モンゴルのCO2排出量は1990年から2020年にかけて大きく変動してきました。1990年の28,351,630トンから2020年の89,698,130トンに増加しており、約3倍に達しています。特に2006年以降急激な増加傾向が見られ、2011年から2013年の間では急激な増加が明確です。一方、一部の年度で一時的な減少が見られるものの、全体として長期的な上昇トレンドを示しています。
「モンゴル」のCO2排出量推移
年度 | CO2排出量 |
---|---|
2020年 | 89,698,130トン |
2019年 | 89,981,975トン |
2018年 | 84,362,379トン |
2017年 | 81,365,089トン |
2016年 | 67,898,749トン |
2015年 | 59,900,489トン |
2014年 | 65,987,795トン |
2013年 | 76,958,475トン |
2012年 | 67,761,956トン |
2011年 | 53,793,217トン |
2010年 | 41,701,686トン |
2009年 | 39,880,032トン |
2008年 | 36,366,994トン |
2007年 | 36,071,689トン |
2006年 | 30,817,994トン |
2005年 | 28,056,993トン |
2004年 | 25,198,214トン |
2003年 | 25,099,004トン |
2002年 | 25,269,798トン |
2001年 | 27,495,950トン |
2000年 | 29,696,219トン |
1999年 | 29,363,236トン |
1998年 | 28,854,965トン |
1997年 | 28,465,509トン |
1996年 | 27,832,374トン |
1995年 | 27,343,503トン |
1994年 | 26,361,857トン |
1993年 | 28,081,054トン |
1992年 | 30,222,844トン |
1991年 | 31,768,968トン |
1990年 | 28,351,630トン |
Food and Agriculture Organization(国際連合食糧農業機関)が発表した最新データによると、モンゴルのCO2排出量は1990年以降、増加傾向を強めています。1990年代初期は28,000,000トン台を中心に推移していましたが、1990年代後半から徐々に増加の兆しが見え、2006年には30,000,000トン台に達しました。それ以降は毎年のように増加が加速し、2011年から2013年には急激な上昇が見られました。特に2012年には67,761,956トン、2013年には76,958,475トンへと増加し、モンゴルの気候影響における重要な転換期となっています。
この増加にはいくつかの背景が考えられます。モンゴルの経済発展に伴い、工業生産や鉱業が成長していることが主な要因の一つです。モンゴルは輸出の大部分を鉱産資源、とりわけ石炭に依存しており、その採掘及び燃焼プロセスが二酸化炭素排出の主因として挙げられます。また、エネルギー供給の多くが石炭火力発電に依存している点も見逃せません。さらに自動車の普及や都市化の進展もCO2排出量の増加を促進していると考えられます。
世界全体のCO2排出量では、モンゴルは主要排出国の一翼を担うほどの規模ではないものの、その人口や経済規模に対する排出量の割合は非常に高いことが特徴です。この状況は、日本、中国、韓国など近隣諸国と比較した場合にも顕著です。例えば、同じ期間中における日本や欧米諸国では、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの導入により排出量を減少させる動きが進行しており、モンゴルとは対照的な傾向を示しています。
モンゴルにとっての課題は、これらの上昇傾向にいかに歯止めをかけるかという点です。特に注目すべきは、エネルギー供給における石炭依存の高さを軽減し、再生可能エネルギー源へのシフトを推進することです。例えば、モンゴルは日射量が非常に高い地域であり、太陽光発電や風力発電などのポテンシャルを発展の中心に据えることができます。また、都市部の交通インフラの改善や公共交通機関への転換も具体的な対策として挙げるべきです。
しかしながら、こうした政策を実現するには、国際機関や隣国との協力が不可欠です。例えば、中国やロシアといった近隣諸国からの技術支援やインフラ投資を活用しながら、持続可能な発展モデルを構築することが必要です。また、鉱産資源の輸出国としての地位を持続可能な形で維持するため、採掘プロセスの脱炭素化や炭素税の導入などの施策を検討することが推奨されます。
モンゴルのCO2排出量の急激な増加は、同国の急速な経済発展の象徴である一方で、地球規模の気候変動における負の側面を反映しています。2030年や2050年といった長期目標を見据え、排出削減の取り組みを強化することが急務といえます。モンゴル政府だけでなく、国際的な協力と市民の意識向上も鍵となるでしょう。この道筋の中で、モンゴルは課題を克服しつつより持続可能な未来を築く可能性があります。
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