時的な経済発展を遂げていますが、その収益は長期的な基盤整備や農業部門の拡充にはつながっていません。また、生産量が減少する時期には、食品輸入への依存や農業支援の不十分さが影響していると考えられます。さらに、国際的な鶏卵市場の価格動向や輸入政策、場合によっては家禽疾患の発生なども影響していた可能性があります。
地域課題として、鶏卵生産は国内の食料供給を安定させる重要な分野でありながら、その基盤が脆弱である点が問題視されます。長期的な基盤整備の不足や、農家への投資が限定的であることが、度々生産量の停滞を引き起こしていると考えられます。また、農業以外の産業が優先される状況下で、農業部門が十分な支援を受けられていない現状は持続可能性の観点から課題です。
赤道ギニアが鶏卵生産を安定して増加させるには、具体的な対策が必要です。例えば、農業インフラへの投資を拡大し、地方の農家に対する飼料や資金の提供を強化することが挙げられます。また、教育と訓練を通じて養鶏技術を普及し、効率的な生産方法を導入することで生産量を増やすことが可能です。さらに、地域協力を深め、近隣諸国と連携して農産物の流通ネットワークを整備することも将来的には有益です。
今後、赤道ギニアが直面する可能性のある課題として、気候変動や高温多湿な気候が農業に与える影響があります。また、貧困や不均衡な資源配分が続いた場合には、農業部門の停滞が予想されます。そのため、国際社会や開発機関との協力を深め、持続可能な農業の実現に向けた政策提言を取り入れることが重要です。農業が安定し、国内需要を満たすだけでなく、輸出産業としての可能性も広げられるような体制の構築が求められます。
赤道ギニアの鶏卵生産は、国内食料政策と持続性を考える上で重要な指標の一つです。以上のデータを踏まえ、適切な政策を実施することで、持続的な発展が期待されます。