アラブ首長国連邦(UAE)のマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量は、1966年の120トンから急速な伸びを示し、1980年代には8,000~9,000トン台、1990年代末には10,000トンを超えました。しかしその後、気象条件や水資源の課題が影響し、2003年には約4,000トン台まで低下する局面も見られました。その後一時的な回復を挟みつつ、2020年代には大きく変動する傾向が続いています。2023年には生産量が5,485トンであり、過去のピークに比べて減少傾向にありました。
アラブ首長国連邦のマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
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2023年 | 5,485 |
13.09% ↑
|
2022年 | 4,850 |
6.1% ↑
|
2021年 | 4,571 |
-50.94% ↓
|
2020年 | 9,317 |
14.23% ↑
|
2019年 | 8,156 |
-29.85% ↓
|
2018年 | 11,626 |
0.13% ↑
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2017年 | 11,611 |
-1.06% ↓
|
2016年 | 11,735 |
-3.74% ↓
|
2015年 | 12,191 |
10.07% ↑
|
2014年 | 11,076 |
174.63% ↑
|
2013年 | 4,033 |
0.02% ↑
|
2012年 | 4,032 |
-29.03% ↓
|
2011年 | 5,681 |
-46.41% ↓
|
2010年 | 10,600 |
-3.64% ↓
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2009年 | 11,000 |
-34.34% ↓
|
2008年 | 16,753 |
52.72% ↑
|
2007年 | 10,970 |
96.24% ↑
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2006年 | 5,590 |
28.71% ↑
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2005年 | 4,343 |
1% ↑
|
2004年 | 4,300 |
1.06% ↑
|
2003年 | 4,255 |
-54.34% ↓
|
2002年 | 9,318 |
1.98% ↑
|
2001年 | 9,137 |
-4.57% ↓
|
2000年 | 9,575 |
-0.83% ↓
|
1999年 | 9,655 |
-3.7% ↓
|
1998年 | 10,026 |
0.51% ↑
|
1997年 | 9,975 |
9.71% ↑
|
1996年 | 9,092 |
3.08% ↑
|
1995年 | 8,820 |
-0.1% ↓
|
1994年 | 8,829 |
2.12% ↑
|
1993年 | 8,646 |
-1.43% ↓
|
1992年 | 8,771 |
-7.78% ↓
|
1991年 | 9,511 |
33.84% ↑
|
1990年 | 7,106 |
-21.11% ↓
|
1989年 | 9,007 |
29.04% ↑
|
1988年 | 6,980 |
-20.49% ↓
|
1987年 | 8,779 |
-0.24% ↓
|
1986年 | 8,800 |
1.68% ↑
|
1985年 | 8,655 |
-1.67% ↓
|
1984年 | 8,802 |
131.08% ↑
|
1983年 | 3,809 |
9.96% ↑
|
1982年 | 3,464 |
-6% ↓
|
1981年 | 3,685 |
89.07% ↑
|
1980年 | 1,949 |
-21.63% ↓
|
1979年 | 2,487 |
155.86% ↑
|
1978年 | 972 |
-50.73% ↓
|
1977年 | 1,973 |
16.06% ↑
|
1976年 | 1,700 |
13.33% ↑
|
1975年 | 1,500 |
7.14% ↑
|
1974年 | 1,400 |
27.27% ↑
|
1973年 | 1,100 |
37.5% ↑
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1972年 | 800 |
23.08% ↑
|
1971年 | 650 |
30% ↑
|
1970年 | 500 |
16.28% ↑
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1969年 | 430 |
38.71% ↑
|
1968年 | 310 |
72.22% ↑
|
1967年 | 180 |
50% ↑
|
1966年 | 120 | - |
アラブ首長国連邦は、農業に不向きとされる気候条件の中で、マンゴーやグアバといった熱帯果実の生産を進めてきました。その生産量の推移を見ると、国の農業技術や資源活用の進化、さらには政策的な努力がうかがえます。最初の記録である1966年には120トンと非常に控えめな水準でしたが、1970年代から急速に生産量が増加し、1984年の8,802トンまで着実な成長を遂げました。この背景には、灌漑技術の導入や農業における近代的な手法の普及があると考えられます。
1980年代後半から1990年代にかけては、年間8,000~10,000トンの生産量を維持したものの、2003年には4,255トンまで減少しています。これは、UAE特有の水資源不足や気候変動による影響が背景にあると推測されます。また、農作物の病害や土壌塩害もその一因であったでしょう。その後は2007年に10,970トン、2008年には16,753トンという記録的な生産量を達成していますが、これは灌漑技術の革新や国際需要への対応という要因に支えられた成果と思われます。
2010年代以降は再び生産量が不安定となり、2020年代にはコロナ禍の影響も相まって農業労働力や輸送の問題、さらに世界的な気候変動の影響を多分に受けることになりました。2022年の4,850トン、2023年の5,485トンという数字は、近年の低水準を反映しています。
現在の生産量の推移が示す課題は、UAEにおける水資源の管理や気候変動への適応策が十分でない可能性です。また、急激な都市化やインフラ開発も農業用地の縮小につながるリスクが存在します。さらに、特定品目の果物に依存するリスク分散の不足も挙げられます。これらの点を解決するためには、持続可能な農業手法の強化、水効率を高める技術導入、植物の耐乾性の高い品種の開発が必要となります。
グローバルな視点では、熱帯果物の主要生産国であるインドやタイ、フィリピンが競争相手となるため、国際市場での競争力向上には品質管理やブランド化が重要です。また、日本や韓国のように、生産量は少なくても高品質化により高価格で輸出されるモデルを参考にできるでしょう。
結論として、UAEのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産の将来性を維持・向上させるためには、スマート農業技術のさらなる推進、気候変動対策の統合計画、そして近隣諸国との農業技術協力が欠かせません。また、持続可能な水資源管理を達成するためには、政策面での大胆な改革と国際機関との連携が必要です。これらの対策が実施されることで、厳しい自然環境の中でも農業生産の安定と成長が期待されます。