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カナダのメロン生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が提供したデータによると、カナダのメロン生産量は1961年の2,946トンから2023年の10,351トンまで大幅に増加しています。しかし、近年は2014年の19,445トンを頂点として、その後減少傾向が続いています。この長期的な増加と近年見られる減少の背景には、気候変動や農業政策の変更、需要動態などの複数の要因が関与していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 10,351
-4.19% ↓
2022年 10,804
-1.23% ↓
2021年 10,939
-1.08% ↓
2020年 11,058
-11.34% ↓
2019年 12,472
-12.53% ↓
2018年 14,259
-0.47% ↓
2017年 14,327
-19.16% ↓
2016年 17,723
-0.03% ↓
2015年 17,729
-8.82% ↓
2014年 19,445
10.83% ↑
2013年 17,545
6.2% ↑
2012年 16,520
45.42% ↑
2011年 11,360
-5.27% ↓
2010年 11,992
-8.3% ↓
2009年 13,077
10.5% ↑
2008年 11,834
23.94% ↑
2007年 9,548
-26.91% ↓
2006年 13,063
5.2% ↑
2005年 12,417
4.69% ↑
2004年 11,861
24.2% ↑
2003年 9,550
-28.29% ↓
2002年 13,317
24.42% ↑
2001年 10,703
26.05% ↑
2000年 8,491
-17.3% ↓
1999年 10,267
53.31% ↑
1998年 6,697
-22.96% ↓
1997年 8,693
39.47% ↑
1996年 6,233
-12.08% ↓
1995年 7,089
-5.92% ↓
1994年 7,535
38.28% ↑
1993年 5,449
335.92% ↑
1990年 1,250
-28.16% ↓
1989年 1,740
-7.94% ↓
1988年 1,890
2.16% ↑
1987年 1,850
7.56% ↑
1986年 1,720
107.23% ↑
1985年 830
-14.43% ↓
1984年 970
73.21% ↑
1983年 560
16.67% ↑
1982年 480
-1.84% ↓
1981年 489
16.43% ↑
1980年 420
-42.47% ↓
1979年 730
-1.88% ↓
1978年 744
-22.58% ↓
1977年 961
37.48% ↑
1976年 699
-10.04% ↓
1975年 777
0.26% ↑
1974年 775
17.07% ↑
1973年 662
-11.62% ↓
1972年 749
-60.07% ↓
1971年 1,876
-18.54% ↓
1970年 2,303
229.47% ↑
1969年 699
-26.34% ↓
1968年 949
-39.13% ↓
1967年 1,559
23.83% ↑
1966年 1,259
-42.01% ↓
1965年 2,171
18.89% ↑
1964年 1,826
-10.62% ↓
1963年 2,043
0.1% ↑
1962年 2,041
-30.72% ↓
1961年 2,946 -

カナダのメロン生産量の推移を見ると、1960年代から1980年代までは1,000~2,000トン程度の低い範囲での変動が続いていました。当時、カナダは寒冷な気候による農業条件の制約や、国内におけるメロン需要の低さが生産量を抑える主要な要因と考えられていました。しかし、1990年代に入ると生産量が急増し、2000年代には10,000トンを安定的に超える規模に達しました。この背景には、温室技術の進歩や農業機械の効率化、さらにカナダ国内外での需要拡大が関係していると考えられます。

2012年から2014年にかけては、特に高い生産量を記録し、2014年には19,445トンという過去最高値を達成しました。この急激な増加は、好天候の恩恵を受けた豊作や、特定の栽培品種の品種改良に成功したことが背景にあったと推測されます。しかし、それ以降は気候変動による影響や、生産コストの高騰、主要栽培地域での災害発生などが生産量の減少に結び付いています。特に2020年以降のコロナ禍では物流面での制約もあり、生産量は減少傾向を強めました。

メロン生産量の減少には、カナダの地政学的特性も影響していると考えられます。カナダは近年、気候変動に伴い年間平均気温や降水量の変化が顕著になっており、これが野菜や果実全般の栽培に与える環境的制約を強めています。また、アメリカやメキシコと比較すると、カナダの農業コストが割高であることも競争力の低下を招いています。更に、農業労働力の不足も一因であり、特に季節労働者の確保が困難になっていることが指摘されています。

このような状況を受けて、カナダが引き続き農業セクターとしてメロン生産を維持または成長させるためには、いくつかの戦略的対応が求められます。まず、気候変動への適応策として、高温や乾燥に耐性のある新品種の開発や、水資源を効率的に利用する灌漑システムの導入を進めることが重要です。次に、農業労働力の確保を支援する政策として、移民拡大による労働力の補充や、地元雇用を増やすための教育・訓練プログラムの充実も必要とされます。

さらに、国内外市場における需要動向に柔軟に対応するため、メロン以外の作物との多角経営や、輸出先の多様化なども考慮するべきです。特に、中国やインドといった巨大市場への輸出をさらに拡大できれば、生産量の減少を一定程度補える可能性があります。また、国内では地産地消の促進や、カナダ産ブランドの形成によって、より付加価値を生み出す活動も重要となるでしょう。

最終的には、世界的な食料供給の安定や持続可能性を確保する観点から、国際協力を進めることも欠かせません。気候変動が他国にもたらす影響を考慮した共同研究や、技術移転を含む協定は、カナダの農業の未来にとっても恩恵をもたらすと期待されます。カナダ政府がこれらの課題に迅速かつ適切に対応することで、メロンの生産を再び成長軌道に乗せることが可能となるでしょう。