クロアチアの1950年～2100年総人口推移｜実データと未来予測を徹底解説

出典：国連事務局(United Nations) World Population Prospects 2024

国連事務局経済社会局人口部（World Population Prospects 2024）が発表した最新のデータによると、クロアチアの人口は、1950年には約386万人でした。その後、緩やかな増加を経て1989年に約482万人でピークを迎えましたが、1990年代以降減少傾向に転じています。この減少は今後も続く見通しであり、2100年には約214万人にまで減少すると予測されています。この長期的な人口減少傾向は、経済や社会に広範な影響を及ぼす可能性があります。

「クロアチア」総人口推移（過去）

「クロアチア」総人口推移（未来予測）

クロアチアってどんなところ?

正式名称: クロアチア共和国
英語名: Croatia
首都: ザグレブ（Zagreb）
地域: ヨーロッパ /南ヨーロッパ
総人口: 389万人
面積: 55,960 ㎢

「クロアチア」の総人口推移について

クロアチアの人口動態の歴史を振り返ると、1950年代から1980年代にかけては一貫した人口増加が見られました。この期間において、経済成長や社会的安定が出生率に寄与し、自然増による人口増加が実現していました。しかし、1989年をピークに人口は減少を始め、特に1990年代の紛争後には急激な減少が顕著となりました。クロアチア紛争（1991～1995年）は多くの国民の移動や移民を促進し、出生率の低下や死者数の増加を引き起こしました。この時期には約45万人以上の人口減少が記録されました。

現在では、出生率の低下、移民、また人口の高齢化が継続的な人口減少の主な要因とされています。特に、移民による人口流出は深刻な問題で、多くの若年層や労働人口が経済的な理由で国外へと移住しています。これにより、国内の労働力不足や税収基盤の弱化など、長期的な経済への影響が懸念されています。また、高齢者が全人口に占める割合が増加しているため、医療や年金制度の持続可能性にも課題が生まれています。

このような人口減少と高齢化の組み合わせは、クロアチア国内に複合的な課題をもたらします。経済的には、労働力不足が生産性の低下を招き、経済成長を制限します。地域間格差も拡大しており、人々が仕事を求めて地方から都市部へ移動することで、地方部の過疎化が加速しています。他国とも比較すると、クロアチアの現状は日本や韓国と類似する傾向がありますが、クロアチアの場合は移民の流出が特に顕著であり、この点が突出した特徴となっています。例えば、ドイツやアメリカなどでは、移民受け入れ政策によって労働力不足をある程度補っていますが、クロアチアでは逆の現象が起きています。

未来に向けて、この長期的な人口減少を緩和するためにはいくつかの具体策が必要です。まず、国内の出生率を上昇させる施策が重要です。例えば、育児支援策の強化や仕事と家庭生活の両立を支援する制度の拡充が求められます。また、若い労働者が国外に流出し続けないように、国内での雇用創出や賃金の向上を図ることも欠かせません。さらに、移民政策の見直しも効果的な対策となる可能性があります。スロベニアやポーランドなどの近隣国が実施しているような、高スキル労働者の移住を促進するための柔軟な政策を検討すべきです。国際的な協力の枠組みの中で、近隣諸国と連携した共通の移動政策の構築も、長期的な視野で人口問題に取り組む一つの手法となり得るでしょう。

地政学的な観点から見ても、クロアチアの人口動態には影響が及んでいます。バルカン半島という地政学的に重要な地域に位置するクロアチアでは、過去の紛争が人口減少を加速させました。また、近年のヨーロッパにおける経済的な格差や移住パターンも、クロアチアの未来の人口動態に影響を与え続ける要因となるでしょう。さらに、新型コロナウイルス感染症パンデミックも短期的な影響を与えています。感染拡大により死亡率の上昇や経済的停滞を引き起こし、出生率の低下に繋がった可能性があります。

結論として、クロアチアの人口減少は急速であり、国として差し迫った問題となっています。しかし、これは適切な政策対応により緩和される可能性があります。政府が包括的な人口政策を採用し、出生率の改善や移民政策の見直し、地方活性化に向けた取り組みを推進することで、未来に向けた持続可能な社会の基盤を築くことが期待されます。また、国際社会との協力も不可欠であり、地域全体での共通課題としてこの問題に取り組むことが求められています。クロアチアは魅力的な地理的条件と観光資源を有していますが、人口動態の課題に向き合うことで、経済力や社会的な強靭さを維持・発展させることができるでしょう。

