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キューバ

Cuba

キューバのCO2排出量推移

Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、キューバのCO2排出量は1990年から2020年までの間で全体的に減少傾向にありますが、年ごとに変動を見せています。1990年の排出量は57,331,413トンでしたが、2020年には41,853,790トンとなり、約27%の減少が見られます。特に1990年代初頭には急激な減少が記録されています。

「キューバ」のCO2排出量推移

年度 CO2排出量
2020年 41,853,790トン
2019年 45,815,376トン
2018年 45,172,198トン
2017年 44,344,286トン
2016年 47,800,750トン
2015年 48,944,868トン
2014年 47,950,555トン
2013年 48,295,473トン
2012年 49,825,598トン
2011年 49,490,914トン
2010年 53,929,334トン
2009年 48,631,719トン
2008年 48,085,595トン
2007年 45,874,746トン
2006年 46,321,809トン
2005年 44,884,562トン
2004年 44,865,522トン
2003年 45,885,926トン
2002年 46,632,480トン
2001年 46,153,357トン
2000年 46,784,466トン
1999年 46,046,468トン
1998年 45,590,610トン
1997年 46,424,113トン
1996年 48,411,994トン
1995年 46,169,341トン
1994年 42,239,324トン
1993年 40,936,625トン
1992年 43,652,615トン
1991年 52,510,271トン
1990年 57,331,413トン

キューバのCO2排出量推移を詳しく見ていくと、1990年から1993年にかけて顕著な減少が見られました。この期間には、CO2排出量が57,331,413トンから40,936,625トンへと大幅に減少しています。この背景には、ソビエト連邦崩壊後の経済的混乱と、それによるエネルギー消費の大幅な縮小が関係していると考えられます。この時期にキューバは、輸入エネルギーや原油供給の不足から国内の産業活動が停滞し、エネルギー消費とともにCO2の排出も減少しました。

その後、1990年代後半から2000年代初頭にかけては排出量がほぼ安定しましたが、2000年代後半から2010年代初頭には再び増加傾向が見られました。特に2010年には53,929,334トンと1990年代後半以来の高水準を記録しました。この増加は、エネルギー需要の増加や経済活動の回復が関連している可能性があります。キューバはこの頃、友好国との合意や新しい経済改革を通じて、産業構造の復興や観光業の拡大を図っていました。

一方で、2020年には排出量が41,853,790トンまで減少しました。この減少は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行によって経済やエネルギー需要が縮小した影響が大きいです。多くの国と同様に、観光業を重要な収入源とするキューバはパンデミックによる影響を大きく受け、交通機関や産業活動の停止が排出量削減に直接的な影響を与えたと考えられます。

キューバは化石燃料依存率が高い一方で、再生可能エネルギー普及へ積極的に取り組んでいます。しかし、インフラ整備が依然として制約となり、再生可能エネルギーの割合は他国と比較して低いままです。たとえば、ドイツやイギリスでは再生可能エネルギーの割合が急速に増加しており、しっかりとした政策基盤のもとでCO2排出量を抑制する努力が行われています。キューバもこれら先進国に倣い、政策面での強化と国際的な支援の取り組みが必要でしょう。

将来に向けた課題として、第一に再生可能エネルギーの導入加速が挙げられます。特に太陽光や風力発電はキューバの地理的条件に適しており、国際機関や友好国からの技術的および資金的支援を活用することで、その潜在能力を引き出すことができるでしょう。第二に、エネルギー効率の向上と省エネルギー政策の推進が重要です。産業や交通機関における古い設備の更新やエネルギー効率の高い技術の導入は、温室効果ガス排出の削減に寄与します。

地政学的観点からも、キューバはエネルギー政策での対外的な依存度を減らす必要があります。現在は輸入燃料への依存度が高いため、国際的な原油価格の変動や経済制裁の影響を受けやすい状況です。エネルギーの多様化を進めることで、エネルギー安全保障の向上とともにCO2排出量の削減効果を期待できます。

最後に、キューバの未来を見据えた対策として、地域協力を通じた知見の共有も推奨されます。中南米諸国との連携を強化し、低炭素経済への移行に向けた経験や技術を互いに提供することで、持続可能性を高める努力が重要となります。このような具体的な改善策を進めることで、持続可能なエネルギー政策を基盤としたCO2排出削減を達成できるでしょう。