セントビンセント・グレナディーンの1950年～2100年総人口推移｜実データと未来予測を徹底解説

出典：国連事務局(United Nations) World Population Prospects 2024

セントビンセント・グレナディーンの人口は、1950年の約6.2万人から1990年まで堅調に増加し約11.8万人に達しました。その後、2000年以降に減少傾向が見られ、2023年には約10.1万人を下回りました。この減少は2100年まで続く見込みであり、最終的に約6.4万人に達することが予測されています。この人口動態には、出生率低下、移民の増加、高齢化といった要因が関与しています。

「セントビンセント・グレナディーン」総人口推移（過去）

「セントビンセント・グレナディーン」総人口推移（未来予測）

セントビンセント・グレナディーンってどんなところ?

正式名称: セントビンセント及びグレナディーン諸島
英語名: Saint Vincent and the Grenadines
首都: キングスタウン（Kingstown）
地域: 南アメリカ /カリブ海
総人口: 10万人
面積: 390 ㎢

「セントビンセント・グレナディーン」の総人口推移について

国連事務局経済社会局人口部（World Population Prospects）によると、1950年から2100年にかけてセントビンセント・グレナディーンの人口は大きな変動を見せています。当国の人口は1950年に約6.2万人で、その後40年間で着実な増加を見せ、1990年には11.8万人に到達しました。これは、この時期における比較的高い出生率と安定した社会環境によるものと考えられます。しかし2000年以降、出生率の低下、移民の増加、そして経済の転換が相まって、人口減少傾向に転じました。2023年には約10.1万人まで減少しており、このトレンドは今後も続いていくと予測されています。2100年には1950年とほぼ同水準である約6.4万人に達すると見られています。

この人口動態は、移民流出が一因とされています。多くの若年者が教育や経済的な理由からより多くの機会を求め、国外へと移動しています。この現象は、特に欧州や北米への人材流出に顕著です。一方で、国内に残る高齢者の割合が増加し、労働力人口が減少していることが、当国の社会構造に深刻な影響を及ぼしています。さらに新型コロナウイルスや近年多発する自然災害が経済活動に影響を及ぼし、特に観光業や農業といった主要産業にもダメージを与えました。

課題として挙げられるのが、高齢化問題と労働力不足への対応です。他国の事例を見ると、日本や韓国、ドイツといった高齢化が進展した国々では、出生率回復や移民政策などを通じてこれらの問題に対処しようとしています。セントビンセント・グレナディーンにおいても、移民受け入れを通じた労働力の補充や保育・教育制度の充実を通じた出生率向上策が有効と考えられます。

また、人口減少の長期的な影響を軽減するためには、持続可能な地方経済の発展も不可欠です。観光業や地元産業の振興に加え、情報通信技術（ICT）の活用やリモートワーク促進など、新たな分野への投資も必要です。この点ではアメリカやイギリスの事例が参考になります。

今後、セントビンセント・グレナディーンが直面する地政学的リスクにも注意が必要です。カリブ海地域における資源争奪や国際的な貿易競争は、人口減少傾向の中でさらに厳しい影響を及ぼす可能性があります。これに対して、地域間協力の枠組みづくりや国際的なパートナーシップの強化が有効な手段となるでしょう。

結論として、セントビンセント・グレナディーンの人口動態は、世界的な少子化や高齢化トレンドを反映しつつも独自の地理的、経済的要因によって特徴づけられています。持続可能な開発目標（SDGs）の達成に向けた政策策定を通じて、これらの課題に対処することが急務です。政府は、移民政策の見直し、産業多角化、教育投資拡大といった具体的な改革を進めることで、未来への活路を切り拓く必要があります。