1950年から2100年までの「クロアチア」の総人口推移

年度	総人口	人口変化	増加率
1950年	386万人	+49,730	1.287% ↑
1951年	391万人	+43,632	1.115% ↑
1952年	395万人	+47,854	1.209% ↑
1953年	400万人	+49,561	1.237% ↑
1954年	404万人	+34,424	0.850% ↑
1955年	408万人	+30,819	0.755% ↑
1956年	411万人	+27,958	0.680% ↑
1957年	413万人	+25,202	0.609% ↑
1958年	416万人	+22,774	0.547% ↑
1959年	418万人	+20,028	0.479% ↑
1960年	420万人	+16,314	0.388% ↑
1961年	422万人	+30,012	0.711% ↑
1962年	425万人	+33,162	0.779% ↑
1963年	428万人	+31,343	0.731% ↑
1964年	431万人	+29,639	0.686% ↑
1965年	434万人	+28,257	0.650% ↑
1966年	437万人	+26,935	0.616% ↑
1967年	440万人	+25,000	0.568% ↑
1968年	442万人	+22,117	0.500% ↑
1969年	444万人	+19,121	0.430% ↑
1970年	446万人	+17,333	0.388% ↑
1971年	448万人	+17,644	0.394% ↑
1972年	449万人	+17,814	0.396% ↑
1973年	451万人	+17,920	0.397% ↑
1974年	453万人	+18,470	0.407% ↑
1975年	455万人	+19,085	0.419% ↑
1976年	457万人	+18,954	0.415% ↑
1977年	459万人	+18,791	0.409% ↑
1978年	460万人	+18,003	0.391% ↑
1979年	462万人	+17,876	0.386% ↑
1980年	464万人	+15,999	0.345% ↑
1981年	466万人	+24,725	0.530% ↑
1982年	468万人	+25,070	0.535% ↑
1983年	471万人	+22,386	0.475% ↑
1984年	473万人	+20,821	0.440% ↑
1985年	475万人	+19,313	0.406% ↑
1986年	477万人	+17,681	0.370% ↑
1987年	479万人	+16,634	0.347% ↑
1988年	480万人	+15,012	0.312% ↑
1989年	482万人	+14,389	0.298% ↑
1990年	483万人	+14,277	0.295% ↑
1991年	482万人	-34,094	-0.707% ↓
1992年	478万人	-51,755	-1.082% ↓
1993年	472万人	-53,225	-1.125% ↓
1994年	467万人	-55,232	-1.181% ↓
1995年	461万人	-57,076	-1.236% ↓
1996年	456万人	-57,046	-1.250% ↓
1997年	450万人	-58,310	-1.294% ↓
1998年	444万人	-59,597	-1.341% ↓
1999年	438万人	-60,094	-1.370% ↓
2000年	432万人	-59,341	-1.372% ↓
2001年	430万人	+9,281	0.216% ↑
2002年	430万人	+133	0.003% ↑
2003年	430万人	+1,676	0.039% ↑
2004年	431万人	+5,063	0.117% ↑
2005年	431万人	+2,718	0.063% ↑
2006年	431万人	+990	0.023% ↑
2007年	431万人	-681	-0.016% ↓
2008年	431万人	-1,967	-0.046% ↓
2009年	431万人	-6,233	-0.145% ↓
2010年	430万人	-12,537	-0.291% ↓
2011年	428万人	-28,106	-0.657% ↓
2012年	425万人	-15,069	-0.354% ↓
2013年	424万人	-18,609	-0.439% ↓
2014年	421万人	-27,228	-0.645% ↓
2015年	418万人	-44,273	-1.058% ↓
2016年	413万人	-50,297	-1.216% ↓
2017年	407万人	-64,190	-1.574% ↓
2018年	402万人	-44,474	-1.105% ↓
2019年	398万人	-32,593	-0.818% ↓
2020年	395万人	-32,160	-0.813% ↓
2021年	392万人	-26,536	-0.676% ↓
2022年	390万人	-8,630	-0.221% ↓
2023年	389万人	-13,377	-0.343% ↓
2024年	387万人	-28,020	-0.723% ↓
2025年	384万人	-26,310	-0.684% ↓
