フィンランド:「サウナは国技!?」公共施設にも議会にも!?
フィンランドのサウナ文化は、国民の生活に深く根ざした伝統です。人口約550万人のこの国には、300万を超えるサウナが存在し、ほぼすべての家庭にサウナがあると言われています。サウナは、心身の浄化やリラクゼーションの場としてだけでなく、社会的な交流や重要な議論の場としても機能しています。実際に、フィンランドの国会議事堂内にもサウナが設置されており、議員たちがリラックスしながら政策を話し合う場として利用されています。
サウナは、単なる入浴設備ではなく、フィンランド独自の生活文化・精神文化の象徴として国際的にも認められ、2020年に「Sauna culture in Finland」としてUNESCOの無形文化遺産に登録登録されました。
フランス:あの「パン」がユネスコ無形文化遺産に登録?!
フランスの象徴ともいえる「バゲット」が、2022年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。この登録は、バゲットの製造技術とその文化的意義が評価された結果です。バゲットは、フランスの日常生活に深く根ざしており、パン屋での購入から家庭での食事まで、フランス人の生活に欠かせない存在です。
ユネスコの登録により、バゲットの伝統的な製法や文化が保護され、次世代へと受け継がれていくことが期待されています。
このように、フランスのバゲットは単なる食べ物ではなく、文化的な象徴として世界的に認識されています。ユネスコの無形文化遺産への登録は、フランスの食文化の豊かさとその保存の重要性を再認識させる出来事となりました。
ニュージーランド:「キウイは果物ではなく国民の誇り」
「キウイ」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは果物ですが、ニュージーランドでは「キウイ=国鳥」、そして国民そのものを象徴する言葉です。キウイは飛べない夜行性の鳥で、ニュージーランドにしか生息していません。そのため、この鳥は「絶滅危惧種」として保護されており、野生のキウイを見かけるのは非常に稀です。
ニュージーランドでは、自国民を親しみを込めて「キウイ」と呼び、ラグビーチーム「All Blacks」のサポーターたちも「キウイ・アーミー」として知られています。また、ニュージーランドの通貨や観光ポスターにもこの鳥がデザインされており、国民の誇りとアイデンティティの象徴として機能しています。
モロッコ:「青い街・シャウエン」の幻想的な理由
北アフリカに位置するモロッコ。その中でも特に神秘的なスポットとして有名なのが「シャウエン(Chefchaouen)」という山あいの街です。シャウエンの魅力は、何といっても街全体が青色で彩られていること。建物の壁、ドア、階段まで青く塗られており、その光景はまるで童話の世界に迷い込んだかのようです。
この「青」の由来については諸説ありますが、有力な説としてはユダヤ教徒による宗教的伝統に由来するものや、虫除けの効果があるとされたためというものがあります。観光地としても近年人気が高まり、インスタグラマーや写真愛好家にとっては「絶対に訪れたい場所」のひとつとなっています。
メキシコ:「死者の日」はカラフルで陽気な祝祭!
メキシコの「el Día de los Muertos (Day of the Dead、死者の日)」は、11月1日と2日に開催される伝統的な祝祭(地域によって開催日が異なる)で、家族や地域で故人を偲ぶ重要な行事です。この日には、「オフレンダ(Ofrenda)」と呼ばれる祭壇が家庭に設けられ、故人の好きだった食べ物、マリーゴールドの花、キャンドル、写真などが飾られます。
多くの人が顔にドクロのメイク(カラベラ)を施し、色鮮やかな衣装を身にまとって街を練り歩く様子は、まさに「死を祝う祭典」。これは、死を恐れるのではなく、命の循環を喜び、先祖とのつながりを大切にするというメキシコならではの死生観を表しています。ユネスコはこの伝統を「人類の無形文化遺産」として認定しており、世界中から注目を集めています。
~~雑学を知れば、旅はもっと面白くなる~~
世界のどこかでは「当たり前」なことも、私たちにとってはびっくりの連続。国が違えばまったく異なる価値観や文化として現れます。旅先での「見る」「食べる」「感じる」「話す」がグッと深く、面白くなります。文化の違いを知るって、なんだかワクワクしませんか?
次の旅では、ただの観光じゃなくて「へぇ〜」が止まらない文化体験を探してみてください。きっと、これまでとは一味違う旅になるはずです!