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ニューカレドニアのマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量推移(1961年~2023年)

国際連合食糧農業機関(FAO)が提供するデータによると、ニューカレドニアのマンゴー・マンゴスチン・グアバの生産量は、1990年代から2000年代初頭にかけて大きな変動を示しました。2000年代中盤以降は生産量が安定的に増加し、特に2015年から2017年にかけて急成長を遂げ、最高値の1,478トンを記録しました。2020年代に入ってからは生産量が減少傾向にあるものの、依然として1990年代や2000年代と比較して高水準を維持しています。

年度 生産量(トン) 増減率
2023年 978
-7.9% ↓
2022年 1,062
-8.84% ↓
2021年 1,165
-0.09% ↓
2020年 1,166
3% ↑
2019年 1,132
4.33% ↑
2018年 1,085
-26.59% ↓
2017年 1,478
2.07% ↑
2016年 1,448
196.72% ↑
2015年 488
248.57% ↑
2014年 140
77.22% ↑
2013年 79
-54.86% ↓
2012年 175
87.57% ↑
2011年 93
-45.02% ↓
2010年 170
129.01% ↑
2009年 74
-63.04% ↓
2008年 200
-8.46% ↓
2007年 219
-12.05% ↓
2006年 249
55.63% ↑
2005年 160
6.67% ↑
2004年 150
11.94% ↑
2003年 134
67.5% ↑
2002年 80
-3.61% ↓
2001年 83
2.47% ↑
2000年 81
138.24% ↑
1999年 34
-61.8% ↓
1998年 89
111.9% ↑
1997年 42
27.27% ↑
1996年 33
-72.03% ↓
1995年 118
68.57% ↑
1994年 70
-36.36% ↓
1993年 110
46.67% ↑
1992年 75
-10.71% ↓
1991年 84 -

ニューカレドニアにおけるマンゴー・マンゴスチン・グアバ生産量の記録を時系列で見ると、1990年代から2000年代初期にかけて生産量は年間33トンから150トンの間で大きく変動しており、安定性に欠ける時期が続きました。この期間における生産量の不安定さは、気候変動の影響や農業インフラの未成熟さ、あるいは市場需要の変化が原因として考えられます。

2000年代中盤以降、人々の健康志向の高まりや、グアバやマンゴーといった果実の高付加価値が自国内外で認識されるようになり、生産量は着実に増加しました。2006年以降、年間生産量は100トンを超え、2015年から2017年にかけては驚異的な成長を示しました。この急成長は、インフラ整備の進展、効果的な農業支援政策、新しい農業技術の導入、海外市場の開拓といった複数の要因が組み合わさった結果と考えられます。

特に2016年以降は1,000トンを超える生産水準を維持しており、この地域の農産物生産量における大きな転換点となりました。しかし2022年以降、再び生産量が減少傾向にあります。これは、近年の気候変動の影響が甚大であることや、農地の限界、さらには世界的な輸送混乱や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が背景にある可能性が高いです。

このような状況を踏まえると、今後の課題は明確です。一つ目は、気候変動に強い農業体系の構築です。具体的には耐暑性や耐水性を持つ作物品種の開発や、防風林の整備、水管理技術の改良が求められます。また、技術的な支援や生産者への教育も重要です。二つ目は、国際市場への輸出拡大と販路の多様化です。ニューカレドニアの地政学的な位置を活用し、オセアニアやアジア市場での知名度を上げていくことが収益の安定化につながるでしょう。

生産量の減少に歯止めをかけ、持続可能な農業システムを確立するためには、地域密着型の政策と国際的な協力が必要です。また、農産物の加工・保存技術を発展させることで、鮮度が求められる果物の収益性を増大させることも可能です。

結論として、ニューカレドニアの農業は過去数十年間で飛躍的に成長し、地域経済に重要な役割を果たしていますが、現在は気候変動や経済不安が新たなリスクとして台頭しています。これらの課題に対処するためには、農業技術の向上、持続可能な経済モデルの採用、そして国際連携を強化する政策が必要不可欠です。これにより、マンゴー・マンゴスチン・グアバの生産はさらなる発展を遂げる可能性を秘めていると言えるでしょう。