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カザフスタンのカリフラワー・ブロッコリー生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が2024年7月に発表した最新データによると、カザフスタンのカリフラワー・ブロッコリー生産量は、2000年から増加傾向が続いています。特に2010年以降著しい伸びを見せ、2014年には1,500トン、2018年には1,626トンに達しました。ただし、2019年以降の生産量はわずかな減少や横ばいが見られ、2022年の1,589トンから2023年の1,596トンへとわずかに回復している状況です。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 1,596
0.45% ↑
2022年 1,589
-0.57% ↓
2021年 1,598
-0.19% ↓
2020年 1,601
2.14% ↑
2019年 1,567
-3.58% ↓
2018年 1,626
0.96% ↑
2017年 1,610
9.79% ↑
2016年 1,467
-18.52% ↓
2015年 1,800
20% ↑
2014年 1,500
36.36% ↑
2013年 1,100
22.22% ↑
2012年 900
28.57% ↑
2011年 700
16.67% ↑
2010年 600
20% ↑
2009年 500
25% ↑
2008年 400
14.29% ↑
2007年 350
75% ↑
2006年 200 -
2005年 200 -
2004年 200
100% ↑
2003年 100
-75% ↓
2002年 400
100% ↑
2001年 200
100% ↑
2000年 100 -

カザフスタンでのカリフラワー・ブロッコリー生産は、2000年の100トンという非常に低い水準から始まりました。しかし、2003年を除いて全体的には顕著な増加傾向を示しています。2000年代初頭の書き出しでは技術力や農業インフラが未発達であったため、年間の生産量にはばらつきがありましたが、2008年以降は400~500トンを安定して超えるようになりました。2010年代の急激な伸びは、政府の農業推進政策やインフラ整備、また輸出市場の需要拡大が関与した結果と考えられます。特に2014年から2015年にかけての伸びは目覚ましく、この間の生産量は1年間で300トン近く増加しました。

一方で、2019年以降は生産量が停滞する傾向が見られています。この停滞は、地政学的なリスクや新型コロナウイルス感染症の影響による労働力不足、物流の混乱などが生産工程や市場環境に影響を与えたことが原因と考えられます。また、2016年に1,467トンと一時的に減少していることから、この地域特有の気候変動や資源不足も一定の影響を及ぼしている可能性があります。

今後の課題としては、まず不安定な気候条件に対応するための作物育成技術の改良や灌漑設備の整備が挙げられます。特にカザフスタンは大陸性気候の影響を強く受けるため、干ばつや寒冷条件に強い品種の開発および普及が必要です。また、19年以降の横ばい傾向を打開するためには、付加価値の高い農業を目指した政府の支援政策の推進が欠かせません。生産量を効率的に拡大させるには、デジタル農業の導入やスマート灌漑技術も有効な選択肢となるでしょう。

さらに、主要な輸出市場である中国やロシアとの貿易関係を強化し、輸配送インフラを改善することで、生産したカリフラワー・ブロッコリーを効率よく流通させる仕組みづくりも急務です。世界的に見ると、カリフラワー・ブロッコリーの生産は中国やインドのような大規模な農業国が圧倒的なシェアを占めています。これらの国々と比較するとカザフスタンの生産規模は依然小さいものの、国土の広さを活かした栽培エリアの拡大と投資誘致によって生産量の増加を達成できる可能性は十分にあります。

最後に、新型コロナウイルスの影響を受けやすい労働集約型産業から脱し、機械化や自動化を進めることも重要です。これにより、輸送や人件費の削減が期待され、国内外市場での競争力を高めることができるでしょう。今後、こうした着実な改革を通じて、カザフスタンにおけるカリフラワー・ブロッコリー生産の持続可能な成長を実現していけることが期待されます。