ジンバブエのカリフラワー・ブロッコリー生産量は、1990年代初頭には年間100トン程度であったものの、同 decade を通じて着実に増加し、2000年には400トンに達しました。しかし、その後は生産量が伸び悩み、2003年をピークに減少傾向が続きました。2010年代には停滞を見せ、生産量はおおむね300トン前後で推移しています。2023年には288トンを記録し、依然としてピーク期の450トンを大きく下回っています。
ジンバブエのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 288 |
3.6% ↑
|
2022年 | 278 |
-0.39% ↓
|
2021年 | 279 |
-1.49% ↓
|
2020年 | 283 |
4.3% ↑
|
2019年 | 271 |
-3.79% ↓
|
2018年 | 282 |
-4.6% ↓
|
2017年 | 295 |
2.59% ↑
|
2016年 | 288 |
9.87% ↑
|
2015年 | 262 |
-13.15% ↓
|
2014年 | 302 |
0.6% ↑
|
2013年 | 300 | - |
2012年 | 300 |
-2.8% ↓
|
2011年 | 309 |
-4.45% ↓
|
2010年 | 323 |
-5.54% ↓
|
2009年 | 342 |
-5.97% ↓
|
2008年 | 364 |
-5.85% ↓
|
2007年 | 386 |
-5.35% ↓
|
2006年 | 408 |
-4.83% ↓
|
2005年 | 429 |
-3.06% ↓
|
2004年 | 442 |
-1.69% ↓
|
2003年 | 450 |
0.83% ↑
|
2002年 | 446 |
3.62% ↑
|
2001年 | 431 |
7.68% ↑
|
2000年 | 400 |
14.29% ↑
|
1999年 | 350 |
16.67% ↑
|
1998年 | 300 |
21.17% ↑
|
1997年 | 248 |
23.79% ↑
|
1996年 | 200 |
23.33% ↑
|
1995年 | 162 |
19.31% ↑
|
1994年 | 136 |
15.85% ↑
|
1993年 | 117 |
10.86% ↑
|
1992年 | 106 |
5.9% ↑
|
1991年 | 100 |
-0.07% ↓
|
1990年 | 100 | - |
国際連合食糧農業機関(FAO)が発表したデータを基に分析すると、ジンバブエのカリフラワー・ブロッコリー生産量は1990年代には顕著な増加を記録しました。この成長の背景には、国内農業への投資増加や市場拡大が考えられます。特に1996年から1999年にかけては年平均約20%以上の大幅な伸びを記録しており、国内農業生産がピークに向かう兆しを見せました。この動向は、ジンバブエが他のアフリカ諸国と同様に農作物輸出に依存する経済を形成しつつあったことを示しています。
しかしながら、2003年以降には生産量が頭打ちとなり、むしろ減少傾向を示しました。2022年までのデータを見ると、生産量は300トン前後で安定していましたが、ピークであった2003年の450トンと比べると約70%の水準まで落ち込んでいます。この減少の背景には、土地改革政策やインフレーション、さらには干ばつなどの自然災害の影響があると考えられます。特にジンバブエの土地改革政策は、農業生産基盤を揺るがし、とりわけ商業的農業の分野に強い影響を与えました。
2015年には過去30年で最も低い262トンを記録しました。これは、異常気象の影響が大きく、2015年に発生したエルニーニョ現象の干ばつも重要な要因でした。しかし、その後はわずかながら回復の兆しを見せ、2023年には288トンに達しました。この回復は、農業技術の改善や一部地域での天候の改善によるものと推測されます。
ジンバブエのこの生産動向を、他国と比較してみると興味深い点が見えてきます。隣国である南アフリカや近隣のケニアのカリフラワー・ブロッコリー生産はジンバブエほど大きな停滞を見せておらず、むしろ市場や輸出に向けた生産体制の効率化が進んでいます。例えば南アフリカでは、大規模な灌漑設備や先進的な農業技術が安定的な生産基盤を支えています。一方でジンバブエは、長引く経済混乱やインフラ整備の遅れが重くのしかかり、競争の場で出遅れる結果となっています。
今後の課題としては、まずインフラ整備の推進が挙げられます。特に農業用の灌漑施設の再建や電力供給の安定化が必要です。また、農業資材の調達におけるコスト削減のため、政府と民間企業の連携強化も求められます。さらに、市場経済の不安定さを解消するために、輸出依存度の高い経済構造から内需の拡大を含む多角化への移行が検討されるべきです。
地政学的なリスクにも留意する必要があります。ジンバブエは地域的な食料安全保障の観点で他国に頼る傾向があり、周辺国との貿易協定や協力体制の構築が重要です。また、地域衝突や気候変動から生じる影響を最小限に抑えるためのリスクマネジメントの枠組みが不可欠です。
結論として、ジンバブエのカリフラワー・ブロッコリー生産量の成長は今もなお困難に直面していますが、適切な政策と国際的な支援を組み合わせることで、農業セクターの再活性化が期待できます。技術革新や市場連携を通じた競争力強化が、ジンバブエ農業が再び持続可能な成長路線に戻るための鍵となるでしょう。またこの取り組みは、食料安全保障という世界的な課題にも貢献する可能性があります。