Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、ガーナのマンゴー、マンゴスチン、グアバの生産量は、1960年代から2000年代半ばまで緩やかな増加を示しつつ、2008年以降急激な増加が見られる特徴的な推移をたどっています。特に2008年から2009年にかけて生産量が倍増し、その後も継続的な成長傾向を維持し、2023年には103,095トンに達しています。こうした急上昇の背景には経済成長や農業政策の変化、輸出需要の高まりが関連していると考えられます。
ガーナのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)
年度 | 生産量(トン) | 増減率 |
---|---|---|
2023年 | 103,095 |
0.1% ↑
|
2022年 | 102,994 |
0.69% ↑
|
2021年 | 102,283 |
0.7% ↑
|
2020年 | 101,573 |
-0.23% ↓
|
2019年 | 101,812 |
2.8% ↑
|
2018年 | 99,041 |
-0.31% ↓
|
2017年 | 99,344 |
-0.01% ↓
|
2016年 | 99,358 | - |
2015年 | 99,358 | - |
2014年 | 99,358 |
4.08% ↑
|
2013年 | 95,460 |
6.07% ↑
|
2012年 | 90,000 |
5.88% ↑
|
2011年 | 85,000 |
6.25% ↑
|
2010年 | 80,000 |
6.67% ↑
|
2009年 | 75,000 |
97.29% ↑
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2008年 | 38,015 |
459.05% ↑
|
2007年 | 6,800 |
-2.8% ↓
|
2006年 | 6,996 |
6% ↑
|
2005年 | 6,600 |
10% ↑
|
2004年 | 6,000 |
9.09% ↑
|
2003年 | 5,500 |
2.89% ↑
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2002年 | 5,345 |
6.91% ↑
|
2001年 | 5,000 |
25% ↑
|
2000年 | 4,000 |
2.67% ↑
|
1999年 | 3,896 |
4.01% ↑
|
1998年 | 3,746 |
4.8% ↑
|
1997年 | 3,574 |
-17.95% ↓
|
1996年 | 4,356 |
-5.28% ↓
|
1995年 | 4,599 |
-5.19% ↓
|
1994年 | 4,851 |
-3.49% ↓
|
1993年 | 5,026 |
-1.31% ↓
|
1992年 | 5,093 |
1.86% ↑
|
1991年 | 5,000 |
25% ↑
|
1990年 | 4,000 |
-16.67% ↓
|
1989年 | 4,800 | - |
1988年 | 4,800 | - |
1987年 | 4,800 | - |
1986年 | 4,800 |
11.63% ↑
|
1985年 | 4,300 |
2.38% ↑
|
1984年 | 4,200 |
5% ↑
|
1983年 | 4,000 |
-11.11% ↓
|
1982年 | 4,500 |
12.5% ↑
|
1981年 | 4,000 | - |
1980年 | 4,000 | - |
1979年 | 4,000 | - |
1978年 | 4,000 | - |
1977年 | 4,000 | - |
1976年 | 4,000 | - |
1975年 | 4,000 | - |
1974年 | 4,000 |
5.26% ↑
|
1973年 | 3,800 |
-5% ↓
|
1972年 | 4,000 | - |
1971年 | 4,000 | - |
1970年 | 4,000 |
5.26% ↑
|
1969年 | 3,800 | - |
1968年 | 3,800 |
1.09% ↑
|
1967年 | 3,759 |
12.11% ↑
|
1966年 | 3,353 |
-2.95% ↓
|
1965年 | 3,455 |
15.17% ↑
|
1964年 | 3,000 | - |
1963年 | 3,000 | - |
1962年 | 3,000 | - |
1961年 | 3,000 | - |
ガーナにおけるマンゴー、マンゴスチン、グアバ生産量の推移を見ると、1961年から2007年までは少しずつ増加したものの、年平均約4,000トンから長らく大きな変化が見られませんでした。しかしながら、2008年以降、生産量は劇的に上昇し、直近の2023年には103,095トンに到達しています。このような大幅な増加は、ガーナにおける農業政策の転換、気候条件の変化、およびマンゴーを中心とした熱帯果実類の地域的・国際的需要の拡大の影響を反映していると推測されます。
まず、1961年から2007年の間で緩やかに生産量が増加するものの、急激な変化がなかった理由を振り返る必要があります。当時のガーナは独立後の経済構造の安定化を進めている段階であり、農業の重点は国内消費に向けられていました。そのため、生産性の向上や輸出市場の拡大に向けた政策が十分には整備されていなかった可能性があります。また、輸出インフラや物流の未熟さが果物の市場アクセスを制限し、生産量拡大へのインセンティブの不足につながったことも一因でしょう。
2008年以降の急増については、複数の要因が考えられます。第一に、近年の自由貿易協定の促進により、ガーナ産果実の主要輸出先である欧州連合(EU)やアジア市場での需要が増加しました。さらに、中国やインドなど新興国におけるマンゴーやグアバの人気の高まりも影響を与えました。第二に、マンゴーなどの果物栽培を商品作物として推進するための政府の農業支援策や、外国投資を受けた生産インフラ整備が生産性向上の基盤となりました。第三に、ガーナが気候的にこれらの作物の栽培に非常に適しており、特に豊富な日照量と肥沃な土壌が生育環境を最適化したことが原因と考えられます。
しかしながら、近年の成長にはいくつかの課題も伴っています。一つ目に、急激な生産量の拡大に伴って環境負荷が懸念されています。大規模な農地拡大や灌漑施設の導入が環境資源の保全を脅かす可能性があります。二つ目に、農家の利益配分や労働環境の改善が依然として十分でないケースが指摘されています。労働者の生活水準が向上しなければ、持続可能な農業生産を維持することが困難になります。
未来につなげるための具体的な対策として、まず環境への配慮をした持続可能な農業の推進が必要です。例えば、高収量で環境保護に適した新品種の開発や、生産過程で発生する廃棄物の資源化への取り組みが挙げられます。さらに、小規模農家の経済的安定を支援する政策も不可欠です。具体的には、輸出利益を農家に分配する仕組みの導入や、販売価格の安定化を図る補助金政策が考えられます。
地政学的なリスクについても考慮が必要です。ガーナは西アフリカに位置し、地域的な紛争や気候変動の影響を比較的受けやすい地域です。そのため、農業の多角化を進めてフードセキュリティを確保する必要があります。加えて、近年の新型コロナウイルス感染症の影響で物流網が一時的に停止し、生産された果物の市場流通が滞った経験も踏まえ、輸送網の強靭化を進めるべきです。
総じて、ガーナのマンゴー、マンゴスチン、グアバ生産量の動向は、同国の農業政策の成功と国際市場の変化を象徴しています。今後、政府や国際機関の支援を通じて、持続可能な生産体制の構築と国際競争力の強化を同時に進めることが重要です。この取り組みにより、ガーナの熱帯果実産業はさらなる発展と民生の向上を実現できるでしょう。