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ハンガリーの桃(モモ)・ネクタリン生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が発表した最新データによると、ハンガリーの桃(モモ)・ネクタリンの生産量は、1960年代には増加傾向が見られましたが、1970年代以降は変動を繰り返しながら漸減しています。特に2000年代以降、生産量の大幅な減少が顕著であり、2020年以降は年ごとの生産量が1万トン台から2万トン台と低下が顕著です。この推移は、気候変動や農業政策の変化、世界市場の需要と供給のダイナミクスが影響していると考えられます。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 14,270
-36.24% ↓
2022年 22,380
94.78% ↑
2021年 11,490
-9.31% ↓
2020年 12,670
-56.58% ↓
2019年 29,180
21.43% ↑
2018年 24,030
-37.17% ↓
2017年 38,244
-6.46% ↓
2016年 40,883
5.06% ↑
2015年 38,913
-2.74% ↓
2014年 40,010
-12.34% ↓
2013年 45,640
170.06% ↑
2012年 16,900
-60.83% ↓
2011年 43,145
-20.39% ↓
2010年 54,193
-11.74% ↓
2009年 61,400
29.24% ↑
2008年 47,508
16.38% ↑
2007年 40,820
-39.57% ↓
2006年 67,554
39.6% ↑
2005年 48,390
-41.42% ↓
2004年 82,609
158.64% ↑
2003年 31,940
44.04% ↑
2002年 22,175
-60.88% ↓
2001年 56,682
-11.6% ↓
2000年 64,121
-9.64% ↓
1999年 70,960
9.57% ↑
1998年 64,763
20.33% ↑
1997年 53,819
-28.78% ↓
1996年 75,562
78.21% ↑
1995年 42,400
-14.82% ↓
1994年 49,779
-20.18% ↓
1993年 62,366
2.87% ↑
1992年 60,628
-0.65% ↓
1991年 61,027
-15.23% ↓
1990年 71,992
-9.61% ↓
1989年 79,650
34.77% ↑
1988年 59,099
18.13% ↑
1987年 50,028
-44.47% ↓
1986年 90,093
11.34% ↑
1985年 80,916
5.02% ↑
1984年 77,049
-13.34% ↓
1983年 88,907
-12.11% ↓
1982年 101,159
26.23% ↑
1981年 80,141
-18.49% ↓
1980年 98,326
35.65% ↑
1979年 72,484
-26.58% ↓
1978年 98,724
29.87% ↑
1977年 76,015
-26.66% ↓
1976年 103,643
31.85% ↑
1975年 78,607
-37.76% ↓
1974年 126,306
5.72% ↑
1973年 119,471
-9.34% ↓
1972年 131,781
11.57% ↑
1971年 118,114
4.11% ↑
1970年 113,455
-9.34% ↓
1969年 125,150
54.2% ↑
1968年 81,160
-3.6% ↓
1967年 84,193
23.06% ↑
1966年 68,418
77.85% ↑
1965年 38,470
0.44% ↑
1964年 38,300
-4.73% ↓
1963年 40,200
-5.19% ↓
1962年 42,400
-3.42% ↓
1961年 43,900 -

ハンガリーにおける桃(モモ)・ネクタリンの生産量推移を見ると、1960年代から1970年代の初期には急激な増加が見られました。1961年の4万3,900トンだった生産量は、1972年には13万1,781トンにまで達しています。この成長は、当時の農業技術の進化と集約的な農業政策の影響で、生産効率が向上したことが要因と考えられます。しかし、その後は生産量の変動が大きくなり、特に1980年代から1990年代にかけて平均的な生産量の低下が始まりました。

2002年以降、ハンガリーのモモ・ネクタリン生産量は著しく低下し、2012年には1万6,900トンと過去最低を記録しました。この数字は、1960年代初頭の水準の半分以下にあたり、この大幅な減少の背景には複数の要因が挙げられます。まず第一に、気候変動による極端な気象条件が農業に悪影響を与えている点です。乾燥や洪水、異常な低温や高温といった自然現象が、収穫量に直接的な打撃を与えています。また、世界市場におけるモモやネクタリンの価格競争の激化も、ハンガリーの農業従事者にとって高いコストを伴う生産を持続させることを困難にしています。

さらに、農業の分野では労働力の確保が難しく、ハンガリーの若者が都市部に移住し、農業従事者の高齢化が進行していることも一因です。この問題は、耕作地の管理体制や現代的な技術導入を一層難しくしており、競争力を低下させています。

近年において、気候変動の影響が一段と深刻化し、極端な気象条件がさらに頻発しています。特に、2020年の1万2,670トン、2021年の1万1,490トンという低い生産量は、これらの地球規模の課題が農業に与える影響を象徴しています。一方で、2022年には2万2,380トンと若干の回復がみられましたが、依然としてかつての生産高には程遠い状況です。

こうした課題に対して、ハンガリー政府や農業従事者が取るべき対策としては、まず農業の現代化と持続可能性の向上を図るべきです。具体的には、気候変動に対応可能な耐性品種の開発や導入、灌漑設備の近代化、そしてスマート農業技術の導入が推奨されます。また、EU諸国との協力体制の構築や資金支援を受けることで、農業インフラの整備をさらに進めることが重要です。

さらに、国内外の市場需要を取り込むために、輸出促進政策とブランド強化戦略を実施することも必要です。例として、地理的表示(GI)によるモモやネクタリンの地域ブランド化を行うことで、競争力を高められる可能性があります。

結論として、ハンガリーの桃・ネクタリン生産量の変動は、単なる農業技術や気候条件の問題にとどまらず、農業政策や地球環境、社会的・経済的課題が絡み合った結果といえます。生産を持続可能にするためには、生産技術の革新、国際協力の強化、労働力確保のための社会政策など多面的なアプローチが求められます。これらの課題を克服することで、ハンガリー農業の長期的な発展が期待されます。