■南アフリカ国歌について
南アフリカの国歌は「南アフリカ国歌」("National Anthem of South Africa")と呼ばれ、独特の歴史と構成を持つ多文化国家の象徴です。この国歌は、1997年に公式に採用され、当時の国歌「ニコシ・シケレリ・アフリカ」と「ディー・ステム・ファン・ズイト・アフリカ」を組み合わせたものです。
国歌の歌詞は5つの異なる言語で構成されており、これらは南アフリカの11の公用語のうちの主要な言語です。最初の部分はコサ語とズールー語で「Nkosi Sikelel' iAfrika」(「神よ、アフリカに祝福を」)が歌われ、次にソト語で続きます。後半部分はアフリカーンス語で「Die Stem van Suid-Afrika」(「南アフリカの呼び声」)が歌われ、最後は英語で締めくくられます。この多言語の構成は、南アフリカの多様な文化と人々を象徴しています。
「ニコシ・シケレリ・アフリカ」は、1897年にエノク・ソントンガ(Enoch Sontonga)によって作詞・作曲されました。彼は南アフリカの教育者であり、賛美歌としてこの曲を作成しました。この曲はアフリカ民族会議(ANC)のテーマソングとしても使用されました。
「ディー・ステム・ファン・ズイト・アフリカ」は、1918年にC.J.ランゲンホーベン(C.J. Langenhoven)によって作詞され、1921年にマリウス・デ・ヴィリヤーズ(M.L. de Villiers)によって作曲されました。この曲は、アフリカーナー文化を象徴するものでした。
この国歌は南アフリカの歴史的な文脈と現代の多文化社会を反映しており、国家の団結と共生の象徴として重要な役割を果たしています。その歌詞とメロディは、南アフリカの多様な文化的背景と遺産を尊重し、国家の一体感を促進するために設計されています。
■歌詞
[神よ、アフリカに祝福を]
(コサ語で)Nkosi sikelel' iAfrika
Maluphakanyisw' uphondo lwayo,
(ズールー語)Yizwa imithandazo yethu,
Nkosi sikelela, thina lusapho lwayo.
(ソト語)Morena boloka setjhaba sa heso,
O fedise dintwa le matshwenyeho,
O se boloke, O se boloke setjhaba sa heso,
Setjhaba sa, South Afrika — South Afrika.
[南アフリカの呼び声]
(アフリカーンス語)Uit die blou van onse hemel,
Uit die diepte van ons see,
Oor ons ewige gebergtes,
Waar die kranse antwoord gee,
(英語)Sounds the call to come together,
And united we shall stand,
Let us live and strive for freedom
In South Africa our land.
■歌詞(翻訳)
[神よ、アフリカに祝福を]
(コサ語部)主よ、アフリカに祝福を
その栄光が高く掲げられんことを
(ズールー語部)我らの祈りを聞き届け、
あなたの子である我らを祝福したまえ
(ソト語部)主よ、我らの国を護りたまえ
御手によりすべての争いを鎮めたまえ
我らと我らの国を護りたまえ
この南アフリカの国を
[南アフリカの呼び声]
(アフリカーンス語部)我らの上なるこの青き空より
我らの海の深みより
こだま渡る険しき永遠なる山々より
(英語部)「共に来たれ」と呼ばわる声あり
我らは共に立ち上がる
自由のために生き、いざ戦わん
我らの国、南アフリカで