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ベトナムのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ベトナムのカリフラワーとブロッコリーの生産量は、1961年の5,000トンから2023年の186,804トンまで、持続的かつ大幅に増加しています。この約60年間で生産量は約37倍に成長しており、特に2000年代以降の伸びが顕著です。2014年の126,197トンから2015年に100,355トンへ一時減少するなどの小規模な変動はあるものの、全体的な傾向は明確な上昇基調を示しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 186,804
3.24% ↑
2022年 180,945
0.45% ↑
2021年 180,129
16.16% ↑
2020年 155,070
11.38% ↑
2019年 139,221
-0.83% ↓
2018年 140,387
3.06% ↑
2017年 136,217
18.33% ↑
2016年 115,113
14.71% ↑
2015年 100,355
-20.48% ↓
2014年 126,197
27.71% ↑
2013年 98,819
18.11% ↑
2012年 83,669
9.01% ↑
2011年 76,754
9.03% ↑
2010年 70,400
11.04% ↑
2009年 63,400
12.41% ↑
2008年 56,400
14.17% ↑
2007年 49,400
11.18% ↑
2006年 44,433
18.43% ↑
2005年 37,518
33.99% ↑
2004年 28,000
-6.64% ↓
2003年 29,992
3.15% ↑
2002年 29,077
9.73% ↑
2001年 26,500
-6.25% ↓
2000年 28,265
1.18% ↑
1999年 27,937
1.59% ↑
1998年 27,500
1.85% ↑
1997年 27,000
1.89% ↑
1996年 26,500
1.92% ↑
1995年 26,000
1.96% ↑
1994年 25,500
2% ↑
1993年 25,000
2.04% ↑
1992年 24,500
2.08% ↑
1991年 24,000
4.35% ↑
1990年 23,000
9.52% ↑
1989年 21,000
5% ↑
1988年 20,000
12.36% ↑
1987年 17,800
-1.11% ↓
1986年 18,000 -
1985年 18,000
20% ↑
1984年 15,000
15.38% ↑
1983年 13,000
8.33% ↑
1982年 12,000
9.09% ↑
1981年 11,000
10% ↑
1980年 10,000
11.11% ↑
1979年 9,000
4.65% ↑
1978年 8,600
4.88% ↑
1977年 8,200
1.23% ↑
1976年 8,100
1.25% ↑
1975年 8,000
3.9% ↑
1974年 7,700
2.67% ↑
1973年 7,500
7.14% ↑
1972年 7,000
7.69% ↑
1971年 6,500
3.17% ↑
1970年 6,300
5% ↑
1969年 6,000
3.45% ↑
1968年 5,800 -
1967年 5,800
5.45% ↑
1966年 5,500 -
1965年 5,500 -
1964年 5,500 -
1963年 5,500
10% ↑
1962年 5,000 -
1961年 5,000 -

ベトナムにおけるカリフラワーとブロッコリーの生産量は、農業生産の技術革新、農地拡大、輸出需要の増加に伴って顕著な成長を遂げてきました。1961年の生産量はわずか5,000トンでしたが、その後持続的な増加が見られ、1980年代にかけて約2倍、2000年代にはさらに急速に増加し、直近の2023年には186,804トンに及んでいます。この生産量の急上昇は、国内外における野菜需要の拡大と、農業政策による積極的な支援が背景にあります。

1960年代から1970年代にかけて、生産量の伸びは1,000~2,000トン程度の緩やかなものでした。この時期の伸びを振り返ると、当時の技術力やインフラの未発達、または国内市場が十分に成熟していなかったことがその要因として考えられます。しかし、1980年代以降、国内の農業政策が転換され、輸出を見据えた農業生産の強化が進む中で、カリフラワーとブロッコリーの生産も安定かつ急速に拡大しました。その中でも、2005年以降の増加は極めて顕著です。それ以前の生産量が毎年平均1,000トン程度の伸びを記録していたのに対し、2005年からは急激な増加が確認されます。例えば、2005年から2009年の間に生産量が約26,000トン増加し、これを後押しした要因として、品種改良や栽培技術の革新、輸送インフラの改善が挙げられます。

具体的に見ると、2014年には記録的な126,197トンに達し、その後2015年に一時的な減少が見られました。この減少は、異常気象、土壌劣化、あるいは輸出需要の変動によるものである可能性があります。ただし、2016年以降は再び増加傾向に転じ、2023年には186,804トンという高い水準に達しました。この回復と成長は、気候変動の影響を克服するための灌漑システム整備や、持続可能な農業技術への投資によって実現したものと考えられます。

国際的な視点では、ベトナムのカリフラワー・ブロッコリーの生産は中国、インドなどの農業大国に比べて規模が小さいものの、成長速度が目覚ましい点が注目されます。特に近年、これらの野菜の消費量が健康志向の高まりにより急増している先進諸国、たとえばアメリカやドイツといった輸出市場で、ベトナム産の需要が高まっています。一方、国内消費も拡大しており、都市部の所得向上に伴い野菜の多様性への需要が増えています。

将来的には、持続可能な農業技術のさらなる普及、特に自然環境を守る形での生産効率向上が重要です。また、地政学的リスクとして、輸出市場での競争激化や、気候変動の進行による異常気象が挙げられます。例えば、豪雨や干ばつが作物生産に与える悪影響は看過できません。このため、政府や企業は長期的な視点で灌漑や排水インフラを整備し、環境耐性の高い品種を開発する必要があります。

国際競争力を維持するためには、品質向上も課題です。特に、他国の競合を上回るためのコールドチェーン(低温流通システム)の整備や、GAP(Good Agricultural Practices:農業生産工程管理)認証の取得推進が重要です。こうした取り組みは輸出市場での信頼向上に寄与し、価格競争力をさらに強化する可能性があります。

結論として、ベトナムにおけるカリフラワーとブロッコリーの生産は今後も増加が期待される一方で、気候変動や国際競争といったリスクに対応する必要があります。持続可能な農業政策を一層推進し、国内外の需要に応える能力を育成することで、この分野におけるリーダーシップを強化できるでしょう。

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