2026年	382万人	-25,320	-0.662% ↓
2027年	379万人	-24,665	-0.650% ↓
2028年	377万人	-23,441	-0.621% ↓
2029年	374万人	-23,973	-0.639% ↓
2030年	372万人	-23,672	-0.635% ↓
2031年	370万人	-24,510	-0.662% ↓
2032年	367万人	-23,928	-0.651% ↓
2033年	365万人	-23,469	-0.642% ↓
2034年	363万人	-23,506	-0.648% ↓
2035年	360万人	-22,611	-0.627% ↓
2036年	358万人	-23,076	-0.644% ↓
2037年	356万人	-24,142	-0.678% ↓
2038年	353万人	-24,149	-0.683% ↓
2039年	351万人	-24,090	-0.686% ↓
2040年	348万人	-24,288	-0.696% ↓
2041年	346万人	-24,781	-0.715% ↓
2042年	343万人	-24,897	-0.724% ↓
2043年	341万人	-25,058	-0.734% ↓
2044年	338万人	-25,711	-0.759% ↓
2045年	336万人	-25,530	-0.759% ↓
2046年	333万人	-25,359	-0.760% ↓
2047年	331万人	-25,889	-0.782% ↓
2048年	328万人	-25,873	-0.787% ↓
2049年	326万人	-25,882	-0.794% ↓
2050年	323万人	-26,051	-0.805% ↓
2051年	320万人	-25,811	-0.805% ↓
2052年	318万人	-25,451	-0.800% ↓
2053年	315万人	-25,710	-0.814% ↓
2054年	313万人	-25,415	-0.812% ↓
2055年	310万人	-25,551	-0.823% ↓
2056年	308万人	-25,865	-0.840% ↓
2057年	305万人	-25,414	-0.832% ↓
2058年	302万人	-25,585	-0.845% ↓
2059年	300万人	-25,378	-0.845% ↓
2060年	297万人	-25,482	-0.856% ↓
2061年	295万人	-25,330	-0.858% ↓
2062年	292万人	-25,151	-0.859% ↓
2063年	290万人	-24,918	-0.858% ↓
2064年	287万人	-24,112	-0.838% ↓
2065年	285万人	-24,246	-0.850% ↓
2066年	282万人	-24,213	-0.856% ↓
2067年	280万人	-23,888	-0.851% ↓
2068年	278万人	-23,836	-0.857% ↓
2069年	275万人	-23,253	-0.843% ↓
2070年	273万人	-22,267	-0.814% ↓
2071年	271万人	-22,472	-0.828% ↓
2072年	269万人	-22,596	-0.840% ↓
2073年	266万人	-22,042	-0.826% ↓
2074年	264万人	-21,784	-0.823% ↓
2075年	262万人	-21,931	-0.836% ↓
2076年	260万人	-21,646	-0.832% ↓
2077年	258万人	-21,516	-0.834% ↓
2078年	255万人	-21,006	-0.821% ↓
2079年	253万人	-20,847	-0.821% ↓
2080年	251万人	-20,371	-0.809% ↓
2081年	249万人	-20,043	-0.802% ↓
2082年	247万人	-19,962	-0.806% ↓
2083年	245万人	-19,665	-0.800% ↓
2084年	243万人	-19,626	-0.805% ↓
2085年	241万人	-19,279	-0.797% ↓
2086年	239万人	-18,978	-0.791% ↓
2087年	238万人	-18,805	-0.790% ↓
2088年	236万人	-19,090	-0.808% ↓
2089年	234万人	-18,866	-0.805% ↓
2090年	232万人	-18,404	-0.792% ↓
2091年	230万人	-18,599	-0.807% ↓
2092年	228万人	-18,629	-0.814% ↓
2093年	226万人	-18,435	-0.813% ↓
2094年	225万人	-18,637	-0.828% ↓
2095年	223万人	-18,482	-0.828% ↓
2096年	221万人	-18,441	-0.833% ↓
2097年	219万人	-17,994	-0.820% ↓
2098年	217万人	-18,029	-0.828% ↓
2099年	215万人	-17,827	-0.826% ↓
2100年	214万人	-17,635	-0.824% ↓