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シリア・アラブ共和国のスイカ生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が提供した最新のデータ(2024年7月更新)によると、シリア・アラブ共和国のスイカ生産量は、1960年代から2023年に至るまで極めて多様な変動を示しています。最高生産量は1981年の968,934トンに達し、一方で直近の2023年には196,743トンと減少しています。この推移は、地域的な地政学的リスク、気候条件、農業政策、および経済状況が複雑に絡み合っていることを示唆します。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 196,743
-43.58% ↓
2022年 348,711
-20.18% ↓
2021年 436,877
33.06% ↑
2020年 328,325
51.64% ↑
2019年 216,522
13.37% ↑
2018年 190,993
20.49% ↑
2017年 158,511
-21.48% ↓
2016年 201,870
-20.54% ↓
2015年 254,060
10.02% ↑
2014年 230,923
7.35% ↑
2013年 215,104
-55.02% ↓
2012年 478,254
-28.68% ↓
2011年 670,559
24.48% ↑
2010年 538,667
-28.15% ↓
2009年 749,695
104.44% ↑
2008年 366,700
-39.56% ↓
2007年 606,716
7.87% ↑
2006年 562,460
-4.39% ↓
2005年 588,300
-27.56% ↓
2004年 812,079
20.45% ↑
2003年 674,200
40.43% ↑
2002年 480,087
110.62% ↑
2001年 227,939
13.1% ↑
2000年 201,530
-22.05% ↓
1999年 258,523
-35.77% ↓
1998年 402,500
47.97% ↑
1997年 272,019
35.17% ↑
1996年 201,246
-21.72% ↓
1995年 257,100
-12.26% ↓
1994年 293,010
-4.99% ↓
1993年 308,400
-12.62% ↓
1992年 352,950
62.52% ↑
1991年 217,178
-13.02% ↓
1990年 249,700
94.02% ↑
1989年 128,700
-73.02% ↓
1988年 477,100
-7.81% ↓
1987年 517,500
-17.99% ↓
1986年 631,000
-7.76% ↓
1985年 684,100
139.61% ↑
1984年 285,500
-57.9% ↓
1983年 678,200
-21.92% ↓
1982年 868,586
-10.36% ↓
1981年 968,934
6.94% ↑
1980年 906,083
109% ↑
1979年 433,535
-29.57% ↓
1978年 615,559
-14.08% ↓
1977年 716,463
28.68% ↑
1976年 556,774
0.94% ↑
1975年 551,566
6.72% ↑
1974年 516,816
415.02% ↑
1973年 100,349
-78.18% ↓
1972年 459,868
71.67% ↑
1971年 267,874
107.11% ↑
1970年 129,337
-65.08% ↓
1969年 370,427
-18.08% ↓
1968年 452,208
8.75% ↑
1967年 415,829
299.02% ↑
1966年 104,212
-46.09% ↓
1965年 193,296
-27% ↓
1964年 264,784
-13.69% ↓
1963年 306,798
-39.07% ↓
1962年 503,495
101.4% ↑
1961年 250,000 -

シリア・アラブ共和国のスイカ生産量は、このデータが始まる1961年の250,000トンから急激な増減を繰り返しながら、大きな変動の歴史を経ています。特筆すべき点として、1981年において生産量が968,934トンとピークに達しましたが、その後、1980年代後半から1990年代にかけて大幅な低下が見られました。また、直近の2023年にはわずか196,743トンまで落ち込んでおり、これはシリアのスイカ農業にさまざまな問題が影響を与えていることが明らかです。

この生産変動の背景には、いくつかの要因が影響しています。まず、1960年代から1980年代初期にかけては、国内の農業振興政策や気候条件の影響で生産量が安定的に増加しました。しかし、その後の1990年代には気候変動による干ばつや灌漑設備の不足が原因で減少傾向が顕著となりました。特に、1989年と1990年における生産量(それぞれ128,700トン、249,700トン)は、この影響を色濃く反映しています。また、2011年以降のシリア内戦は、農業インフラの破壊、農業用地の荒廃、人材の流出、そして物流の停滞をもたらしました。その結果、2017年から2019年にかけての生産量では最低値の158,511トンが記録されるなど、農業全体に深刻な影響を及ぼしました。

さらに、地政学的リスクも無視できません。シリアは中東地域全体の地政学的な中心に位置しており、過去数十年での軍事衝突や政治的不安定性が農業経済に影響を与えてきました。戦争や経済制裁はスイカの流通を妨げ、急激な生産量の変動を引き起こしました。また、気候変動の影響も顕著で、水資源の管理が困難となり、灌漑不足が長期的な生産低迷に拍車をかけました。

これらの課題を受け、シリアはスイカ生産に関する対策を講じる必要があります。まず、灌漑設備の復旧および効率的な水管理システムの導入が重要です。これにより、気候変動対策としての農業生産の安定化を図ることが可能です。また、農業技術や教育の普及も鍵となります。特に、地域の農家が最新の農業技術にアクセスできるようにすることで、生産効率を向上させ、収穫量を増加させることが期待されます。加えて、農業復興のための国際的な協力が求められます。国連や非政府組織のサポートを得て、資金や技術支援を通じて農地の復興を進めることが不可欠です。

さらに、地元および国際市場向けに流通経路を改善することも対策の一つです。物流網の再構築や保管・輸送技術の向上により、生産したスイカの供給を確保するだけでなく、輸出の可能性も広げられるでしょう。国としての農業収入の安定化を図るためには、スイカを含む他の農産品との多角的な生産体制を整える必要があります。

結論として、シリアにおけるスイカ生産量の変動は、農業全体に大きな課題を抱えていることを示しています。ただし、灌漑設備の改善や教育普及、国際協力の強化などの具体的な政策を通じて、国内産業を復活させるチャンスは大いにあります。これらの取り組みは国内農業の復興だけでなく、地域の安定、さらには中東全体の食料安全保障にも寄与する可能性を秘めています。