基本情報
遺跡名称 | ラ・ショー-ド-フォン/ル・ロクル、時計製造の町 |
遺跡名称(英語) | La Chaux-de-Fonds / Le Locle, Watchmaking Town Planning |
国名 | スイス |
登録区分 | 文化遺産 |
登録基準(登録基準とは) | (iv) |
世界遺産登録年 | 2009年 |
資産面積 | 283.9ha |
世界遺産「ラ・ショー-ド-フォン/ル・ロクル、時計製造の町」の登録理由や特徴について
ラ・ショーデフォンとル・ロクルの時計製造町のプランニングは、スイスのジュラ山脈に位置する二つの町から成り立っています。これらの町は、農業には不向きな土地にありながら、時計製造業の需要に応じて合理的に計画され、発展してきました。この地域の時計製造の歴史は17世紀に遡りますが、19世紀初頭に発生した大規模な火災後に、町の構造が見直され、現在の形が整えられました。
町のレイアウトは、住宅と工房が相互に混在した平行なストリップ状のオープンエンド形式で、地域の時計製造文化の特性を反映しています。ラ・ショーデフォンとル・ロクルは、監視下で一つの産業に特化した町がどのように発展するかを示す際立った例です。これらの町は、時計製造業におけるアーティザナルな生産から、19世紀後半から20世紀にかけての集中した工場生産への移行を見事に表しています。
ラ・ショーデフォンは、カール・マルクスによって「巨大な工場町」として描写されており、彼の著書『資本論』の中で、ジュラ地方の時計製造業における労働の分業について分析がなされています。このように、ラ・ショーデフォンとル・ロクルは、時計製造のメッカとしての重要性を持つだけでなく、産業の発展とともに進化した都市計画の優れた例とされています。
さらに、これらの町は、時計製造業が持つ独特の文化的及び社会的な側面を象徴しています。町の建築や都市計画は、時計製造業の発展と共に生活様式や雇用形態が変化する中で、時計職人たちの共同体を形成する基盤を提供しています。この地域は、現在でも時計製造業が息づいており、観光地としても多くの人々に親しまれています。
また、この地域のユネスコ世界遺産登録は、単なる工業的な価値を超え、歴史的、文化的、景観的にも重要な意義を持つことを示しています。時計製造町の計画は、他の地域における産業発展のモデルとなることが期待されており、その普遍的な価値が高く評価されています。時計製造業が生んだ独自の文化、建築、産業構造が今日もなお地域全体に息づいていることから、ラ・ショーデフォンとル・ロクルはただの産業都市ではなく、歴史と文化の交差点でもあるのです。
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