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ラトビアのブルーベリー生産量推移(1961年~2023年)

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、ラトビアのブルーベリー生産量は過去20年間で大きな変動を見せています。2004年には700トンと安定したスタートを切ったものの、2008年以降、一時的に生産量が激減しました。その後は緩やかに回復し、2020年に再び700トンに達しましたが、近年は再び減少傾向となる420トンまで下がっています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 100
-76.19% ↓
2022年 420
-16% ↓
2021年 500
-28.57% ↓
2020年 700
48.94% ↑
2019年 470
-6% ↓
2018年 500
41.64% ↑
2017年 353
32.21% ↑
2016年 267
11.25% ↑
2015年 240
-45.58% ↓
2014年 441
297.3% ↑
2013年 111
29.07% ↑
2012年 86
975% ↑
2011年 8
-11.11% ↓
2010年 9
-95.5% ↓
2008年 200
-77.78% ↓
2007年 900
12.5% ↑
2006年 800
-11.11% ↓
2005年 900
28.57% ↑
2004年 700 -

ラトビアのブルーベリー生産量の推移を追うと、大きな変動が見られます。具体的には、2004年には700トンを記録したものの、2008年に200トンへ、さらに2010年にはわずか9トンという記録的な減少が確認されています。これほどの急激な生産減少の背景には、気候条件の悪化や農地の転用といった外的要因が潜んでいる可能性があります。この期間、ヨーロッパ全体でも異常気象や農業関連の政策変更が影響していた可能性があります。

2012年からは少しずつ回復基調が見られ、2014年には441トンと顕著な増加を示しました。その背景には、政府が環境保全型農業を促進し、ブルーベリー栽培を支援する政策が影響していたようです。また、栽培技術の向上や農業従事者への教育プログラムが効果を発揮したと考えられます。しかしながら、その成果は均一ではなく、その後も生産量の波は残り続けています。

直近の動向においては、2020年に700トンという大きな成果を挙げたものの、2021年以降には500トン、420トンと減少しています。この要因としては、気候変動による異常気象の増加、新型コロナウイルス感染症パンデミックによる農業生産への影響が挙げられます。特に、労働力不足や物流の混乱が農産物の生産と収穫に直接的な影響を与えたと推察されます。

さらに、競争の激化も問題として挙げられます。ラトビアと同じ北欧地域では、ブルーベリー生産が盛んなスウェーデンやフィンランドなどが市場での競争相手となり、これが間接的にラトビア産ブルーベリーへの需要低下を招いた可能性もあります。他国と比べて小規模で家族経営が多いラトビアのブルーベリー農家にとって、輸出の広がりや市場競争への適応能力は課題として特に重要です。

将来的な課題としては、まず生産基盤の強化が必要不可欠です。特に、気候変動に対応するための農業イノベーションへの投資が求められます。例えば、耐寒性の高いブルーベリー品種の導入や、保護農業技術(温室栽培など)を利用することで、年間の気候変動の影響を最小限に抑えることができます。また、ブルーベリーの付加価値を高めるための加工品生産やブランド化も有効な戦略となるでしょう。

国際的には、ラトビア国内農家同士の協力だけでなく、北欧諸国やEU加盟国との協力枠組みを構築することも重要です。輸出の拡大に向けたマーケティング戦略の強化、物流の効率化を図ることで、ラトビア産ブルーベリーの海外市場での地位を確立させることが課題です。また農家の安定収益を確保するため、共同で価格を交渉する取り組みや補助金制度の整備が重要となります。

このように、ラトビアがブルーベリー生産を安定化し、発展させるためには、国内外での幅広い協力や長期的な農業戦略の策定が欠かせません。それによってラトビアは、変動する世界市場の中でも果実生産国としての競争力を維持することができるでしょう。