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アメリカ合衆国のアボカド生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、アメリカ合衆国のアボカド生産量は、1961年の約5万1342トンから始まり、1980年代以降、年ごとの変動が激しくなる一方、1980年頃には約24万トン以上のピークを迎えました。2000年代以降も例外的に高い年度を含むものの、全体として下降傾向が示されており、2023年には11万6890トンと過去最低レベルに近い値を記録しました。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 116,890
-17.88% ↓
2022年 142,340
4.09% ↑
2021年 136,750
-27.04% ↓
2020年 187,433
52.8% ↑
2019年 122,670
-27.21% ↓
2018年 168,530
-1.02% ↓
2017年 170,260
35.95% ↑
2016年 125,237
-39.72% ↓
2015年 207,750
15.98% ↑
2014年 179,124
7.84% ↑
2013年 166,106
-30.35% ↓
2012年 238,495
16.09% ↑
2011年 205,432
29.9% ↑
2010年 158,150
-41.6% ↓
2009年 270,813
157.35% ↑
2008年 105,230
-45.5% ↓
2007年 193,100
-21.82% ↓
2006年 247,000
-12.85% ↓
2005年 283,405
74.14% ↑
2004年 162,749
-23.14% ↓
2003年 211,737
17.05% ↑
2002年 180,894
-10.7% ↓
2001年 202,570
-6.69% ↓
2000年 217,091
30.55% ↑
1999年 166,288
15.08% ↑
1998年 144,500
-10.4% ↓
1997年 161,270
-6.78% ↓
1996年 173,000
0.37% ↑
1995年 172,360
8.57% ↑
1994年 158,750
21.78% ↑
1993年 130,362
-50.72% ↓
1992年 264,535
57.65% ↑
1991年 167,800
18.59% ↑
1990年 141,500
12.21% ↑
1989年 126,100
-27.98% ↓
1988年 175,100
-7.65% ↓
1987年 189,600
-31.03% ↓
1986年 274,900
60.76% ↑
1985年 171,000
-17.87% ↓
1984年 208,200
-16.24% ↓
1983年 248,570
15.76% ↑
1982年 214,730
29.49% ↑
1981年 165,830
-32% ↓
1980年 243,850
162.77% ↑
1979年 92,800
-29.98% ↓
1978年 132,540
24.13% ↑
1977年 106,775
-16.92% ↓
1976年 128,525
61.16% ↑
1975年 79,748
18.37% ↑
1974年 67,374
-17.18% ↓
1973年 81,354
95.35% ↑
1972年 41,646
-46.74% ↓
1971年 78,190
86.82% ↑
1970年 41,854
-37.83% ↓
1969年 67,319
40.8% ↑
1968年 47,811
-34.86% ↓
1967年 73,400
31.77% ↑
1966年 55,704
0.04% ↑
1965年 55,681
64.97% ↑
1964年 33,752
-39.27% ↓
1963年 55,579
17.3% ↑
1962年 47,382
-7.71% ↓
1961年 51,342 -

アメリカ合衆国のアボカド生産量データを時系列で分析すると、特定のパターンと課題が浮かび上がります。まず、1960年代から1970年代初期にかけては5万トンから7万トン程度の比較的安定した生産量を記録しています。しかし、1970年代後半から1980年代にかけて急激に生産量が増え、1983年には約24万8570トンというピークを迎えました。この時期の増加は、アメリカ国内の消費需要の拡大とともに、特にカリフォルニア州における生産体制の拡大によるものと推察されます。

1980年代後半から1990年代初頭にかけてはやや減少傾向が見られますが、2000年代に入ると再びある程度の持ち直しを見せています。しかし、それ以降のデータでは、生産量の年度ごとのばらつきが大きくなるほか、特定の年を除いて、全般的に下降トレンドが明確になっています。例えば、比較的近年のピークである2005年の約28万3405トンから2023年の約11万6890トンまで、急激な減少が見られます。

この生産量動態には、さまざまな要因が関与していると考えられます。まず、カリフォルニア州をはじめとする主要生産地での水資源不足や干ばつの頻発が重要な問題として挙げられます。アボカドは非常に多くの水を必要とする作物であり、特に乾燥地域での生産にはかなりの制約が伴います。また、気候変動の影響も無視できません。近年、異常気象や気温上昇が農作物の生産に及ぼす影響が深刻化しており、アボカド生産地においてもその影響が懸念されています。

さらに、地政学的リスクとして、アボカド輸出国のメキシコとの競争も一因です。メキシコは世界最大のアボカド生産国であり、アメリカ市場への安価な輸出がアメリカ国内のアボカド産業に影響を与えています。特に、米墨自由貿易協定(NAFTA)以降、メキシコ産アボカドの流入が増加し、国内生産の採算性に影響を与えた可能性が考えられます。

こうした現状に対する具体的な対策としては、まず、乾燥地帯での効率的な水資源利用技術の導入や、耐乾性に優れたアボカド品種の開発が挙げられます。さらに、生産者への補助金の提供や国内農業の競争力を高めるための生産条件の整備が重要と言えます。また、農業従事者の確保も大きな課題であり、移民受け入れ政策や労働環境の改善が今後の鍵となるでしょう。

加えて、地政学的リスクの軽減には他国との貿易政策の調整が必要です。アメリカとメキシコの協力体制を強化し、双方が利益を共有できる仕組みを構築することで、競争から共存へと移行する道筋が考えられます。たとえば、輸出入と国内生産のバランスを調整する協定や、農産物を相互に補完し合う仕組みの検討が一策となるでしょう。

結論として、アメリカ合衆国のアボカド生産量は1960年代以来、成長と低迷の波を繰り返しつつも近年は減少傾向にあります。水資源不足や気候変動、国際競争などによる複合的な課題への対応が急務であり、持続可能な農業の実現に向けた多角的な取り組みが求められます。政策決定者や生産者、消費者が連携し、環境保全と経済効率の両立を目指したアプローチが今後の課題といえるでしょう。