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ネパールのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ネパールのマンゴー・マンゴスチン・グアバの生産量は、1990年から2023年の間で大幅な増加を見せ、特に2012年以降は急激な伸びを記録しています。1990年の生産量は約13.5万トンでしたが、2023年には53.8万トンを突破しており、約4倍に増加しました。この長期的な上昇傾向の中には一部で大きな変動期も見られ、1996年の大幅な落ち込みや2012年の急激な増加が特徴的です。これらの変動には地域の気象条件、作物管理の向上、農業政策の変化などが影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 538,523
5.97% ↑
2022年 508,172
4.88% ↑
2021年 484,511
0.13% ↑
2020年 483,905
22.92% ↑
2019年 393,686
10.47% ↑
2018年 356,378
9.82% ↑
2017年 324,519
12.29% ↑
2016年 288,998
4.68% ↑
2015年 276,068
2.08% ↑
2014年 270,432
0.79% ↑
2013年 268,302
-18.42% ↓
2012年 328,883
86.07% ↑
2011年 176,756
38.83% ↑
2010年 127,315
4.49% ↑
2009年 121,842
10.03% ↑
2008年 110,736
-18.74% ↓
2007年 136,270
-4.98% ↓
2006年 143,406
6.55% ↑
2005年 134,586
-3.99% ↓
2004年 140,183
1.22% ↑
2003年 138,500
9.49% ↑
2002年 126,500
-2.69% ↓
2001年 130,000
9.24% ↑
2000年 119,000
-2.3% ↓
1999年 121,800
7.12% ↑
1998年 113,700
8.29% ↑
1997年 105,000
7.14% ↑
1996年 98,000
-30% ↓
1995年 140,000
0.24% ↑
1994年 139,662
-5.03% ↓
1993年 147,065
1.42% ↑
1992年 145,000
3.57% ↑
1991年 140,000
3.7% ↑
1990年 135,000 -

ネパールのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量の推移を紐解くと、この国の農業における発展と課題が浮き彫りになります。1990年から2000年代初頭まで、生産量は一進一退の傾向を示し、特に1996年の9.8万トンという大幅な落ち込みが目立ちます。これには気候変動による影響や、灌漑や農業資源へのアクセスが限られていたことが大きな要因として挙げられます。同様に、2008年にも生産量が低下しており、この時期も気象条件の変動、あるいは農業政策の不備が影響した可能性があります。

一方で、2012年以降、ネパールの果物生産量は大幅に増加し始めました。328,883トンという数値を皮切りに、2020年代にかけてこの増加傾向は加速し、2023年には53.8万トンを超える規模に達しています。この急速な成長は、新しい栽培技術の導入、インフラの改善、地域の農業競争力を高めるための政策的支援が功を奏したと言えます。特に、病害虫管理や新品種の採用、果樹の集中的な栽培方法が成績向上に寄与したと考えられます。

しかし、この生産量の増加には課題も見え隠れしています。まず、急速な生産量の拡大が持続可能性にどのような影響を与えるのか慎重に見極める必要があります。例えば、土壌の過剰利用や水資源の枯渇、農薬の乱用といった問題は、長期的にネパールの農業基盤を脅かす可能性があります。また、地政学的背景として、ネパールはしばしばインドとの経済的依存が高く、その市場への輸出が制限されるといったリスクも伴います。このような状況では、国内市場の需要を喚起する取り組みや、多様な国々との輸出市場の開拓が重要となるでしょう。

さらに、自然災害のリスクも無視できません。ネパールは地震やモンスーンに伴う洪水、土砂崩れが頻発する国であり、これらの環境要因が農業生産に与える影響は決して小さくありません。過去数年、新型コロナウイルスの流行も物流や農業労働力に直接的な影響を与えましたが、このような外的要因への対応能力を高めるための準備が欠かせません。

未来に向けては、ネパールのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産の持続可能性確保のために、いくつかの具体的な方向性を検討するべきです。まず、気候変動に強い多様な栽培技術を導入することで、異常気象への適応力を高める必要があります。また、持続可能な農業実践を支援する政策、例えば有機農法の奨励や農家への技術提供などが求められます。さらに、インド以外の市場への多国間輸出ポリシー策定や、近隣諸国や国際機関との協力に基づく貿易戦略の強化が重要です。

結論として、ネパールの果物生産量は長期的な視点で見ると非常に力強い成長を遂げていますが、気候変動への適応、持続可能性の確保、国際市場への進出という3つの課題と直接向き合う必要があります。このためには、政府と農家、地域社会、さらには国際機関の協力が必要不可欠です。これらの対策が実現すれば、ネパールはアジア有数の果物供給国としての地位を確立する可能性を秘めています。