モンテネグロの1950年～2100年総人口推移｜実データと未来予測を徹底解説

出典：国連事務局(United Nations) World Population Prospects 2024

モンテネグロの人口推移は1950年から長期的に増加傾向を示し、1990年には約62万人でピークに達しました。その後は横ばいと微減を繰り返しつつ、2020年代に入って減少傾向が加速しつつあります。最新データでは2024年の人口が約63.8万人に一時的に増加していますが、それ以降は急激な減少が予測されています。2100年には32.6万人と、1950年の水準を下回る値が予想されています。この人口動態は社会経済や地政学的背景とも関連し、今後の国際的な協力や国家戦略の転換が必要となります。

「モンテネグロ」総人口推移（過去）

「モンテネグロ」総人口推移（未来予測）

モンテネグロってどんなところ?

正式名称: モンテネグロ
英語名: Montenegro
首都: ポドゴリツァ（Podgorica）
地域: ヨーロッパ /南ヨーロッパ
総人口: 63万人
面積: 13,450 ㎢

「モンテネグロ」の総人口推移について

モンテネグロの人口動態は、初めの1950年時点で約40.2万人を記録しました。その後、多くのヨーロッパ諸国と同様に急速な成長を見せ、1970年代から1980年代にかけて安定した増加を続けました。この背景には、戦後の経済復興、医療制度の向上、出生率の高さが寄与しています。しかし、1990年代以降、人口増加は鈍化し、2000年代に入ると自然減と移民による人口流出が顕在化しました。移民が増加した要因としては、モンテネグロの経済基盤が他の西ヨーロッパ諸国よりも弱く、若年層が職を求め国外に出る傾向が挙げられます。

最新のデータでは2024年の人口が若干回復し、約63.8万人に達すると予測されていますが、これは主としてCOVID-19パンデミック後の移動制限や出生数の一時的な増加が関係している可能性があります。しかしながら、2025年以降は再び減少傾向に戻ると見られます。2100年になると約32.6万人まで大幅に人口が減少する見通しであり、これは1950年代初期の人口水準をも下回る値です。この減少予測は、主に少子高齢化と長期的な移民流出の影響を反映しています。

少子高齢化の課題はモンテネグロに限らず、日本やドイツなど先進国でも顕著です。例えば日本では生産年齢人口の減少に伴う労働力不足が深刻な影響を及ぼしており、モンテネグロでも同様の課題が浮上する可能性があります。モンテネグロの場合、経済の規模が比較的小さいため、さらに深刻な影響が出ると予想されます。また、移民の流出も問題視されており、これは他のバルカン半島諸国でもよく見られる傾向です。特に若者が国外に流出することで、国内での出生率が回復しにくい悪循環に陥っています。

地政学的背景も影響を及ぼしています。バルカン半島は歴史的に近隣諸国間での対立が多い地域であり、これが政治的安定や経済発展に抑制的に働いている面もあります。また、モンテネグロはEU加盟を目指しているものの、進展が遅く、経済の観点からは他のEU加盟国との差が広がりつつあります。このような状況は、国外への移民を加速させる要因となっています。

モンテネグロの人口減少に対する具体的な対策としては、まず移民政策の見直しが挙げられます。例えば、国外に住むモンテネグロ人が帰国しやすい環境を整えたり、外国人労働者の受け入れを積極的に進めることが求められます。また、国内での労働市場改革を進め、若者が安心して暮らせる就労環境を整備することも重要です。加えて、出生率の回復を促すため、育児支援や家族政策の拡充が急務と言えます。たとえば、フランスが実施しているような育児関連の手厚い補助金や、働く親を支援する労働政策を参考にすると良いでしょう。

さらに、教育投資を強化し、若者が高いスキルを持ちながら国内で役割を果たす仕組みを構築することが鍵となります。これは、国内の経済成長にも貢献し得る重要な施策です。また、EU加盟を目標に掲げるモンテネグロにおいては、政治・経済環境を安定させるための改革も欠かせません。国際機関や近隣諸国との協力を深めることで、地域全体の安定性を向上させることも重要です。

