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ギニアの豚飼育数推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新のデータによると、ギニアにおける豚の飼育数は、1961年の13,700頭から2022年の169,834頭に大幅に増加しました。特に、1985年から1986年にかけての急減や1990年代以降の顕著な増加ペースが特徴的です。全体的には、近年の持続的な増加傾向が見られます。

年度 飼育数(頭) 増減率
2023年 177,659
4.61% ↑
2022年 169,834
4.94% ↑
2021年 161,834
4.94% ↑
2020年 154,211
4.94% ↑
2019年 146,948
4.94% ↑
2018年 140,026
4.94% ↑
2017年 133,430
4.98% ↑
2016年 127,100
4.95% ↑
2015年 121,100
4.94% ↑
2014年 115,400
8.9% ↑
2013年 105,970
6.68% ↑
2012年 99,330
6.67% ↑
2011年 93,117
6.68% ↑
2010年 87,288
-3.76% ↓
2009年 90,700
4.94% ↑
2008年 86,431
4.94% ↑
2007年 82,360
4.94% ↑
2006年 78,480
4.94% ↑
2005年 74,784
4.94% ↑
2004年 71,261
4.94% ↑
2003年 67,905
4.94% ↑
2002年 64,706
4.94% ↑
2001年 61,658
4.94% ↑
2000年 58,754
9.61% ↑
1999年 53,604
3.81% ↑
1998年 51,637
3.81% ↑
1997年 49,743
3.81% ↑
1996年 47,918
3.81% ↑
1995年 46,160
16.21% ↑
1994年 39,721
16.21% ↑
1993年 34,180
16.21% ↑
1992年 29,412
16.21% ↑
1991年 25,309
16.21% ↑
1990年 21,779
-8.43% ↓
1989年 23,783
14.67% ↑
1988年 20,740
14.83% ↑
1987年 18,062
50.72% ↑
1986年 11,984
-40.08% ↓
1985年 20,000
-50% ↓
1984年 40,000
-9.09% ↓
1983年 44,000
4.76% ↑
1982年 42,000
5% ↑
1981年 40,000
3.9% ↑
1980年 38,500
4.05% ↑
1979年 37,000
2.78% ↑
1978年 36,000
2.86% ↑
1977年 35,000
2.94% ↑
1976年 34,000
3.09% ↑
1975年 32,981
10.74% ↑
1974年 29,783
3.98% ↑
1973年 28,644
9.76% ↑
1972年 26,098
0.38% ↑
1971年 26,000
-3.7% ↓
1970年 27,000
3.85% ↑
1969年 26,000
8.33% ↑
1968年 24,000
9.09% ↑
1967年 22,000
10% ↑
1966年 20,000
3.08% ↑
1965年 19,402
-12.36% ↓
1964年 22,139
10.7% ↑
1963年 20,000
21.21% ↑
1962年 16,500
20.44% ↑
1961年 13,700 -

ギニアの豚飼育数推移を眺めると、1960年代から継続的な増加傾向が観察されます。初期には年間2,000頭前後の増加が見られましたが、1980年代には急激な減少が記録されています。1970年代後半から1984年にかけて順調に増加していたものの、1985年には40,000頭から一気に半分以下の20,000頭に減少し、翌1986年にはさらに11,984頭にまで減少しました。これらの現象は、地域の社会的・経済的な混乱、疫病の発生、自然災害や政治不安の影響によるものと考えられます。

1987年以降の回復期を見ると、豚の飼育数は次第に再び増加傾向を示しています。特に1990年代半ばからの増加速度は顕著で、2000年代に入ると毎年5,000頭以上が追加されるペースに変化しました。これは、農村部における畜産業の復興や、持続可能な飼育技術の導入がブーストとなったと考えられます。また、経済の回復が食肉需要を押し上げたことも背景にありそうです。

2021年から2022年にかけても約8,000頭の増加が見られるように、この数年で持続可能な経営モデルが根付いてきている兆候があります。しかし、以前の疫病や不足した飼料供給などの課題が完全に解決したわけではなく、成長の持続性を確保するためにはさらなる努力が必要です。

地政学的な背景を考慮すると、ギニアは西アフリカの中でも豊富な土地資源と農業可能性を持つ国ですが、一部の偏った地域開発やインフラの欠如が畜産業の不均衡な発展を引き起こしています。特に周辺の地域紛争や気候変動による影響が、この分野にも間接的に悪影響を及ぼしている可能性があります。また、2020年以降の新型コロナの流行による国際的な物流の停滞は飼料や獣医サービスの遅延をもたらし、一時的には成長の阻害要因となった可能性もあります。

ギニアの豚飼育の持続可能な発展のためには、以下のような具体的な施策が有効と思われます。第一に、飼料供給と家畜用水資源の確保を重視し、気候変動にも耐えうる農業体制の構築が急務です。第二に、豚の疫病予防のための医療サービスや技術支援を地方まで拡大する必要があります。そして、第三に、地域間協力や国際的な支援を活用して物流ネットワークを強化し、飼料や肥育豚などの輸送の円滑化を図ることが重要です。

今後の課題としては、農村地域の人口流出がある中で、都市部の消費需要と農村部の供給間のバランスをどのように維持していくかが挙げられます。国際機関や政府による持続可能な技術導入の促進、人材育成の取り組みが、ギニアのさらなる成長にとって不可欠と言えるでしょう。このような施策を通じて、ギニアは増加する豚飼育数を経済や食料安全保障の強化につなげることが期待されます。