1950年から2100年までの「セントビンセント・グレナディーン」の総人口推移

年度	総人口	人口変化	増加率
1950年	61,663人	+1,605	2.603% ↑
1951年	63,349人	+1,765	2.786% ↑
1952年	65,183人	+1,904	2.921% ↑
1953年	67,162人	+2,053	3.057% ↑
1954年	69,302人	+2,228	3.215% ↑
1955年	71,612人	+2,391	3.339% ↑
1956年	74,054人	+2,494	3.368% ↑
1957年	76,617人	+2,632	3.436% ↑
1958年	79,313人	+2,760	3.480% ↑
1959年	82,150人	+2,914	3.548% ↑
1960年	84,388人	+1,561	1.850% ↑
1961年	85,870人	+1,403	1.634% ↑
1962年	87,236人	+1,330	1.525% ↑
1963年	88,523人	+1,245	1.406% ↑
1964年	89,749人	+1,207	1.345% ↑
1965年	90,927人	+1,147	1.261% ↑
1966年	92,052人	+1,103	1.198% ↑
1967年	93,124人	+1,042	1.119% ↑
1968年	94,123人	+955	1.015% ↑
1969年	95,058人	+917	0.965% ↑
1970年	95,964人	+894	0.932% ↑
1971年	96,872人	+922	0.952% ↑
1972年	97,790人	+914	0.935% ↑
1973年	98,691人	+887	0.899% ↑
1974年	99,556人	+845	0.849% ↑
1975年	10万人	+816	0.813% ↑
1976年	10万人	+803	0.794% ↑
1977年	10万人	+802	0.786% ↑
1978年	10万人	+749	0.729% ↑
1979年	10万人	+659	0.637% ↑
1980年	10万人	+811	0.778% ↑
1981年	10万人	+909	0.865% ↑
1982年	10万人	+881	0.831% ↑
1983年	10万人	+858	0.803% ↑
1984年	10万人	+840	0.780% ↑
1985年	10万人	+798	0.735% ↑
1986年	10万人	+753	0.689% ↑
1987年	11万人	+685	0.623% ↑
1988年	11万人	+630	0.569% ↑
1989年	11万人	+597	0.537% ↑
1990年	11万人	+484	0.433% ↑
1991年	11万人	+335	0.299% ↑
1992年	11万人	+240	0.213% ↑
1993年	11万人	+212	0.188% ↑
1994年	11万人	+153	0.135% ↑
1995年	11万人	+107	0.095% ↑
1996年	11万人	+36	0.032% ↑
1997年	11万人	+7	0.006% ↑
1998年	11万人	+72	0.064% ↑
1999年	11万人	+300	0.265% ↑
2000年	11万人	+58	0.051% ↑
2001年	11万人	-146	-0.129% ↓
2002年	11万人	-163	-0.144% ↓
2003年	11万人	-247	-0.218% ↓
2004年	11万人	-367	-0.325% ↓
2005年	11万人	-403	-0.358% ↓
2006年	11万人	-468	-0.418% ↓
2007年	11万人	-497	-0.446% ↓
2008年	11万人	-509	-0.458% ↓
2009年	11万人	-532	-0.481% ↓
2010年	10万人	-567	-0.516% ↓
2011年	10万人	-653	-0.597% ↓
2012年	10万人	-573	-0.527% ↓
2013年	10万人	-627	-0.580% ↓
2014年	10万人	-574	-0.534% ↓
2015年	10万人	-576	-0.539% ↓
2016年	10万人	-647	-0.608% ↓
2017年	10万人	-724	-0.685% ↓
2018年	10万人	-750	-0.715% ↓
2019年	10万人	-768	-0.737% ↓
2020年	10万人	-514	-0.496% ↓
2021年	10万人	-856	-0.832% ↓
2022年	10万人	-734	-0.719% ↓
2023年	10万人	-713	-0.704% ↓
2024年	10万人	-700	-0.696% ↓
2025年	99,924人	-683	-0.684% ↓
2026年	99,245人	-677	-0.682% ↓
2027年	98,591人	-629	-0.638% ↓
2028年	97,985人	-584	-0.596% ↓
2029年	97,409人	-567	-0.582% ↓
2030年	96,856人	-540	-0.558% ↓
2031年	96,334人	-505	-0.524% ↓
2032年	95,834人	-494	-0.515% ↓
2033年	95,362人	-449	-0.471% ↓
2034年	94,918人	-441	-0.465% ↓
2035年	94,484人	-425	-0.450% ↓
2036年	94,077人	-390	-0.415% ↓
2037年	93,699人	-366	-0.391% ↓
2038年	93,336人	-360	-0.386% ↓
2039年	92,984人	-345	-0.371% ↓
2040年	92,650人	-321	-0.346% ↓
2041年	92,329人	-322	-0.349% ↓
2042年	91,995人	-347	-0.377% ↓
2043年	91,648人	-346	-0.378% ↓
2044年	91,308人	-334	-0.366% ↓
2045年	90,955人	-372	-0.409% ↓
2046年	90,577人	-384	-0.424% ↓
2047年	90,180人	-410	-0.455% ↓
2048年	89,772人	-405	-0.451% ↓
2049年	89,365人	-409	-0.458% ↓
2050年	88,942人	-438	-0.492% ↓
2051年	88,495人	-457	-0.516% ↓
2052年	88,034人	-463	-0.526% ↓
2053年	87,564人	-477	-0.545% ↓
2054年	87,073人	-506	-0.581% ↓
2055年	86,570人	-500	-0.578% ↓
2056年	86,064人	-513	-0.596% ↓
2057年	85,556人	-501	-0.586% ↓
2058年	85,047人	-517	-0.608% ↓
2059年	84,531人	-515	-0.609% ↓
2060年	84,016人	-517	-0.615% ↓
2061年	83,499人	-515	-0.617% ↓
2062年	82,988人	-508	-0.612% ↓
2063年	82,481人	-505	-0.612% ↓
2064年	81,975人	-509	-0.621% ↓
2065年	81,460人	-520	-0.638% ↓
2066年	80,948人	-504	-0.623% ↓
2067年	80,448人	-495	-0.615% ↓
2068年	79,948人	-506	-0.633% ↓
2069年	79,444人	-502	-0.632% ↓
2070年	78,947人	-492	-0.623% ↓
2071年	78,455人	-492	-0.627% ↓
2072年	77,968人	-483	-0.619% ↓
2073年	77,484人	-483	-0.623% ↓
2074年	77,000人	-486	-0.631% ↓
2075年	76,519人	-475	-0.621% ↓
2076年	76,040人	-485	-0.638% ↓
2077年	75,561人	-471	-0.623% ↓
2078年	75,087人	-478	-0.637% ↓
2079年	74,606人	-484	-0.649% ↓
2080年	74,124人	-479	-0.646% ↓
2081年	73,644人	-483	-0.656% ↓
2082年	73,154人	-496	-0.678% ↓
2083年	72,662人	-489	-0.673% ↓
2084年	72,170人	-494	-0.684% ↓
2085年	71,672人	-502	-0.700% ↓
2086年	71,174人	-493	-0.693% ↓
2087年	70,676人	-504	-0.713% ↓
2088年	70,179人	-490	-0.698% ↓
2089年	69,679人	-510	-0.732% ↓
2090年	69,177人	-495	-0.716% ↓
2091年	68,677人	-505	-0.735% ↓
2092年	68,177人	-494	-0.725% ↓
2093年	67,677人	-507	-0.749% ↓
2094年	67,174人	-499	-0.743% ↓
2095年	66,673人	-502	-0.753% ↓
2096年	66,179人	-486	-0.734% ↓
2097年	65,684人	-504	-0.767% ↓
2098年	65,189人	-487	-0.747% ↓
2099年	64,701人	-488	-0.754% ↓
2100年	64,218人	-478	-0.744% ↓