なぜ「最も臭い靴」を競うのか?
この伝説の大会が産声を上げたのは1974年、アメリカ・バーモント州のスポーツ用品店でのこと。「新しい靴の宣伝に何か面白いことできないかな?」という軽いノリで始まったものが、まさかの全国大会に発展。気づけば、参加者が「俺の靴のほうが臭い!」「いや、俺のはガチで涙出るレベル」と熱くなりました。このコンテストでは、全米各地で予選が開催され、選ばれた代表者がニューヨークで行われる決勝戦に進みます。
審査基準:臭いだけじゃない!?
この大会、ただ臭ければいいってもんじゃありません。審査員たちは以下のポイントを入念にチェックします。
臭いの破壊力:一嗅ぎでノックアウトされるか?
靴の見た目:ただのボロ靴ではなく、歴戦の勇者感があるか?
履き込みストーリー:どんな壮絶な過去を経てこのニオイが生まれたのか?
しかも審査員にはNASAの科学者や臭気専門家が参戦。中には鼻栓や防護マスクを着用しながら審査する者もいるとか…。
過去の優勝者と驚きのエピソード
「ロッテン・スニーカー・コンテスト」には、毎年ユニークなエピソードが生まれます。この大会、単なる悪臭自慢にあらず。歴代優勝者たちは皆、強烈なストーリーを持っています。
2017年(42回目)には、12歳の少年コナー君が「涙が出るほどの臭さ」の靴で優勝しました。彼の靴は、サマーキャンプで履き続け、川遊びの後も洗わずに放置した結果、強烈な臭いを放つようになったとのことです。
文化的な違いと世界の反応
日本では「靴は清潔に!」が常識ですが、アメリカでは「履き込んだ靴=努力の証」と考えられることも。こうした価値観が、このカオスなコンテストを支えているのかもしれません。
また、最近ではヨーロッパやアジアでも類似イベントが開催され、じわじわと世界に「最臭競争」の文化が広がりつつあります。とはいえ、未だに本家アメリカの大会が規模・伝統ともに圧倒的です。
「ロッテン・スニーカー・コンテスト」は、アメリカらしい自由な発想とユーモアが詰まったイベント。単なる悪臭自慢ではなく、靴に刻まれた思い出や努力、冒険の軌跡を称える場でもあります。