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イラクのメロン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が最新のデータを発表したところによると、イラクのメロン生産量は1961年には83,282トンだったのに対して、2023年は81,873トンと、約60年の間でほぼ同水準に戻る形となっています。その間、生産量はさまざまな変動を見せており、特に1985年には434,500トンという最高値を記録し、その後は安定しない推移を辿ってきました。また、近年では2015年以降、生産量が著しい減少傾向を示しており、この背景には多様な要因が複合的に関与していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 81,873
-54.73% ↓
2022年 180,852
-11.86% ↓
2021年 205,176
2.18% ↑
2020年 200,808
27.23% ↑
2019年 157,834
16.65% ↑
2018年 135,306
42.42% ↑
2017年 95,002
34.5% ↑
2016年 70,632
-1.37% ↓
2015年 71,614
-52.81% ↓
2014年 151,753
-22.75% ↓
2013年 196,451
14.05% ↑
2012年 172,246
6.73% ↑
2011年 161,385
-8.82% ↓
2010年 176,996
-4.32% ↓
2009年 184,991
-10.13% ↓
2008年 205,852
-10.96% ↓
2007年 231,182
-0.35% ↓
2006年 232,000
-4.53% ↓
2005年 243,000
1.25% ↑
2004年 240,000
26.32% ↑
2003年 190,000
11.76% ↑
2002年 170,000
-18.42% ↓
2001年 208,378
6.86% ↑
2000年 195,000
-7.14% ↓
1999年 210,000
-7.08% ↓
1998年 226,000
2.73% ↑
1997年 220,000
-2.22% ↓
1996年 225,000
1.08% ↑
1995年 222,601
1.18% ↑
1994年 220,000
-8.33% ↓
1993年 240,000
4.35% ↑
1992年 230,000
88.91% ↑
1991年 121,750
-60.99% ↓
1990年 312,100
-1.61% ↓
1989年 317,200
22.09% ↑
1988年 259,800
-4.77% ↓
1987年 272,800
-23.28% ↓
1986年 355,600
-18.16% ↓
1985年 434,500
44.02% ↑
1984年 301,700
11.58% ↑
1983年 270,400
-23.57% ↓
1982年 353,800
54.09% ↑
1981年 229,600
53.37% ↑
1980年 149,700
27.4% ↑
1979年 117,500
11.15% ↑
1978年 105,710
-1.12% ↓
1977年 106,902
34.08% ↑
1976年 79,731
22.26% ↑
1975年 65,212
-13.2% ↓
1974年 75,125
-30.98% ↓
1973年 108,845
-25.15% ↓
1972年 145,412
-18.05% ↓
1971年 177,435
-3.2% ↓
1970年 183,301
1.08% ↑
1969年 181,351
3.64% ↑
1968年 174,978
11.81% ↑
1967年 156,489
2.57% ↑
1966年 152,562
10.49% ↑
1965年 138,076
14.65% ↑
1964年 120,434
30.45% ↑
1963年 92,321
9.36% ↑
1962年 84,423
1.37% ↑
1961年 83,282 -

イラクのメロン生産量は、多くの要因によって大きく変動してきた歴史を持っています。まず1961年から1970年にかけて、生産量は緩やかに増加しました。しかし、1970年代に入ると減少に転じ、1975年には65,212トンという最低値を記録しています。この減少は、石油危機を背景とした経済的混乱や農業インフラの未整備によるものと考えられます。

その後、1980年代に入ると、一時的に生産量が大幅に増加しました。特に1985年には434,500トンという最高値を達成しており、これには集中した農地経営や政府支援、地政学的に安定していた一時期が影響したと推測されます。しかし、1986年以降は再び減少傾向に転じ、イラン・イラク戦争や湾岸戦争などの紛争が農業セクターへ深刻な影響を与えたと分析されています。

2000年代に入ってからは、安定性を欠く状態が続きました。背景には、戦争によるインフラの破壊や農地管理の混乱、そして気候変動に伴う水不足が挙げられます。また、イラク経済は依然として石油産業に依存しており、農業部門への資金投資が十分でなかったことも、生産量を押し下げる要因の一つです。

近年では、2015年を境に目覚ましい落ち込みが見られました。この時期、ISISによる紛争が発生し、多くの農地が荒廃したことや、農業従事者の減少が影響しています。2015年の71,614トンは、それまでの最低値であった1975年を下回りました。その後、2018年を経て2020年には200,808トンまで回復を見せましたが、2023年には81,873トンまで減少しています。特に2022年からの減少傾向が際立っており、これには新型コロナウイルスの感染拡大による物流・労働力不足、並びに干ばつや水資源の不足が影響している可能性があります。

イラクにおけるメロン生産の未来にはいくつかの課題が見え隠れしています。一つ目は、気候変動による農地環境の変化です。特に降水量の減少や高温化は、水を多く必要とするメロンの栽培には厳しい条件をもたらすでしょう。二つ目は、農業インフラの更新と技術の導入です。より効率的な灌漑システムを整備し、農家に対して近代的な農業技術を指導することで、生産効率を向上させる必要があります。また、政府と国際社会の協力を通じて安定した農地および労働環境の確保を目指すことも大切です。

将来的には、地域間協力や国際的な支援も重要です。イラクは干ばつ問題を抱える近隣国と協力して水資源の効率的な利用計画を立てるべきです。さらに、メロンの生産と輸出を国内産業の多様化の一環として捉え、農業部門への資金と人材の投入を強化する必要があります。国際機関や多国籍企業との連携を図ることで、イラク農業セクター全体が成長する可能性も考えられます。

結論として、イラクのメロン生産量は、これまで多くの歴史的・地政学的な要因に影響を受けながら推移してきました。安定的な生産を達成するためには、農業政策の改訂、気候変動への適応、そして国際支援の強化が不可欠です。メロンはイラクにおける重要な農産物であるため、その生産増加を通じて国民の食糧安全保障や経済多様化にも寄与することを目指すべきです。