上述の課題を克服しない限り、モンテネグロの人口は長期にわたって低迷し、社会経済上の持続可能性が危ぶまれます。そのため、国内政策を見直すとともに、国際社会へ働きかけることで、人口減少の影響を最小限に抑える必要があると言えます。

1950年から2100年までの「モンテネグロ」の総人口推移

年度	総人口	人口変化	増加率
1950年	40万人	+7,113	1.767% ↑
1951年	41万人	+8,008	1.953% ↑
1952年	41万人	+9,646	2.303% ↑
1953年	42万人	+7,512	1.757% ↑
1954年	43万人	+6,272	1.444% ↑
1955年	44万人	+6,153	1.397% ↑
1956年	44万人	+6,059	1.356% ↑
1957年	45万人	+6,044	1.335% ↑
1958年	45万人	+6,085	1.326% ↑
1959年	46万人	+6,101	1.312% ↑
1960年	47万人	+6,496	1.379% ↑
1961年	47万人	+6,764	1.416% ↑
1962年	48万人	+6,465	1.335% ↑
1963年	49万人	+6,229	1.269% ↑
1964年	49万人	+6,055	1.218% ↑
1965年	50万人	+5,868	1.167% ↑
1966年	50万人	+5,615	1.104% ↑
1967年	51万人	+5,310	1.033% ↑
1968年	51万人	+5,114	0.985% ↑
1969年	52万人	+5,161	0.984% ↑
1970年	52万人	+5,290	0.999% ↑
1971年	53万人	+5,585	1.044% ↑
1972年	54万人	+5,594	1.035% ↑
1973年	54万人	+5,534	1.013% ↑
1974年	55万人	+5,406	0.980% ↑
1975年	55万人	+5,432	0.975% ↑
1976年	56万人	+5,525	0.982% ↑
1977年	56万人	+5,402	0.951% ↑
1978年	57万人	+5,444	0.949% ↑
1979年	57万人	+5,547	0.958% ↑
1980年	58万人	+6,070	1.038% ↑
1981年	58万人	+4,107	0.696% ↑
1982年	59万人	+3,333	0.561% ↑
1983年	59万人	+3,322	0.556% ↑
1984年	60万人	+3,260	0.543% ↑
1985年	60万人	+3,245	0.538% ↑
1986年	60万人	+3,347	0.552% ↑
1987年	61万人	+3,402	0.558% ↑
1988年	61万人	+3,427	0.559% ↑
1989年	61万人	+3,488	0.565% ↑
1990年	62万人	+3,422	0.551% ↑
1991年	62万人	+2,702	0.433% ↑
1992年	62万人	+2,219	0.354% ↑
1993年	62万人	+1,940	0.309% ↑
1994年	62万人	+1,618	0.257% ↑
1995年	63万人	+1,388	0.220% ↑
1996年	63万人	+1,089	0.172% ↑
1997年	63万人	+737	0.116% ↑
1998年	63万人	+379	0.060% ↑
1999年	63万人	+5	0.001% ↑
2000年	63万人	-183	-0.029% ↓
2001年	63万人	-222	-0.035% ↓
2002年	63万人	-227	-0.036% ↓
2003年	63万人	-187	-0.030% ↓
2004年	63万人	+575	0.091% ↑
2005年	63万人	+18	0.003% ↑
2006年	63万人	-376	-0.059% ↓
2007年	63万人	-609	-0.096% ↓
2008年	63万人	-459	-0.073% ↓
2009年	63万人	-355	-0.056% ↓
2010年	63万人	-343	-0.054% ↓
2011年	63万人	+1,541	0.244% ↑
2012年	63万人	+164	0.026% ↑
2013年	63万人	-839	-0.133% ↓
2014年	63万人	-2,815	-0.446% ↓
2015年	62万人	-3,646	-0.580% ↓
2016年	62万人	-4,147	-0.664% ↓
2017年	62万人	-4,123	-0.665% ↓
2018年	61万人	-4,514	-0.733% ↓
2019年	61万人	-3,743	-0.612% ↓
2020年	60万人	-3,720	-0.612% ↓
2021年	60万人	-4,449	-0.737% ↓
2022年	61万人	+26,043	4.238% ↑
2023年	63万人	+11,766	1.857% ↑
