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ペルーのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ペルーのカリフラワーとブロッコリーの生産量は、1960年代から2023年にかけて大きな変化を遂げています。この間、生産量は1960年代の1万2000トンから徐々に増加しましたが、周期的な増減も見られています。特に2016年以降、大幅な生産量の増加が見られ、2023年には約5万9950トンを記録しました。しかし、2020年以降は漸減傾向となっており、安定的な生産を維持することの課題が浮き彫りになっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 59,945
5.49% ↑
2022年 56,825
-6.61% ↓
2021年 60,846
-7.32% ↓
2020年 65,654
-12.48% ↓
2019年 75,012
3.52% ↑
2018年 72,464
3.17% ↑
2017年 70,237
-5.6% ↓
2016年 74,401
281.21% ↑
2015年 19,517
11.23% ↑
2014年 17,547
-16.83% ↓
2013年 21,097
14.95% ↑
2012年 18,353
-9.43% ↓
2011年 20,264
-7.29% ↓
2010年 21,857
-5.94% ↓
2009年 23,238
3.97% ↑
2008年 22,350
-12.23% ↓
2007年 25,465
98.26% ↑
2006年 12,844
-7.86% ↓
2005年 13,939
8.97% ↑
2004年 12,792
-20.25% ↓
2003年 16,041
2.31% ↑
2002年 15,679
-8.91% ↓
2001年 17,213
11.72% ↑
2000年 15,407
-22.71% ↓
1999年 19,935
6.74% ↑
1998年 18,677
1.68% ↑
1997年 18,369
9.93% ↑
1996年 16,709
67.44% ↑
1995年 9,979
1.93% ↑
1994年 9,790
4.23% ↑
1993年 9,393
7.46% ↑
1992年 8,741
-11.94% ↓
1991年 9,926
18.36% ↑
1990年 8,386
-46.68% ↓
1989年 15,728
-1.4% ↓
1988年 15,951
5.52% ↑
1987年 15,116
-1.14% ↓
1986年 15,290
4.09% ↑
1985年 14,689
0.1% ↑
1984年 14,675
6.67% ↑
1983年 13,758
-6.95% ↓
1982年 14,786
-7.88% ↓
1981年 16,050
33.08% ↑
1980年 12,060
-6.92% ↓
1979年 12,957
-2.17% ↓
1978年 13,244
-1.16% ↓
1977年 13,399
-11.11% ↓
1976年 15,074
18.54% ↑
1975年 12,716
-5.12% ↓
1974年 13,402
19.17% ↑
1973年 11,246
-31.66% ↓
1972年 16,455
-8.09% ↓
1971年 17,904
1.37% ↑
1970年 17,662
96.31% ↑
1969年 8,997
8.92% ↑
1968年 8,260
-56.84% ↓
1967年 19,136
-12.46% ↓
1966年 21,860
45.73% ↑
1965年 15,000
15.38% ↑
1964年 13,000
8.33% ↑
1963年 12,000 -
1962年 12,000 -
1961年 12,000 -

ペルーのカリフラワーとブロッコリーの生産量データを振り返ると、初期の1960年代は1万2000トン前後で安定していました。その後、1966年には2万1860トンと大幅な成長を見せましたが、一時的に減少し、1970年代後半には生産量が1万2000~1万5000トンの範囲に戻るという変動的な推移をたどっています。この期間、高度経済成長期に入る日本や他国の需要の伸びとも関係している可能性がありますが、国内のインフラ整備や輸送コストなどの課題が影響していたと考えられます。

1990年代後半から2000年代初頭にかけては、再び生産量が伸び、約2万トン近くまで回復しています。しかし、この時期は依然として波のある傾向が続きました。2007年には2万5465トンという生産のピークを迎えた一方で、翌数年には減少し、安定性に欠ける時期が続きました。特に2010年代前半に入ると、18,000トン前後の生産量で停滞する時期が続いたものの、2016年以降には劇的な変化が見られ、生産量が7万トンを超える規模へと急激に成長しました。この急増は、ペルー国内の農業技術の向上、新しい品種の導入、国内外の市場需要の拡大など、複数の要因が作用していると考えられます。

ただし、2020年以降に入ると、パンデミックの影響なども背景に、生産量が減少傾向に突入します。2020年の6万5654トンから2023年の5万9945トンへといった下げ幅は明確で、これは農業従事者の減少、輸出入を含めた国際物流の停滞、あるいは気候の不安定化などが影響を与えたと推察されます。

ペルーの特徴的な地政学的背景や自然環境は、農業生産にとって有利な側面を多く持っています。アンデス山脈の麓で育まれる高い品質の農産物は、国内外で高い評価を得ています。しかし、自然災害の頻発や気候変動は、農業生産における大きなリスクを伴います。例えば、エルニーニョ現象による異常気象が作物の生育に深刻な影響を及ぼしたことが過去にありました。また、国内外で増加する健康志向の影響からブロッコリーやカリフラワーの需要がさらに高まることが予想される一方で、これを安定的に供給するための基盤整備が求められます。

今後の課題として、特に灌漑システムの整備、品種改良の推進、輸送インフラの強化などが挙げられます。ペルー政府及び関係機関は、持続可能な農業を確立するための政策的支援を強化し、農業技術者の育成プログラムを広く展開する必要があります。また、輸出規模の拡大を図るために、国際的な認証を取得した高品質な農作物のブランド化を推進するとともに、貿易協定の強化を検討すべきです。さらに、気候変動への対策としては、耐旱性に優れた作物開発や水資源の効率的な活用が求められます。

結論として、ペルーのカリフラワー・ブロッコリー生産量は過去数十年にわたり変化を続け、現在も課題が多いものの、同時に高い成長の可能性を秘めています。食品の安全保障を確立しつつ、需要に応じた供給体制を整え、さらに世界市場での競争力を高めていくためには、民間と公共の連携が鍵を握ります。これにより、ペルーの農業分野は国際的にも高い競争力を持つ産業へと成長する可能性があります。