2024年	63万人	-1,913	-0.300% ↓
2025年	63万人	-9,586	-1.515% ↓
2026年	62万人	-3,406	-0.544% ↓
2027年	62万人	-3,331	-0.535% ↓
2028年	61万人	-3,411	-0.551% ↓
2029年	61万人	-3,473	-0.564% ↓
2030年	61万人	-3,507	-0.573% ↓
2031年	60万人	-3,577	-0.587% ↓
2032年	60万人	-3,661	-0.605% ↓
2033年	60万人	-3,726	-0.619% ↓
2034年	59万人	-3,783	-0.633% ↓
2035年	59万人	-3,848	-0.648% ↓
2036年	59万人	-3,896	-0.660% ↓
2037年	58万人	-3,941	-0.672% ↓
2038年	58万人	-3,968	-0.681% ↓
2039年	57万人	-3,984	-0.689% ↓
2040年	57万人	-3,980	-0.693% ↓
2041年	57万人	-4,022	-0.705% ↓
2042年	56万人	-3,988	-0.704% ↓
2043年	56万人	-4,087	-0.727% ↓
2044年	55万人	-4,064	-0.728% ↓
2045年	55万人	-4,103	-0.740% ↓
2046年	55万人	-4,133	-0.751% ↓
2047年	54万人	-4,224	-0.774% ↓
2048年	54万人	-4,154	-0.767% ↓
2049年	53万人	-4,250	-0.791% ↓
2050年	53万人	-4,248	-0.797% ↓
2051年	52万人	-4,279	-0.809% ↓
2052年	52万人	-4,335	-0.826% ↓
2053年	52万人	-4,339	-0.834% ↓
2054年	51万人	-4,395	-0.852% ↓
2055年	51万人	-4,467	-0.873% ↓
2056年	50万人	-4,542	-0.896% ↓
2057年	50万人	-4,435	-0.882% ↓
2058年	49万人	-4,403	-0.884% ↓
2059年	49万人	-4,455	-0.902% ↓
2060年	48万人	-4,533	-0.927% ↓
2061年	48万人	-4,486	-0.925% ↓
2062年	48万人	-4,498	-0.937% ↓
2063年	47万人	-4,517	-0.949% ↓
2064年	47万人	-4,520	-0.959% ↓
2065年	46万人	-4,542	-0.973% ↓
2066年	46万人	-4,424	-0.957% ↓
2067年	45万人	-4,481	-0.979% ↓
2068年	45万人	-4,428	-0.977% ↓
2069年	44万人	-4,415	-0.984% ↓
2070年	44万人	-4,443	-1.000% ↓
2071年	44万人	-4,387	-0.997% ↓
2072年	43万人	-4,312	-0.990% ↓
2073年	43万人	-4,321	-1.002% ↓
2074年	42万人	-4,264	-0.998% ↓
2075年	42万人	-4,218	-0.998% ↓
2076年	41万人	-4,167	-0.995% ↓
2077年	41万人	-4,121	-0.994% ↓
2078年	41万人	-4,109	-1.001% ↓
2079年	40万人	-4,098	-1.009% ↓
2080年	40万人	-4,055	-1.008% ↓
2081年	39万人	-4,014	-1.008% ↓
2082年	39万人	-3,954	-1.003% ↓
2083年	39万人	-3,908	-1.001% ↓
2084年	38万人	-3,912	-1.013% ↓
2085年	38万人	-3,866	-1.011% ↓
2086年	37万人	-3,831	-1.012% ↓
2087年	37万人	-3,817	-1.018% ↓
2088年	37万人	-3,772	-1.017% ↓
2089年	36万人	-3,799	-1.035% ↓
2090年	36万人	-3,794	-1.044% ↓
2091年	35万人	-3,788	-1.053% ↓
2092年	35万人	-3,760	-1.057% ↓
2093年	35万人	-3,763	-1.069% ↓
2094年	34万人	-3,727	-1.070% ↓
2095年	34万人	-3,732	-1.083% ↓
2096年	34万人	-3,736	-1.096% ↓
2097年	33万人	-3,726	-1.105% ↓
2098年	33万人	-3,681	-1.104% ↓
2099年	32万人	-3,724	-1.129% ↓
2100年	32万人	-3,726	-1.143% ↓